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両手で抱きしめたい小説フレーズ8選




本を読む意味とは何だろうか。





ブックオフ大型店で興奮する私



知識を得るため、語彙表現を学ぶため
想像力を広げるため、現実逃避するため…




よく考えたら、読書好きの人はなんで読書が好きなのか、ちゃんと知らない。私はもっぱら小説しか読まないが、なぜ読んでいるのかなんて考えたこともなかった。


ただ青春時代を振り返ってみると、自分の感情をどう言えばいいのかわからない状況が多すぎたために、小説から力を借りようとしていたのだと思う。



みなさんも自分の中の名前のない感情に悩まされたことはあると思う。
しかし見えないものだからこそ、その真髄を探すことはとても楽しい。
この作業が好きな人が必然的に読書好きになるのかな・・・?





今日は、私の中でグッときた小説のことばを紹介していきます。
私の癖を晒すようで恥ずかしいですが、良いものはなんぼ紹介しても良いですからね。



気になったものがあったら、ぜひポチってね。
ネタバレにならないように頑張ります。








①羊と鋼の森/宮下奈都さん より
※以後敬称略


「努力していると思ってする努力は、元を取ろうとするから小さく収まってしまう。自分の頭で考えられる範囲内で回収しようとするから、努力は努力のままなのだ。それを努力と思わずにできるから、想像を超えて可能性が広がっていく。」



仰る通り過ぎて、何もかも見返りを求める強欲の私は「スミマセン…スミマセン…」と声をこぼすしかありませんでした。
好きこそなんとかなれ、みたいな言葉の本質なんでしょうね。(調べろよ)






②夜が明ける/西加奈子 より



「あえて会わないことで、確実に美しい部分が残る」



やっぱりみんなもそう思うんだという気持ちになれました。


憧れの人と別れないといけない時、どうにかして繋がりを保っておきたいと思うものですが、そうしない方が確実に良いことの方が多いんですよね。
会う必要もない人は忘れていいはずなのにねー
せつねえ






③一人称単数/村上春樹 より


「記憶は僕にとっての最も貴重な感情的資産である」



ええ…感情的資産ってなんぞ…。
そんな言葉あるのかと思って辞書で調べてみましたが、存在しない造語でした。


たぶんこれ登場人物のセリフとして出てきてたかな。
すばらしいなあ。







③正欲/朝井リョウ より


「3分の2を2回続けて選ぶ確率は9分の4であるように、『多数派にずっと立ち続ける』ことは立派な少数派である」



「ンゴッ!!、確かにィ!!」と声に出して読みました。鬼の数弱です。



多数派と豪語している人も、実は自分の意見を主張するチャンスをどんどん見失っていただけで、本当は苦しいのかもしれないね。






④自転しながら公転する/山本文緒 より


「何かに拘れば拘るほど、人は心が狭くなっていく」



部活の新歓にこだわりすぎて心が狭くなっていた私は悲しくなりました。

その通り、こだわりのベクトルが闇に向くと人は傲慢になります…。
何かを創っている時は特に忘れずにいたい。







⑤かわいそうだね/綿矢りさ より

「良性の癌のように思えた」



情景に対して描かれていた言葉だったと思います。


ほんと、よくこんな言葉でてくるなあと思いました。
これは実際に読んでください。







⑥人間/又吉直樹 より

2つメモってました

「世間の空気に流されるという行為そのものが、世間の空気を作っている。」



「記憶も 叙述も1秒が1秒ではない。1秒のことを1秒では想像できない。1秒は1秒より遥かに大きい。その1秒を再現しようとしたら、莫大な労力がかかる。そんな1秒をこの瞬間も1秒で過ごしているということが、最も身近にある奇跡である。」




万歳 又吉先生!!!
ガチ恐ろしいひと









⑦噛み合わない会話とある過去について/辻村深月 より


「憎悪の奥には愛があり、復讐の根源には希望がある。」



(解説 東畑開人)とメモっていたので、もしかしたら解説者のことばかも
まじで記憶なくてすみません…。

復讐の希望は理解できたけど、憎悪の奥にある愛がわからなかった自分はまだまだ人生経験が浅いと思いました。
理解できないことと出会えることが、小説の素晴らしいところだと思います。






次で最後です



⑧20代で得た知見/F より


「私たちは一人でも生きていける。
それでも誰かと生きたがるのはなぜでしょう。
それだけ己の心を捧げてもいい特別なものに出会うためにはまず、群れていては見つからない。孤独であれ。
ただし私はここにいると叫び続けろ。」



もう有名になってしまったので、紹介するまでもないと思います。
Fさんは誰にも真似できないような表現で、読んでいて本当に心打たれる作品が多いですね。孤独に対して一番わかりやすく美学を提し、勇気をくれる方です。

FさんはTwitter時代から拝見していたのですが、変わらない審美論にリスペクトしかありません。
20代以外にも、もっともっとたくさん普及してほしい。




ちょっと話が変わりますが、
この書籍が発売された後、Fさんのページの一部をストーリーに上げまくって感傷に浸っている人が増えた気がします。
私もこの本は好きだったので共鳴できることが嬉しい反面、ところどころエモの要素とされていることにたまらなく嫌悪感を感じてしまっていました(不快だったらすみません)。
美術品の前でイキるインスタグラマーと似たものを感じます。
わかる人いますか・・・。



共感とエモがることは紙一重なのかな、とモヤモヤした時期でした。
まあ、ストーリーに登場させたいと多くの若者に思わせるこの作者さんは本当に神です。






以上です。
少しでも読んでみたいなと思えたものがあったら嬉しい限りです。
私もまだまだ語彙貧弱のクソガキなので、何かおすすめの本があったらぜひ教えてほしいです。


note書いてて思いましたが、
「おすすめの本」よりも「このフレーズ!」みたいな中身の方が話してて楽しいかもしれませんね。
価値観が合わない人と討論したら地獄ですが…。



今回は一部しか紹介できなかったので、
また体力が回復したら第2弾書きます。


ご覧いただきありがとうございました。


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