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【読書感想】どんぐり姉妹

私は、再生小説が大好きで。今回Amazonのおすすめに出てきたので購入。
吉本ばななさんの作品は、10年ぶり位に読みました。個人的には、ちょっと物足りなかったかなというのが正直な感想です。「つまらない」というわけではないけれど、全体的に、フワッとしているなと思いました。


あらすじ

姉の名前はどん子、妹はぐり子。突然の交通事故で、大好きだった両親の笑顔をうしなったふたりは、気むずかしいおじいちゃんの世話をしながら、手を取り合って生きてきた。そしてすべての苦しみが終わった日、ふたりが決めたのは小さな相談サイト「どんぐり姉妹」を開くこと。たわいない会話にこもる、命のかがやきを消さないように。ことばとイメージが美しく奏であう、心を温める物語。


心に残った3選

みんな親が恋しい。だから恋愛にもあの懐かしい気持ちを持ち込んでしまう。おじいさんや、おばあさんになってもロマンスを求めてしまうのは、歳と共に親が恋しいという気持ちが増してくるからなんだ

どんぐり姉妹

人間は、年齢を重ねても、恋をしているとイキイキしているもの。
やっぱり「あの人に好かれたい」「キレイって思われたい」「かっこいいって思ってほしい」プラスな意味でそう思えると、それがモチベーションになると思うんですよ。
ロマンスを求めることは悪いことじゃないし、誰かを恋しいと思うのも、自然なことなのはないでしょうか。
過去の恋愛を思い出して、懐かしむことで「当時は苦しかったけど、今思えば、いい経験をした」と思うことができれば、拗らせていた恋愛も、オールオッケーです。笑


みんなたわいない会話をしたくて仕方ないのに、一人暮らしで出来なかったり、意味あることだけを話そうとして疲れていたり。人々は、たわいない会話がどんなに命を支えているかに無自覚すぎるのだ。

どんぐり姉妹

カフェでお茶をする、井戸端会議、雑談をするーそういった場面がよく見られます。
まさに、人々は、たわいない会話をしているのでしょう。会話の質が低くても、誰かと話をすることで、気が紛れることってあると思うんです。
その会話をすることで、ストレス発散になったり、相手から支えられたり。
でも、そのことに気付かない人が多いと思うんです。「誰か」に話を聞いてもらってるだけで、気持ちが楽になるということに。そんな、たわいない会話をしてくれる相手に感謝をして、会話していきたいですね


そうか、ずっと一緒にいられない人といるのは中毒みたいなものなんだ。魔法が解けないまま別れるのは、なんて甘美なものだろう。好きじゃないわけじゃない、ただ一番好きでいられる方法がこれなんだ。

どんぐり姉妹

一番好きな人と一緒になってはいけないーこの言葉ってよ聞きませんか。
私は、この考え、正解だと思っています。
一番好きな人は、美しい思い出として、自分の引き出しにしまっておきたいと考えているからです。
「好き」だから、ずっとずっと一緒にいたい。その気持ちはよくわかります。ですが、一緒にいるということは、相手の嫌なことろは、どうしても見えてきてしまうもの。イライラしない人間なんていないですからね。
もし、相手の嫌なところばかりが見えてしまうようになってしまったら?嫌いになってしまいませんか。
一番好きな相手だからこそ、キレイなものだけを自分の中にしまっておきたい。そして、自分の醜いところは、相手に見られたくない。相手のことも、自分のことも美しいままで終わりたい。私は、そう思います。


まとめ

こちらの作品は、私にとって「元気をもらえる」という感じじゃないかなあ、というのが感想です。
私が今まで読んでいた作品は、心が温まったり、元気をもらえる作品が多かったのですが、ちょっと今までとは違うなと思いました。
ですが、読了して感じたことは、逆境を乗り越えていく姉妹の姿が素敵だったこと。
両親の死、初恋の人の死、おじいちゃんとの死、ーたくさんの別れと挫折を経験してきた姉妹。辛いことも多かったけど、今思うと○○だったんだと思う、と、どんぐり姉妹は前向きな考えを持っているのが印象的でした。
高評価を得ている作品なので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

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