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すき花、コタツ、セクシー、ヒーロー、パリピ…’23秋ドラマ定点観測

2023年も11月に入り、秋ドラマも一通り放送が開始されました。

今期も色々と視聴したので、気に入った作品を個別に記事にしていこうと思っていましたが、ちょっと時間も経ってしまったので、定点観測としておまとめて紹介したいと思います。


■いちばんすきな花

昨年ヒットしたsilentの脚本家、プロデューサーによる新作ということで注目されていた本作。

クアトロ主演というちょっと変わった4人主人公体制のドラマですが、それぞれの主人公の抱えている葛藤や生きづらさが自分も含め、視聴者それぞれの過去のトラウマを呼び起こすようでしんどい印象でしたが、話数を重ねて4人が出会うことで居場所を見つけていく過程が心地良く、楽しんで観られるようになってきました。

松下洸平の柔らかい演技も新鮮で、多部未華子の表情はやはり豊かで見ごたえがあります。若手二人も魅力的な俳優さんなので、今後どういった経緯を経てどのような結末を迎えるのか興味深く見守りたいと思います。

■コタツがない家

ちょっと地味目だったので、見るか迷いましたが、意外にも小池栄子
地上波GP帯連ドラ初主演作ということで見てみたら面白かったです。

設定的には、息子、夫、父親と揃ってダメ男な3人を女手一人で養う羽目になるというコメディなのですが、すき花同様に3人のダメさが自身にも思い当たるような絶妙なリアリティがあり、痛々しいというか男性視聴者にはしんどい展開が続くのですが、オリジナル脚本ということで当て書きかというような小池栄子のパブリックイメージに合うような気持の良いキャラクターで、ハッキリと「私が養う!」と笑顔で腹を決めるシーンは何というか、今の時代の価値観を象徴するようで感動しました。

馴染んでくると小池栄子の夫役の吉岡秀隆や父親役の小林薫の演技巧者なダメっぷりも憎めない感じで笑えるし、味のあるドラマです。

■セクシー田中さん

こちらは勇者ヨシヒコのムラサキ役でお茶の間にも浸透した?木南晴夏地上波GP帯連ドラ初主演作ということで見てみましたが、面白かったです。

個人的には映画「20世紀少年」での小泉響子役の表情の完コピぶりが衝撃でしたが、本作でも正体を隠そうとコソコソ隠れてからの本気で机に頭をぶつける演技にさすがのコメディセンスを感じました。

また、本作ではダブル主演といっても良いような”めるる”こと生見愛瑠の存在感も大きく、可愛いだけじゃなく、しっかりと感情移入できる演技に引き込まれます。

彼女は流行り始めの頃さんまの番組に出て、上手く返せずにいて「あっ、これはもう呼ばれないパターン…」ってなって、実際しばらく出演していなかったのが、他の番組で人気が出て再度出演したときは上手く返せて次も呼ばれるようになるなど、努力家の一面もあるなと思っていました。

見た目は可愛らしいですが、地声は意外とドラ声というか低いので落ち着いた役も似合うのかなと感じましたが、見どころの一つです。

■ゼイチョー~「払えない」にはワケがある~

菊池風磨と山田杏奈出演の納税課職員のお仕事ドラマ。

同じ組み合わせで出演していた「書けないッ!?」での山田杏奈のツンデレJKぶりが印象的で、その後の動向もチェックしていましたが、今作でも彼女のアンニュイな雰囲気は健在でやはり魅力的です。

「17歳の帝国」でのAIキャラみたいなのが似合いますが、くるくる変わる表情も楽しいのでこういったコメディも向いています。

ドラマ的には前期の「シッコウ」と設定が似ていますが、あまりお涙頂戴になっていないのと、そこだけがメインじゃない展開になっていないので楽しめます。

ただ、主人公の「チョゼる」と「公務員舐めないでくださいね」のキメ台詞は正直スベっている気がするんですがどうなんでしょうね?

■パリピ孔明

設定の妙と、アニメ版の主題歌がバズってチェックしていましたが、結局アニメは未視聴のまま向井理の超孔明っぷりが気になって見てみました。

脚本は「ハコヅメ」や「正直不動産」等で原作からの絶妙な脚色っぷりを絶賛された根本ノンジ氏ということで期待していましたが、本作も序盤は手堅く原作を踏襲しつつも、原作では(その時点では)登場していないキャラクターが出てくるなど、構成の入れ替えを行っています。

話数の少ない日本のドラマではどこを結末に持ってくるかが重要ですが、ミアとの関係性など結末から逆算した連載とは異なる展開も興味深く、先が楽しみなドラマです。

オーナーの森山未來のハジけっぷりや、孔明が計略を練る時に帽子にプシューっと煙が上がるのも原作にない面白さですが、映像になったことでどうしても楽曲のリアリティは求められてしまうため、ネットの評判でも言われていますが、現時点では英子の歌に孔明や民草が魅了されるというのに今一つ説得力が感じられないのが気になるところです。

■マイホームヒーロー

原作漫画を面白く読んでいましたが、(内容的に)まさかのドラマ化ということで驚きました。

キャストをあまり想像していませんでしたが、言われてみると主演の佐々木蔵之介のしょぼくれた感じ(誉め言葉です)や妻役の木村多江の浮世離れした感じは(原作のその後の展開を踏まえても)ピッタリで、ハマっていました。

意外だったのは麻取役の吉田栄作で、全然予想していませんでしたが似合っていて、笑ってしまいました。

ちなみに、アニメ版で今一ハマらなかった主人公の口癖の「おーん…」をどう表現するのかいろいろ想像していましたがそこは踏襲せず普通な感じでしたね。

■フェルマーの料理

あまり見るつもりはなかったですが、「らんまん」の好演が光った志尊淳君出演というのと数学で料理するという設定に興味を惹かれて見てみました。

1話はなかなか面白く、2話目の仲間にシェフとして認められていく過程も悪くなかったのですが、肝心の「数学的思考で”料理の心理の扉”を開く」という部分のひらめきやアイデアが今一つ意外性に欠け、ドラマ部分に負けている嫌いがありました。

2話の最後の予告では主人公が横柄な態度をとって仲間を罵倒する様子が描かれるなど意外な展開を予感させる内容となっていましたが、果たしてどうなるのか、今後に期待です。

■泥濘の食卓

これも見るつもりはなかったのですが、キョコロヒーでアイドルらしからぬ失礼な態度を天然でかます日向坂46の齊藤京子が面白く、本作で初のドラマ単独主演ということと、ドラマの”パラサイト不倫”という設定もちょっと面白かったので興味本位で見てみました。

彼女の演技はまだ何とも言えませんが、大きい瞳と他人を気にしない感じはドラマのキャラクターに合っていて良いと思いました。

不倫相手役の吉沢悠もハマっているし、まだ本格的に出てきていませんが、吉沢の妻役のええにょぼ戸田菜穂も好きな女優さんですので、どんな演技をするのか楽しみです。

また、意外なところでは吉沢の息子役の幼馴染役の原菜乃華が「すずめの戸締り」とは打って変わって、振り切ったストーカー役を演じており、こちらとの絡みも面白そうです。

■まとめ

前期、VIVANTやハヤブサ(&らんまん)が個人的盛り上がりを見せていたので、今期はちょっと地味目なラインナップですが、早々に離脱する感じでもないので、小粒でピリリというか、のんびりと楽しんでいけそうです。

今回紹介したドラマ全てを継続視聴するかは分かりませんが、それぞれを見終えた際にまた何か書きたいことがあれば、記事にしていきたいと思います。

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