【洋画】「丘の上の本屋さん」

2021年のイタリア映画「丘の上の本屋さん(Il diritto alla felicita)」(クラウディオ・ロッシ・マッシミ監督)。Amazonプライムにて。

本及び本屋さん好きなら、優しい気持ちになれるような、正統派のハート・ウォーミング・ストーリーであった。

イタリアの美しい田舎町にある小さな古書店が舞台。
店主の老人リベロ(本の読み過ぎでボケたという)は、店の外に置いてあったコミック本を眺めていた少年を見かけて声をかける。
お金がないから本は買えないというが、好奇心旺盛な少年を気に入ったリベロは、コミック本のみならず、次々と店の本を貸し与えて、少年も読書の素晴らしさに目覚めていく。
毎日、リベロと少年は、本の感想を語り合ううちに、本を通して友情を築いていく…。

というのがメインで、リベロと隣のカフェのウエイター、古書店を訪れる客らとの交流も描かれる。

少年は、肌が黒くて移民の子である事がわかる。多分、攻撃されたり、差別を受けることもあるのだろう。でも、リベロと彼が貸してくれた本を読むことで、豊かな感情や感受性、考え方を身に付けていくのだ。

ラスト、リベロが病気で倒れて死んで行くのだが、最後に少年に与えた冊子が「世界人権宣言」であった。

賛否両論あるみたいだが、確かに、登場人物は良い人が多くて、終わりが中途半端な感じもして、ちょっとイデオロギー色が見え隠れしないでもないけど、丘陵地帯にある風光明媚な石の舞台と、サドやマゾッホも出て来る、発禁本もある好きな本がメインであるので、俺は感動、とても楽しめた。

「持ち主が代わり、新たな視線に触れるたび本は力を得る」
「本は二度味わう。一度目は理解する、二度目は考える」
「どんな国も文化も人の考えを統制したがる。何が良くて何がダメか権威が決定を下す」
「発禁本の普及は本屋の務めだ」
「人は皆自由で平等に尊厳と権利を有し、理性と良心に従い、互いに同胞として向き合うべきである」


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。