「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2」を読んで気づいた自分の心の声
図書館で予約していたことすら忘れていたのだが、「こちらの書籍が用意できました」という連絡があって、ブレイディみかこさんの本の続編を読了した。著者と息子「ぼく」の会話のやり取りが好きで、日々の出来事を通じて、著者と一緒に息子の成長を見守っているような気持ちになりながらも、あっという間に読み終えた。
特に印象に残ったのは「多様性」について語るパートだ。
「多様性や寛容さ」についてよく考える。私自身がこれまで育った環境で、居心地の悪さをずっと感じていたし、人生の中で大切にしてきたい、憧れ続けているテーマのひとつだ。だからこそ、著者と息子さんを取り巻く環境で語られるこのテーマが心に響いたし、英国・ブライトンで起きている、あるご家族の話を想像して、なるほどと思った。
「誰かのことをよく考えること、話を聞くこと」ができている、そうしたいと思っていたけれど、実は全然できていない・・という自覚がある。そして、目の前にいる相手をリスペクトすることは、自分のことを客観視していないとなかなかできないことだなと、そんなふうに思う。
印象に残ったもうひとつのパートは、息子が通う元底辺中学校で「ビジネス」の科目を導入しているというくだり。中学生がビジネスの科目を通じて、組織で雇われることを想定するのではなく、フリーランスで働くための実用的な知識を学んでいるという。
フリーランスを「させられている」のか、「あえて自分から選んでいる」のか。
本当は組織に所属したいけど、安定した待遇を得たいけど、できない。あえて選んだつもりでも、実は、私は私にフリーランスを「させている」のではないか、とふと思った。
本当は会社員になりたい、でもフリーランスになった。これを自信をもって
否定できない自分がいる。迷いがある。安定した収入と福利厚生を志向しているのではないかと。一方でデメリットが多く、多すぎて心身を病み、うまく世渡りができない、過敏な私はそれを拒否してしまったのだなと。
自分の心の声を聞くこと、向き合い続けていくことって難しい。でもそれは私自身にしかできない。いまの私はまさに個人請負業者であり、ゼロ時間契約だなと気づいた。
あえて自分から選んでフリーランスになることへの憧れ、はあまりなくて、本当は組織に所属したいと自分の心の声が聞こえた。