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【日記】 書けなくても座る

今年に入ってからずっと、新しい作品を書く日々だ。
いや、すみません。ちょっと盛りました。
正確には、書こうと思うけれど期待通りには筆が進んでくれない日々だ。

特にここ数日は、事前に考えていた流れにはないエピソードを書いているので、「今から描くシーンに対するストックがない」という丸腰スタイルで臨んでいる。

これがめちゃくちゃ怖い。

なにせ、登場人物たちが何を喋り、どんな行動をするのか、作者の僕も見当がついていないのだ。ヘタしたら、1行も書けずに1日が終わってしまう可能性もある。だから朝起きて、仕事部屋に入り、パソコンを立ち上げ、真っ白な画面を前に、「今日こそ書けないかも」と途方に暮れる。
これが最近の僕のモーニングルーティン。

そこからしばし悩む。
悩むことに飽きてちょいと休憩し、また悩む。あげく、「キャラが勝手に動き出すとか全然ないんですけど!!!」と創作の神様に悪態をつく始末。
ただ、どれだけ筆が進まなくとも、一つだけ決めていることがある。

パソコンの前に座ることだ。

それは前作を書いているときに発見した、僕の執筆ライフハックで、書けないからといって他のこと(SNSとか家事とか、読書さえも)をやり出すと、どんどん「書くこと」への腰が重くなる。だって書かないほうが圧倒的に楽だし、生きてるだけでも日々は十分に忙しい。

だから座り込みストライキのごとく、パソコンの前に居座る。ドライアイ上等とばかり、真っ白な画面を睨みつける。するとどこかのタイミングで、創作の神様が根負けしたように手を差し伸べ、ぽつぽつと文章が浮かんでくる。その細い糸を慎重に手繰り寄せながら、続きの文字を打つ。歩みは遅い。でも少しずつ白の中に黒が増えていくのがわかる。そして1日が終わるころには、思ったほどではないにせよ、物語が前に進んでいる。

書けないことが、書かないことの理由にはならない。
それを身をもって知れただけでも、小説を書く意味はあったと思う。

なので今日も、書けなくても座る。
座ったからには、何かは書けるのだから。


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