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【企業向け】メンタルヘルスマネジメント~ラインケアを考える~
いつもnoteをご覧いただきまして、ありがとうございます。
最近は、新型コロナウイルスの再拡大、記録的な連日の猛暑等、
心身共に影響が出てくる事柄が多くなってきました。
そこで今回は、メンタルヘルスについて、改めて考えてみたいと思います。
メンタル面のマネジメントとして、企業は何をするべきか、障がい者本人は何をするべきか、医療や支援者とどう協力するべきか、などを数回に分けてお伝えしたいと思います。
今回のテーマは。
「メンタルヘルスマネジメント~ラインケアを考える~」
まずはメンタルヘルスマネジメントとは何か、障がい者雇用の観点から見てみましょう。
厚労省が示す「労働者の心の健康の保持増進のための指針」
厚生労働省が示している「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、心の健康を保つ4つのケアとして、
「セルフケア」…障がい者本人の自己管理、又は自己管理が行えるよう教育・サポートの実施…
「ラインケア」…日常的に障がい者と接する職場の管理監督者が、環境・労働者の変化・相談などに対応し改善を図る…
「事業場内産業保健などのスタッフによるケア」…産業医、保健師、衛生管理者、人事担当者などによるメンタルヘルスケアに関する企画立案や実施…
「事業場外資源によるケア」…事業場外の専門機関や専門家の情報提供や助言、支援…
を挙げています。
障がい者雇用では特に、全てが密接に絡み合ってこそ安定した職場定着が図れるのです。
雇用管理を担当されている方であれば、「ラインケア」についてはご存じと思いますが、企業が日常的に行う「ラインケア」は、きちんと実施されているでしょうか。
これまでもコロナ禍の中で、メンタル面をサポートするために企業はどうしたらよいかを挙げてきましたが、本来は日常的に行っていくべき対応です。
障がい者雇用での「ラインケア」は雇用前から始まっている
障がい者社員を受け入れる前に、
●社内理解の促進…障がいについての基礎知識(特性・配慮事項など)の周知
・業務整理と細分化による職務の創出
・構築・社内研修やOJT(現任訓練)体制の明確化
・特性に応じた設備の検討・改善
これらを進めておかなければならないでしょう。
特に社内理解の促進を疎かにしてしまうと、障がい者の受け入れ後にも大きな影響が生じます。
せっかく入社した障がい者社員のメンタル面にも弊害が出てくるでしょう。
障がい者雇用時の「ラインケア」
では、いざ雇用をする、というタイミングではどうでしょう。
●障がいの分類にとらわれず、対象者個人の特性を理解する ・・・同じ障がい名でも個々の特性は違うため、対象者ごとに 特性・性格・得手不得手などを理解する
●本人特性に対しどのような対応が適切か理解し心構えをする ・・・対象者別に検討・準備を行う
・創出した職務内容が本人特性と合致しているかの検討
・本人特性に応じた設備の検討・改善の実施
・社内研修やOJT(現任訓練)実施工程の確立
受け入れのタイミングで、障がい者個人の理解を進めておいて下さい。
障がい者社員は、自身を理解してもらっているかどうかで職場定着の安定が大きく変わってきます。
合理的配慮は勿論ですが、まずは理解しようとする姿勢を整えていただきたいと思います。
障がい者雇用後の「ラインケア」
受け入れてからも、それで終わりではありません。
●定期的な障がい理解への取組みや周知の継続 ・・・勉強会の実施、支援機関からの助言 など
●職務遂行の中で見えてくる長所、課題や改善点の把握 ・・・日常の業務状況の観察、部署内へのヒアリング など
●日常の雇用管理、定期的な相談の実施 ・・・日常の声かけ、業務日誌の活用、定期面談の計画と実施 など
・職務遂行上で困難な場面が生じた時の検討・改善 ・・・部署内レイアウト変更、勤務時間の変更、配属部署の変更 など
・職務遂行上で困難な場面が生じた時の検討・改善 ・・・業務内容の見直し、作業手順の改善、業務量の見直し など
・休職、職場復帰への支援 ・・・復帰部署の環境改善、本人・家族・医療機関・支援機関との連携 など
日常的に管理をし、変化に気づき、改善をしていくことが「ラインケア」です。
一方的ではなく、対話をしてお互いが納得できる職場づくりを進めていくことで、不調を未然に防ぐ。
それこそがメンタルヘルスマネジメントとなるのではないでしょうか。
但し、配慮とは障がい者が「してもらうもの」、雇用側が「してあげるもの」ではなく、「調整」です。
お互いにその点をはき違えない関係性を作っていきましょう。
次回は「メンタルヘルスマネジメント~セルフケアを考える~」を投稿予定です。
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