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【vol.1】「”わたし”ってこんなに笑うのが好きだったんだ」滑川伶奈さん


「銀座へおでかけプロジェクト」とは

こんにちは!東京おでかけプロジェクトです。

病児や障害児を育てる母親向けに、「自分を大切にする時間を持ってほしい」という想いからはじめた「銀座へおでかけプロジェクト~ママが”わたし”に戻る週末」。

銀座にあるROSEGALLERY資生堂パーラーをお借りして毎回開催しています。

「“○○ちゃんママ”ではなく、1人の女性として楽しんでほしい」

この日の唯一のルールは

「ママさん」「お母さん」「〇〇ちゃんママ」と呼び合わないこと。

お名前で呼び合うこと。

とにかく自分にわがままに、自分本位に時間を過ごしてほしい。

毎回、参加者のみなさんが様々な想いを持って参加してくれるのですが、今回は参加者インタビューをお届けします。

滑川伶奈(なめかわれいな)さん

ーお子さんの病気や障害について教えてください

滑川さん:子どもが5人いるのですが4女に脊髄性筋萎縮症(SMA)という疾患があります。この病は症例数がとても少なくて、10万人あたり1〜2人と言われ、体幹、腕、脚などの運動を司る脊髄の細胞に異常が生じることで徐々に筋力の低下と萎縮が生じる病気です。2017年に新薬が開発され、新薬を使った治療の効果もあって以前より状態は安定しています。

姉妹全員で参加してくれた「本屋へおでかけプロジェクト」

ー 日頃、家族とのおでかけや旅行はどれくらいの頻度、どんな場所へいきますか?

滑川さん:普段のおでかけはイベントや映画が多くて、月に1~2回。旅行は家族の行きたい場所を中心に、年に2~3回行きます。

これまで病気や障害がある子どもと家族のキャンプを応援してくれる北海道にある「そらぷちキッズキャンプ」や山梨にある「あおぞら共和国」Kukuru+さんのサポートのもと沖縄旅行に行ったり、少しずつチャレンジを重ねて、数年前にはようやく実家のある宮崎にも帰省することができました。

ー 普段、仕事や用事とは別に、自分を労わる・大切にする時間はとれていますか?

滑川さん:意識してとるようにしています。空をみあげたり、一人で買い物に行くことが多いですね。

ー「銀座へおでかけプロジェクト」に応募したきっかけを教えてください。

滑川さん:非日常な世界へ飛び込んでみたくなって応募しました。あとは、代表の中嶋さんの熱い想い、「ぜひ来てみてよ!」のひとことにひっぱられたような気がします(笑)

それに、東京に住んでいますがそれでも「銀座」という言葉、場所のプレミア感に惹かれたんです。確実に非日常に浸れて、1人で行くことがない場所に行ける!ということにわくわくしました。日頃メイクもあまりしないので、全部お願いできるというのも魅力的でしたね。

緊張気味にメイクをしてもらう滑川さん

以前、雑誌VERYの「家族のコトバ」という連載に家族で出させていただいたときにもプロの方にメイクをしていただいたんですが、そのときは家族もいて、全員一緒に撮影をする場だったというのもあって、どうしても脳裏に家族のことがよぎるんですよね。

だから、今回は企画の内容を伺ったときに「”わたし”のための時間だ」と思えて。そんな機会ってないので、ぜひ参加したいと思いました。

メイクを終えて笑顔に

新しい出逢いと交流を楽しむ

ー 参加前、不安や期待はありましたか?
滑川さん:久しぶりに初めて会う人たちとの新しい出会いがあることにわくわく、ドキドキしました。パズルゲームのような子育てとケアの毎日に、なかなか大人同士で新しい人と出会う機会なんてありませんから。

新しい人たちとの出会いに、乾杯する

子どもに関しても、サポート体制が当日に向けて整うのか不安はありました。きょうだいも多いので、そういった調整も欠かせません。

でも、東京おでかけプロジェクトでは親の一人のおでかけの時には、子どもと一緒に自宅で遊んでくれる「おでかけサポーター」を派遣してくれるサービスがあって。医療や福祉、教育関係の専門職を目指す学生さんを中心に構成されているのですが、そういった心強いサポートもあるので背中を押してもらえたような気がします。

医学部や福祉・教育関係の学生を中心としたおでかけサポーターたち

ー 銀座でバラに囲まれてメイクをされて、ポートレート撮影をされてどうでしたか?印象に残ったことがあれば、教えてください。

滑川さん:参加者のみなさんが短い時間の間にどんどんきれいに、イキイキと女性らしい美しい表情、佇まいになっていくのを間近でみて驚きました。

お互いにメイクの様子を見合っては、歓声に沸く店内

気が付くと長い間閉まっていたお気に入りの服とアクセサリーに身を包んだ自分、高級なバラに囲まれて自分のためだけにしてもらうヘアセットとメイク、モデルさんのような撮影に、普段は入ることのできない資生堂パーラーの特別なラウンジ。

特別に用意していただく資生堂パーラーのラウンジ

ひとつひとつ、どれをとってもスペシャルな環境に酔って浸っている自分がいました。だから、私が参加した回は雨が降ってたんですけど、雨の道もルンルンでいつの間にか跳んでいたんです。

私以外の参加者のみなさんの表情を見てもみなさん「ママじゃない、違う自分」になっておられましたね。

いつもだったらママ同士集まれば「疲れたね、大変だね」なんて子どもの話が中心になって、特に子ども繋がりで知り合った知り合いや友達とは「自分の話」になんてならないですから。

 ーイベント参加後、"わたし"に戻れましたか?もしくは、新しい"わたし"との出会いはありましたか。

滑川さん:”わたし”を思い出すことができたと感じています。お花が好きだったこと、新しい人との出会いが好きだったこと、そして自分の笑った笑顔。

新しい”わたし”というよりは、自分に戻る、自分を思い出すきっかけになりました。常に全力で毎日をこなしているので、自分と向き合う暇なんてないんですよね。子どものために健康でいなきゃなとも思います。

ーイベント後、ご家族や周りの人との向き合い方は変わりましたか?

滑川さん:自分のための時間をつくること、その時間をつくるためにヘルパーさんにサポートしてもらうことが前より気楽にできるようになった気がします。

以前から気心の知れたヘルパーさんではあったのですが、思い切って今回イベントに行きたいって伝えてみたんです。前だったら諦めていました。でも、短時間でも「やりたいことができる」と達成感があって、意識的にこれからも時間をつくりたいと思っています。

あと、イベントに出かける前にヘルパーさんや子ども達と一緒にワンピースを選んでもらったんです。

「いってらっしゃい!」と 温かく送り出してくれたのも嬉しかったですし、ケアが必要な4女も当日はイベント会場の近くでおでかけの予定があったんですが、4女をいつもケアしてくれているほとんどのヘルパーさんがついてきてくれて!

家族ひっくるめて大切にしてもらえているという感覚になれたのも大きかったです。

お子さんたちに選んでもらったワンピース

自分1人だけ楽しんでいいんだろうか?と思うことはなくて「こんなに楽しい!楽しんでいいんだよ。」の発信に対してのSNSの反応も多くて、みなさんが好意的だったのも印象的でうれしかったです。

ー3ヶ月が経過しますが、その後、心境の変化や行動の変化はありましたか?

滑川さん:ローズギャラリー銀座でほのかに香っていたバラの香りや、人としての美しさ、東京おでかけプロジェクトはじめ関わってくださった皆さんの温かい眼差しが忘れられません。

イベントの最後に、お花を参加者に手渡すローズギャラリーの皆さん

空間はもちろん素敵なんですけれど、初対面のスタッフのみなさん表情が「なんでも受け止めるよ」という仏のような表情(笑)をしているように見えて、ここでは「何を言ってもいいんだ」という気持ちになれました。みなさん穏やかな表情で、だから心を開けるような気がしたんです。

少人数なのも、安心できてとてもよかったです。

自分を大切にすることができると、人のやさしさや温かさに気づきやすくなる。そして自分も同じように誰かを大切にしたくなるんですね。あと、自信をもってたくさん笑うために、歯を白くしに行きましたよ(笑)

子育てを14年していて、きょうだいたちもいるし、” 自分に向き合う時間”なんて本当にとれないんです。ずっとパズルゲームのような日常が連続して続いている。

ただ、イベントに参加してからはより” 自分”にフォーカスできるようになったような気がします。

子どもたちのことは、大好きですし無理やり引きはがされるようなのは嫌なんですよね。でも、行きたい!」って思って自然と意識が自分に向くような、今回のイベントは今の私にとっては本当に貴重でした。

 ーさいごに、なにか、今後したいこと、夢見ていることはありますか?

滑川さん:同じような境遇にいらっしゃる女性の笑顔をたくさん見たいなって思っています。先ほどのSNSの話もそうですが、このイベントのことを誰かに伝えることからはじめたり、自分にできることを行動していきたいですね。

未来の自分に向けた、ご自愛レター

「花を愛でること」「自分を愛すること」

病気や障害がある子どもからは、こんなに世界はやさしさで溢れているんだと気づかせてもらうことがたくさんあって、幸せ。

いつも参加してくださる皆さん、そんなふうにそれぞれのストーリーをシェアしてくださいます。

「自分を大切にする」って、とっても大切で、とっても難しい。

お子さんのことはもちろん、忙しい毎日の中に少しでも「花を愛でる」「ご自愛する」、そんな自分のための時間やときめきを持ってもらえるきっかけに今回のイベントがなったなら、嬉しく思います。

人ってたぶん、何かがんばるには「リセットする時間」「ご褒美の時間」が必要です。

明日からまた家族とめいっぱい向き合うために。

「お花を買ってみようかな」と街の彩りに気づく余裕を持つために。

これからも、東京おでかけプロジェクトでは、「未来を変える、ひとときを」目指してイベントを続けていきます。

■「銀座へおでかけプロジェクト」の紹介動画はこちら

さいごに

今後も継続的に活動を運営するため、東京おでかけプロジェクトでは、年間を通して寄付を募集しております。

活動には会場利用料や、医師/看護師/ヘルパーと いった専門的なケアにあたってくれるスタッフ、 物品などの費用が必要です。

ご寄付いただける方は、いずれかの方法でぜひお願い致します。

◆振込み口座
三井住友銀行   中野支店           普通4994025
三菱UFJ銀行  中野駅前支店 普通 0576715

◆不要品を売って寄付する


◆クレジットカード決済・グッズ購入による寄付

◆「WeWard」アプリで歩いて寄付する
※紹介コード「YUM+-iygPQ」をぜひご利用ください

Special Thanks

銀座へおでかけプロジェクト SUPPOTERS

撮影:吉澤 健太
ヘアメイク:山本麻未
会場:ROSE GALLERY GINZA 松村吉章、武田桃子、大塚寛子
   資生堂パーラーの皆さま

ご寄付・ご協力いただいた皆様

■法人サポーター
(株)HITOMINA、(株)ビタットジャパン、(株)エンパワー

■個人サポーター
高橋 洋平 / 江成 充 / 池井 淑糸 / 荒牧 順子 / 鈴木(村田) 碩子

■マンスリーサポータ―
永島 崇子 / 山田 豊久 / 匿名1名

(順不同・敬称略)


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