さよなら私 みうらじゅん
あ、なんだっけ。
あの人の本だ。ロン毛でサングラスをかけている人の。
字も少ないな、読みやすそう~。
そんな風にラフに読み始めたこの本だったけれど、まさか自分の価値観を変えてくれるなんて思いもしなかった。作者のみうらじゅんも何をしている人か良く知らなったけれど、それで正解だったらしい。
適当に読み始めた、適当な私の行動は、この本を読むにあたってベストなスタートであったと思う。
軽妙で、滑稽。スラスラと短い文が私の思考を追撃してくる。
馬鹿らしいのは、作者か、私か。どちらもか。
まあ、いいか。
ぽいっと、面倒な物すべてを捨ててくれるように気持ちが軽やかになっていく。
定期的に読み返す。
なかなかこびりついた「自分」と思っているものを「ジブン」から引きはがすには時間が掛かる。少しずつ、剥がせていけたらいい。
見栄も恥も、驕り高きプライドも、物事を面倒くさくしているのは全て「自分」だったよう。
でも不思議なことに、「自分」を引き剥がす作業をすればするほど「ジブン」が好きになる。読んだ後、今までの自分を許すことができるからだろうか。
かるーく読んでほしい。
そして軽く「自分」に別れを告げて欲しい。