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売れる=認知させること「蒲鉾革命Vol.5」

さあ、かまぼこの時間だ。
かまぼこを世に普及させるべく2019年から「蒲鉾革命」と題し、かまぼこの可能性を模索してきた。

一番良いのは「かまぼこ」が「かまぼこ」として売れることだが、これが中々難しい。
私が協業しているかまぼこ屋さんに限らず、多くの食品企業に言えることだが「ウチのが一番おいしい!」や「原材料にこだわっている!」や「チーズ味や明太子味といった沢山のフレーバーがある!」と強みを述べる。
しかし、それでは勝てないのだ。なぜなら、競合他社も同じように思っているし、似たり寄ったりのことをしているからだ。
そして似たり寄ったりのことをしている以上は、消費してくれるお客様の数は増えず、業界全体として成長が頭打ちになる。そうなると決まった数のお客様を取り合うことになる。ここで顕著に出るのは資本力の差である。資金のある大手企業が大型広告の投入や一等地への出店や出品をすることで認知を高めてお客様を囲い込む。小規模企業は同じ土俵で戦っている限りは大きく成長することは難しい。


ではどうするか。
いくつか方法はあるが、「新規顧客を開拓する」ことをオススメする。
かまぼこの加工技術を使ってかまぼこの消費の外側にいる人たちを顧客化するのだ。
例えばボディメイクに気を遣う方をターゲットに総菜を開発する。
ボディメイクの敵、粉モン「たこ焼き」だ。

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私の協業先のかまぼこ屋は、たこ焼き=粉モン=高カロリーのイメージを覆す総菜をかまぼこの加工技術で生み出した。
小麦粉の代わりに魚肉タンパク質などのタンパク質で成形しているのだ。さらに栄養価抜群のタコと合わせることでボディメイクに関心ある方に向けた総菜としての切り口が生まれた。

私が協業しているかまぼこ屋さんは水だこの聖地、東北・三陸にある。
だからこそ、たこ焼き。かまぼこの加工技術を使うことで低カロリーかつ高タンパクの今までありそうでなかった総菜ができた。

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ファーストアプローチは、罪悪感のないたこ焼き。
「たこ焼きなのに罪悪感ないって、どういうこと?」と興味関心を誘い、商品説明をする中でお鍋や汁物に入れると、出汁が染み出す団子になったり、お弁当の具材としても使える総菜としての汎用性を訴えて利用シーンを想起させる。かまぼこではなく、ボディメイクに役立つ総菜として売り出すことで好評いただいている。


もう一つ事例を紹介する。
いま、クラウドファンディングに挑戦中の魚肉ルアーだ。

魚肉ルアーは人も食べられる魚にも自然環境にも優しい次世代のエコロジカルな釣り具_老舗かまぼこ屋監修の魚肉ルアー_ぷるかまんシャッド

魚で商売をしている(かまぼこは魚のすり身から出来ている)かまぼこ屋の強みを、かまぼこ屋=魚(特に魚由来のタンパク質)の扱いに長けたプロフェッショナルと定義づけたのである。

先に紹介したたこ焼きの事例もであるが、単にかまぼこ屋ではなく、魚肉や魚由来のタンパク質加工に関する仕事ならココに相談しようってなったら勝ちだなと思った訳である。
そこに至ると、かまぼこ屋がつくる魚はもちろん人も食べられるルアー=魚肉ルアーって、自社PRとして最高の題材ではなかろうか。

魚のエサとなるのはもちろん、ロストしても海を育む栄養になる。
近年、バス釣りなどで金属製やプラスチック製のルアーが海洋ゴミになったり魚の誤飲死に繋がることが問題視されているが、魚肉ルアーなら大丈夫。
まさに魚で商売をするかまぼこ屋ならではの商品だと思うのだ。

この手のアイデアは、業界分析からは出なくてメーカーや工場が個々に持ってる強みを発掘することが大切だと考えている。
かまぼこ業界を起点に考えると、国や年齢など消費ターゲットや形状から考えることになりがちだ。
でも、そのかまぼこ屋が持っている独自の技術や有する設備にのみフォーカスを当てると今回みたいな自由な着想でアイデアを検討することが出来て、絵空事に留まらずしっかりアイデアを実現できる。

思うに、既に世間に認知された一般的な商品をより多く売る工夫よりも、○○が出来る△△屋さんと能力を認知されるキッカケになる商品を生み出すほうが勝率は高い。

売れる=認知。
認知とは今までにない面白さや価値を提案することで生まれる。

認知の正体とは消費なのだ。
消費されることで価値は生まれる。
やがて価値に気付く人が増えてくる。
需要に対して供給が追い付かなくなっとき、希少価値のあるものになる。
価値あるものが希少であるから、さらに人は欲するようになる。
結果、市場優位性が高まる。

勘違いしてはいけないのが希少なものが価値があるわけではない。
価値のあるものが希少だから希少価値となるのだ。

逆説的な話で最後の最後に混乱を招くかもしれないが、認知される商品(今回の例であればたこ焼きや魚肉ルアー)が必ずしも売れる必要はない。
こういった挑戦ができる企業の姿勢と技術を広くPRすることで事業の発展に繋がる可能性が生まれれば良いのだ。なぜなら認知されることが売れることの第一歩だからだ。話題として消費されればそれだけでも充分であり、必ずしも金銭的価値が消費ではないと考えることを末筆ながら付け加えておく。

認知されてなんぼの商売。
商いとは売ること。売るためには認知されることがまず必要なのだ。

≪今回、事例に挙げた2商品≫
▪たこ焼き風!低カロリーなのに高タンパクな新しい総菜
https://sanrikuya.official.ec/items/37025734

▪クラウドファンディング挑戦中!魚も人も喰いつく魚肉ルアー 
https://www.makuake.com/project/pull-cmon-shad/

これまでの蒲鉾革命のnote記事はコチラ↓
https://note.com/tokii/m/m2febce36b48f


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時井 勇樹 / サメ兄
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