赤スパの到達点。
洋食、大好きです。特に盛り合わせ系のプレートなんて、たまりません。
🍽あれも食べたい、これも食べたい
盛り合わせ洋食の世界は色とりどりで、ハンバーグに目玉焼きを載せてチキン南蛮と盛り合わせるとか、しょうが焼きと白身フライとか、ミンチカツとコロッケとか、組み合わせは無限大。
この写真はヒレカツにエビフライ、エビカツ、いわゆるミックスフライで、タルタルソースをたっぷり添えたもの。
あれも食べたい、これも食べたいとなりがちな食いしん坊にとっては、いわゆる大人のお子様ランチの世界観です。
🍽こだわりの付け合せ
そして洋食は、メインの脇を固める付け合せも魅力のひとつ。
和食の場合、メインはその1種類で盛り付けられていて、周囲に小鉢が並ぶというスタイルが主流のように思います。
たとえばメインの肉じゃがのお皿の周りに、ほうれん草のおひたし、きんぴらごぼう、きゅうりとわかめの酢の物という独立した小鉢が並ぶイメージです。焼き魚なんかだと魚の隣にちょんと大根おろしが載っていて、はじかみが1本添えられてたりもしますが、付け合せというより、薬味的な存在感ですよね。
それと比べると、洋食はメインとおなじひと皿に、しっかりと主張する付け合せが同居したスタイルが圧倒的に多く感じます。
外せないのは千切りキャベツ。野菜系は温野菜というパターンもありますが、生野菜好きとしては、キャベツが嬉しい。
それからこれ。
赤いスパゲティ。今回はこのひと品こだわってみたお話です。
赤スパについては、以前、こんな記事を書いたことがあります。
いわゆるトマト味の、素スパゲティで、ベーコンや玉ねぎ、ピーマンなどの具がはいったナポリタンとはまた別の魅力があるのです。
🍝赤スパの5箇条
この赤スパ、いろんなお店で付け合せとして出てきたのを食べてきましたが、シンプルな料理でありながら、お店ごとに個性があることに驚かされます。
ある洋食屋さんでは具なしのナポリタンという感じで炒めてあるかと思うと、また別のお店では明らかに茹でたパスタにトマトソースをからめた、炒めないスタイルだったりと千差万別。共通点はといえば、赤いこと。赤スパですからね、これは必須条件です。
もちろんどんなスタイルでもおいしくいただいているのですが、あちこちで食べたおかげで、自分にとっての理想の赤スパ像が固まってきました。
パスタはやわらかい
オイルは使うが炒めない
主役を引き立てる奥ゆかしさを感じる
食べた感じがやさしい
冷めてもおいしい
こんな感じが、理想の赤スパ5箇条。
ひとつずつ、確認してみます。
①パスタはやわらかい
ナポリタンとおなじく、赤スパはあくまでニッポンの洋食。イタリアンではないので、アルデンテなんてことは絶対にないねんて。
②オイルは使うが炒めない
炒める系だとその分コクと複雑味が出ます。しし、メインの合間に口直しに食べたいのが、付け合せ。なめらかにするためにオイルは使いますが、炒めたりはしません。
③主役を引き立てる
②の方針でつくると、おのずとサブキャラ的な奥ゆかしい存在感のおいしさに仕上がります。
④食べた感じがやさしい
これも付け合わせだからこそで、ボリュームやインパクトはメインに任せて、その力強さを受け止めた舌や食欲をリフレッシュするやさしさが理想。
⑤冷めてもおいしい
できたて熱々にはこだわらずにいきます。特に品数の多い盛り合わせ洋食をつくるときは、メインの調理に、より神経を注げる関係が好ましいですよね。
🍝赤スパの輝く舞台
これを踏まえて、こんな感じかな、こうしてみたらどうだろうと何度も試しつつ、考えつつつくり続けてきた結果、ひとつの到達点に達したという気がしています。
それでは、My究極の赤スパをつくっていきましょう。
🍝材料(2〜3皿分)
・スパゲティ…50グラム
・オリーブオイル…大さじ1
・バター…10グラム
・ケチャップ…大さじ2
・こしょう…ひとつまみ
パスタはあくまでやわらかく。茹で時間は7分のものなら、8分か9分。袋の表示にプラス1〜2分茹でます。
よく水気を切ったらボウルに入れて、熱いうちにバターとオリーブオイルを合わせて、よく混ぜます。パスタの熱でバターを溶かして風味をつけつつ、オイルをからめることで、くっつくのを防ぎます。
仕上げはケチャップとこしょう。
全体を和えたら、ほら赤くなりました。
いままで試したレシピでは、ケチャップだけでなく、トマトペーストもいれたりしてましたが、何気にシンプルなケチャップ+こしょうが、一番いいと思うようになりました。
できたてをくるくるォークに巻き付けて、お皿の上にリリースすれば盛り付けOK。これが、ひと巻きの赤スパが輝く舞台。
共演者のキャベツはそのお隣に。
🍽憧れの洋食ミックス
そしてお皿の上の主役、フライを揚げていきます。
左からエビカツ、ヒレカツ、エビフライのみなさん。
フライを盛れば、それはもう憧れの洋食ミックス、盛り合わせの世界。
タルタルソースの淡い黄色が、キャベツの緑、赤スパの赤に反応するかのように、彩りよく輝いて見えますね。
🍝赤スパの到達点
どうでしょう、あらためてこれが今回の主役。お皿の上の主演はフライでも、この記事の中では赤スパこそが主役です。
からませたオイルのおかげで、時間をおいてもパスタはしっかりと1本1本、独立してくれてます。
フライを食べて、キャベツを食べて、赤スパを食べて、またフライとループします。
そのループは食材でいうなら、肉or魚介、野菜、麺類というトライアングル。そう、タンパク質+脂質、ビタミン+ミネラル、炭水化物、そんなぜつみのバランスです。
食感においても、カリカリ衣に包まれた食材の噛みごこち、パリパリしたキャベツの生野菜感、もちもちやわらかな赤スパと、みごとにメリハリがついています。
そして今回はマヨ系ソースのタルタルがメインにかかっているところに、味変効果をもたらすのがトマト風味の赤スパです。赤い食材山ほどあれど、トマトほどニッポンの洋食に合う赤はないでしょう。
やわらかくて、やさしくて、奥ゆかしくて、冷めてもおいしい。そして赤い。ようやくたどり着いた、理想の赤スパです。
ハンバーグやカツレツ、メンチカツにコロッケ、エビフライにしょうが焼き。そんなメインのお隣に、赤スパひと巻きいかがでしょう。