ミックスジュース・メモリーズ
ミックスジュース。その名前に懐かしさを覚える人は、間違いなく関西人。
🥤関西の喫茶店の味
子どもの頃、喫茶店に連れていってもらうと、玉子サンドにミックスジュースがお決まりだった時期があります。
玉子サンドは関西風のオムレツスタイルで、それにあわせて飲むのが、果物たっぷりのミックスジュースでした。
地元を離れて、喫茶店にあって当たり前だったミックスジュースが、実は関西ローカルドリンクだと知ったときは、驚いたものです。
🥤つくってみようミックスジュース
この夏は暑くて、そこでふと思い出したのがこの味。さっそく懐かしのミックスジュースをつくってみることにしました。
🥤材料
・バナナ
・ミックスフルーツの缶詰
・みかんの缶詰
・牛乳
・バニラアイス
・氷
缶詰をミキサーにいれます。ミックスフルーツは、基本2色の桃とパインのものが多いかなと思いますが、必須は桃。そこにみかんをプラスするのが味の決め手です。このとき、缶詰のシロップをいれるのがポイントです。
ひと口大にちぎったバナナも投入。コクとまろやかさは、バナナの効果です。
バニラアイスと氷を適量。バニラアイスはなくても大丈夫ですが、いれると味にコクが出ます。
牛乳で満たして、ミキサーをぶぃーん。
氷を細かく砕くと、ちょっとシャリシャリして、シェイクみたいな舌触りなるのがおいしいんですよね。
🥤これだ、懐かしの味
とろっとしたなめらかな感じが、ミックスジュースの醍醐味です。
ぐいぐい飲むというより、ひと口飲んだら、噛むように質感を楽しんで、飲み下す。そのときに、フルーツのフレーバーがふわっと返ってくるのが、おいしいんです。
ああ、懐かしいなぁ。喫茶店の味だ。これこれ、これだよ、これ。
🥤あの頃の夜の1杯
高校生の頃、一時的にミックスジュースにハマってた時期がありました。それも喫茶店に連れていってもらうのではなく、家で。
お風呂上がりに、母にお願いして、毎日のようにミキサーにかけてつくってもらってたんですよね。おとなになったいまであれば、文句なくビールをぷはぁとやるところですが、その頃はもちろん未成年。
氷を多めにいれて、しゃりしゃりシェイク状のミックスジュースのおいしさときたら、たまらない至福でした。
いまになって思うと、母親的には夕飯を終えて、キッチンを片付けたあとに、ミキサーを出してジュースをつくって、またそれを片付けるのは面倒だったろうなと思います。
でも子どものお願いで、子どもの楽しみだから、叶えてくれていたんだろうなぁ。
🥤母の記憶と子どもの健康
帰省したとき、いつだったか、想い出話の徒然に、その頃のお礼の気持を伝えたことがあります。当時は当たり前のようにつくってもらっていて、あえてお礼をいってなかった記憶があるからです。
すると意外なことに、母からはこんな返事。
そうやったっけ。覚えてへんわ。
考えてみれば、子どもの頃は、ミックスジュースに限らず、なんでも母親にやってもらっていたなぁ…。つまり、自分にとってはちょっと特別なできごとだった、毎晩のミックスジュースも、母親からすると、子供たちの数多いリクエストのひとつに過ぎなかったのでしょう。特筆すべきわがままということでは、なかったようです。
母は記憶の底を探るようにして、こう付け加えました。
そうゆうたら、あんまりはっきりは覚えてへんけど、夜でも果物いろいろで、あんたがきらいな牛乳を飲むゆうし、健康にええんちゃうやろかと思たような気がするわ。
ああなるほど。実は自分はいまでも、牛乳が苦手です。子どもの頃から、何か味をつけないと飲めなくて、母はそれを気遣ってくれていたのかもしれません。
今回買ってきた、缶詰のフルーツは使い切れず、冷凍庫に。またすこし間を空けて、ミックスジュースをつくろうと思います。そのときまた、あの頃の想い出がよみがえることでしょう。
ミックスジュースは自分にとって、想い出の味なのです。
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