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人は執着する生き物。悩みのない良い執着を自分で選ぶ

執着という言葉にどんなイメージを持たれていますか?

僕を含め、ほとんどの人はネガティブなイメージを持っているかと思います。

人間関係、お金、モノ、依存とまではいかないまでも、意識が完全に対象に向いているような感じ。

何かに執着すると、脳はその執着の対象を思い出したり行動したりする際、しだいに効率よく働くようになります。効率がいい、つまりラクなので、脳はその思考・行動を繰り返します。するとその回路が強化され、放っておいても同じことに執着し続ける仕組みができあがるのです。

悩みのループから解放される! 「執着しない脳」のつくり方より

悩みのループから解放される! 「執着しない脳」のつくり方」(加藤俊徳 著)では、脳外科医として30年以上の経験を持つ著者が、「悪い執着」「良い執着」に分けて執着をとらえる考え方を書かれています。

人は執着する生き物ということを認識し、前向きな方向に向かえる執着に変えていこうという考え方。

「良い執着」で「悪い執着」を上塗りしよう”の章から、良い執着へ導いていく方法を学びます。


〇良い執着、悪い執着とは?

執着には良い執着と悪い執着があります。

執着にはこの2種類があることを知り、良い執着へ意識を向けていく。

良い執着は脳の働きが次々に変化し、循環します。一方、悪い執着のほとんどは、脳の働きがグルグルと同じところに偏り、滞り、結果的には停止していきます。

悩みのループから解放される! 「執着しない脳」のつくり方より

本を書きたい、書く仕事がしたいと思えば、なにをすればいいか調べたり、自分の考えを発信したり、努力や勉強に没頭するのが良い執着と考えられます。

悪い執着は、上司や先輩から指摘されたり怒られたりして、行動を躊躇してしまったり、フリーズしたりするのが悪い執着と考えられます。

まずは、執着にはポジティブな面とネガティブな面の両方が存在することを知ることから始めます。

〇自分の揺るがない判断基準をもつ

他人の基準や考えに合わせてラクをせず、自分の価値感に合ったものを選択する。

他人の考えであれば考えずに済みラクなものの、自分で判断できないようになり、他人への執着が強くなります。

自分で自由に執着を選択すると、脳の自立性は高まっていきます。
脳は自立性があればあるほど、成長していく仕組みを持っています。

悩みのループから解放される! 「執着しない脳」のつくり方より

良い大学を出ている人が言っていたから、テレビに出ている人が言っていたから信用できる。

メディアに取り上げられるほどなので、良い意見なのはわかりますが、自分で考えずに意見を鵜呑みにするのは執着と呼べるかもしれません。

自分の人生は自分で選択する。

他人の評価基準に惑わされていないか、そんな視点を持つことが大事。

〇良い執着で悪い執着を上塗り

今でも残っているイヤな記憶、トラウマを一つの要因として作られていく悪い執着。

自分の視点だけでなく他者の視点に気づきを得たり、新しい良い記憶を新たに加えていき、良い執着へ上書きしていくのは可能です。

「高校時代は良いことがなかった」というネガティブな感情を抱え続ける限り、そこに悪い執着を持つしかありません。
しかし、高校に関わる新しい記憶を付け加えていけば、執着は確実に変化します。

悩みのループから解放される! 「執着しない脳」のつくり方より

高校時代にネガティブなイメージを持ち、黒歴史と考えていた著者。

しかし、母校での講演依頼や、同窓会であった同級生たちも似たような感情を抱えていることを知り、ポジティブな良い執着に変わっていったそうです。

ものごとを俯瞰する、新しい印象を持つことで悪い執着は良い執着へと上塗りできる。

ひとつ気をつけておきたいのは、すべての記憶を掘り返そうとしないこと。

大きなトラブルとなった人間関係などがある場合、イヤな思いをさらに掘り起こして悪い執着をより一層強くしかねません。

僕も高校時代は部活がそこそこ強豪校であったため、厳しい練習、厳しい上下関係など、人見知りの僕にはとんでもなくツラい過去で、黒を超えて漆黒歴史です。(これのおかげで少しはメンタルは強くなったのかも……。でも二度と戻りたくない過去。)

自分の基準に照らし合わせて、記憶と向き合いふれるかふれないか判断しましょう。


良くも悪くも脳は執着してしまうもの。

本書を読む限り、執着は習慣に近いものがあると感じました。

悩んでしまうループから抜け出し、自分を成長させる「良い執着」を身につけていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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