タイトルが好きな作品と、その理由。
先日、noteの記事タイトルについて、深掘りする記事を書きました。
その時に、音楽や小説などの作品における「個人的に好きなタイトル」も、いくつかリストアップしていたんです。
けどよくよく考えた結果「これは私の趣味嗜好の話題になってしまう」と判断して、書くのをやめました。
とはいえ、せっかくリストアップしたので。
今回新たに記事をこしらえて、それらが好きな理由を書いてみようと思います。
はじめに:個人的に「刺さる」タイトル
音楽や小説などにおけるタイトルの面白さって、「内容を簡潔に表現したもの」にするのと同じ感覚で「あえて内容をミスリードさせるもの」にも出来る、自由度の高さにもあると思うんです。
特に小説のような、内容全体を把握するよりも先にタイトルを認識せざるを得ない作品だと、その自由度もより高まります。
(※ミスリードではないけど、以下のようなタイトルの小説もあります。アイデアの勝利ですね)
で、個人的な好みとしても。
全てを説明しすぎる饒舌なタイトルよりは、
・ある程度余白があり、
・想像の余地があり、
・一方的に抱いた先入観をひっくり返してくれる。
そんなタイトルに惹かれます。
それを踏まえて。
タイトル買いした小説については以前語ったことがあるので、そちらと被らないものを選びました。
◆ 私は最強
これ、本当にタイトルの「私は最強」って文字列だけを目にしたのが、最初の出会いだったんですよ。歌を聴いたのでもなくサムネイルを見たのでもなく。
そこから「どっちだろう?」って想像が膨らんだわけです。
純粋に威風堂々なのか、それとも弱い自分を奮い立たせるための呪文なのか。
映画を観てないので細やかな解釈は叶わないものの。どちらも間違いではなかったのかも、と今は思っています。
◆ 限りある時間の使い方
正式名称は『限りある時間の使い方 人生は「4000週間」あなたはどう使うか?』です。
「限りある時間」という大前提をどう生きるか、どう過ごすか。そんなタイムマネジメント術を期待しつつ手に取るも。
内容は、タイムマネジメントどころかその反対、効率至上主義に真っ向から反対を表明するものでした。生産性アップ一辺倒で蔑ろにしてきたものと正面から向き合える、そんな良い一冊だったわけです。
このタイトルだからこそ、効率化や生産性向上にがんじがらめになっている人へと届くんだと思います。本書の内容を受け取るべき人って、それらを否定するタイトルなら手に取らないって層だろうし。
そこまで考えた上でのタイトルなら凄いな、と思った次第。
◆ 馬鹿と嘘の弓
森博嗣さんの小説です。
森さんの小説は全ての作品に英題がついているんですが、この『馬鹿と嘘の弓』という日本語のタイトルは、英題を直訳したものになっています。
つまり『Fool Lie Bow』。
そして直訳とは別に、英題をそのまま読むと。
……そう『風来坊』です。笑。
こんな形式のダブルミーニングがあるのか! と、良い意味で笑ったタイトルでした。
(しかし内容は重め、というギャップも好き)
本作はシリーズの一作目で、続刊以降も同じ法則のタイトルになっています。気になったらぜひ、続刊以降も調べてみてください。
◆ 「F」
アルファベット一文字。
想像の余地すら与えない、簡潔すぎるタイトルですね。
身も蓋もない言い方をすると、ドラゴンボールに登場するキャラクター『フリーザ』の「F」です。
ただ、そこからもう一歩進んで理解を深めると、違う光景が見えるタイトルでもあります。
この歌には作者不詳のMAD動画があり、ホルモン公式チャンネルが「公認非公式動画集」という再生リストに追加していることからも伺えるほど、クオリティの高い仕上がりです。
冒頭から不謹慎のオンパレードだし、途中でショッキングな映像や写真も登場するので、誰にでも勧められる動画ではないのも確か。
でもこの歌の真意、タイトルの「F」に込められたもうひとつの意味が明確に伝わる構成になっていることに、ただただ賛辞の拍手を送りたいのです。
余談ですが、鳥山明先生ご本人がこの歌から着想を得て、映画の脚本を書いたというエピソードもあります。
それが2015年に公開された新作映画で、タイトルは『ドラゴンボールZ 復活の「F」』。
アルファベット一文字のタイトル表記まで含めて、公式に逆輸入された例です。熱い。
おわりに:深掘りはたのしい
簡潔に書こうと思っていたのに、結局長くなりました。
ジャンルを飛び越えて「好きなタイトル」という縛りで考えると、趣味嗜好の飛躍が明らかになるのも面白いですね。
タイトルに限らずですが、お題ってやっぱり強い。
お読みいただき、ありがとうございました。
今日も良い日になりますように◎
推しの書店で本を購入します📚