tochgin1029

てくてくと旧い街道を歩いています。歩きながら、見たもの思ったことをつらつら書いています。

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記事一覧

小諸から上田まで(北国街道を歩く2)

 ひととおり、五街道を歩き終えたところで、やり終えたかなという感情が起きてしばらくの間は街道歩きを止めていたのです。その間、家族のこと仕事のことものの考え方や身…

tochgin1029
4か月前

信濃追分から小諸まで(北国街道を歩く1)

 絶景スポットでも観光地でなくても、自分にとって好きな土地や好きな風景があります。軽井沢であれば旧軽銀座の賑やかな通りも良いけれど、賑やかさからは外れた信濃追分…

tochgin1029
4か月前
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里沼と利根川の道

 スポーツジムに入会してマシンを使って歩いたり走ったりする様になって、それは身体のなまりを取るのには良いのですが、やっぱり実際に景色を眺めたりしながらウォーキン…

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1年前
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終わりがない道(東海道を歩く22)

 昨晩に泊まったビジネスホテルは、サービスを簡素にするのは良いけど、それがみすぼらしさを感じさせてしまっていて、少し外れだったなと思いました。微妙な違いですが、…

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2年前
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天井川の道(東海道を歩く21)

 東海道歩きもついに滋賀県に入りました。否が応でもまもなく京都だなと言う感覚が湧きあがってきます。米原まで新幹線で行き、米原で近江鉄道に乗り換えて水口に向かいま…

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2年前

あっけない峠の道(東海道を歩く20)

 二年前三年前の自分は、いまの自分と周りのありようが変わることを想像できていただろうか?といったことを、最近思います。毎月毎週のように歩いていたころの写真が、と…

tochgin1029
2年前
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川を挟んだ道(東海道を歩く19)

 コロナ禍の旅行では、外食先を見つけるのにひと苦労するのがいつもの事になりました。いわゆるご当地グルメといったものの多くは、たいがいは居酒屋のような店で提供され…

tochgin1029
2年前
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途切れない道(東海道を歩く18)

前回に桑名宿まで歩いてから1年以上が経ちました。その間に続いた移動制限によって、すっかり遠出すること自体を忌避する気持ちが増えてしまいました。そんな中で今回の歩…

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2年前
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陸地が遠い道(番外ー佐屋街道を歩く)

 そういえば、10月から11月にかけて、季節は変わり目になることが多くて、あっというまに秋冬の天気に変わります。今回の歩きでは油断して防寒できるような服を持って…

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4年前

川を渡る道(東海道を歩く17ー佐屋街道を歩く1)

 昨日に泊まったのは、岡崎城ちかくのホテルでした。岡崎城のあたりは岡崎公園と称する公園になっていて、朝に散歩とばかり歩いてみると、以外と厳めしくて堅苦しい印象は…

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4年前
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風の冷たい道(東海道を歩く16)

 前回は、暑いさなかの歩きでよりくたびれる行程でした。けれど、テレビを通して伝えられる通俗的なイメージから、これまで、あまり好きな地域ではなかった中京地域に、そ…

tochgin1029
4年前
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名鉄電車とたどる道(東海道を歩く15)

  朝になっても昨晩をひきづったような暑さです。なんだかこれといって特徴のない豊橋の街が、ぼんやりとした街の印象を倍加させています。東海地方だと、真っ黒な壁の町…

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4年前

津波をかぶる道(東海道を歩く14)

 前回の街道あるきは関所のある新居宿までの歩きでした。東海道のちょうど半分をすぎた後で、まもなく静岡県の横断も終わり愛知県に入ればゴールも近いな・・・などと思い…

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4年前

風の強い遠州の道(その2)(東海道を歩く13)

 この日に泊まったホテルは、市街地ではなくロードサイドに立地しています。場所のせいかホテルの朝食会場には仕事の所用で泊まっている人たちが多く居ました。スーツでは…

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4年前

風が強い遠州の道(その1)(東海道を歩く12)

 夏に歩いたあと、しばらく東海道歩きもやってませんでした。身辺が忙しくなり休みがとりづらくなっているせいかもしれません。というわけでひさしぶりの東海道歩き。かつ…

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4年前
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意外に難所な峠(その2)(東海道を歩く11)

 藤枝の宿をでたところ、日差しはないのですが湿気がものすごくてうだるような朝でした。まだ目も覚めないぼーっとした状態のまま歩き始めます。藤枝の郊外は何の変哲もな…

tochgin1029
5年前
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小諸から上田まで(北国街道を歩く2)

小諸から上田まで(北国街道を歩く2)

 ひととおり、五街道を歩き終えたところで、やり終えたかなという感情が起きてしばらくの間は街道歩きを止めていたのです。その間、家族のこと仕事のことものの考え方や身の回りのあれこれも変わっていくものです。ふと、道をひたすら歩いている時の開放感と自由さを思い出してまた歩きたいと思いました。たまの平日に取れた休み。久しぶりに出かけることに。
 やりかけの北国街道歩きは、1年以上も前に、追分宿から小諸まで歩

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信濃追分から小諸まで(北国街道を歩く1)

信濃追分から小諸まで(北国街道を歩く1)

 絶景スポットでも観光地でなくても、自分にとって好きな土地や好きな風景があります。軽井沢であれば旧軽銀座の賑やかな通りも良いけれど、賑やかさからは外れた信濃追分あたりから見える浅間山が好きな場所です。前回は信濃追分から中山道に行きましたが、今度は北国街道を歩きます。
 関東からは軽井沢までは本当に簡単に行けます。新幹線に乗ればほんの僅かです。軽井沢からはしなの鉄道に乗り換え。このしなの鉄道には旧国

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里沼と利根川の道

里沼と利根川の道

 スポーツジムに入会してマシンを使って歩いたり走ったりする様になって、それは身体のなまりを取るのには良いのですが、やっぱり実際に景色を眺めたりしながらウォーキングする代わりにはならなくて、外歩きの虫がうずくのでした。関東近郊の散策コースを探します。ただ歩くよりは最低限、その土地土地のテーマがあったり立ち寄る場所はあった方がうれしいでしょうか。
 選んだのは館林。自宅から遠すぎず近すぎずのちょうど良

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終わりがない道(東海道を歩く22)

終わりがない道(東海道を歩く22)

 昨晩に泊まったビジネスホテルは、サービスを簡素にするのは良いけど、それがみすぼらしさを感じさせてしまっていて、少し外れだったなと思いました。微妙な違いですが、重要であることと簡素にして構わないことの線引きがおかしかったのでしょう。さっさと出発します。草津の市街地は中山道と東海道の合流する宿場町が発展したものです。前回は、賑やかで華やかで途切れなく人が行き交っている草津の街道筋だったのですが、どう

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天井川の道(東海道を歩く21)

天井川の道(東海道を歩く21)

 東海道歩きもついに滋賀県に入りました。否が応でもまもなく京都だなと言う感覚が湧きあがってきます。米原まで新幹線で行き、米原で近江鉄道に乗り換えて水口に向かいます。数年前までは小さな集落が縮こまっていた米原の西口駅前には、いつの間にか市役所の立派な建物が出来上がっていました。近江鉄道への乗り換えるには60分近くも空き時間があって、待ち時間の間に市役所の屋上に登ると、はっきりと琵琶湖は見えないけれど

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あっけない峠の道(東海道を歩く20)

あっけない峠の道(東海道を歩く20)

 二年前三年前の自分は、いまの自分と周りのありようが変わることを想像できていただろうか?といったことを、最近思います。毎月毎週のように歩いていたころの写真が、ときどきgoogle photoからスマートフォンに通知されます。今ではそれらをすっかり懐かしく眺めるようになりました。自分を巡るいまの環境が、その頃とははっきりと変わってしまったからなのでしょう。
 前回の東海道歩きでは、三重県の関まで到達

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川を挟んだ道(東海道を歩く19)

川を挟んだ道(東海道を歩く19)

 コロナ禍の旅行では、外食先を見つけるのにひと苦労するのがいつもの事になりました。いわゆるご当地グルメといったものの多くは、たいがいは居酒屋のような店で提供されることが多いと思いますが、飲酒を避けようとすればちょっと入りづらくなります。おのずとチェーン店のような店に入ることになり、ご土地メニューに出会うことがない食事となり、ちょっと味気ないなとも思います。

 簡単なホテルの朝食をすませそそくさと

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途切れない道(東海道を歩く18)

途切れない道(東海道を歩く18)

前回に桑名宿まで歩いてから1年以上が経ちました。その間に続いた移動制限によって、すっかり遠出すること自体を忌避する気持ちが増えてしまいました。そんな中で今回の歩きは出かけたのでした。自宅から桑名まで向かう行きの新幹線も、乗り換えた在来線も、乗っている間は適度に空いていて、感染さわぎが起きるまでの、いつも混雑した車中にくらべれば実は快適だったりするのが皮肉なものです。前回のゴールである桑名市の市立博

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陸地が遠い道(番外ー佐屋街道を歩く)

陸地が遠い道(番外ー佐屋街道を歩く)

 そういえば、10月から11月にかけて、季節は変わり目になることが多くて、あっというまに秋冬の天気に変わります。今回の歩きでは油断して防寒できるような服を持ってこなかったのを、すこし後悔しています。昨夕とは逆の行程を一宮から津島に向かいます。名鉄尾西線の車中は、沿線へ通勤する人たちでそこそこ混んでいいます。  到着した津島駅は、昨夕よりもさらに閑散としています。高校生の通学時間はすでに過ぎていて、

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川を渡る道(東海道を歩く17ー佐屋街道を歩く1)

川を渡る道(東海道を歩く17ー佐屋街道を歩く1)

 昨日に泊まったのは、岡崎城ちかくのホテルでした。岡崎城のあたりは岡崎公園と称する公園になっていて、朝に散歩とばかり歩いてみると、以外と厳めしくて堅苦しい印象はありません。昨晩に訪れた居酒屋といい、それほど喧噪にまみれた感じはしないし、だからといって寂れた感じもなく、ほどほどのにぎわい。大きくも小さくもなく、岡崎はほどほどの規模の街です。  今日は、東岡崎のとなり岡崎公園前駅から乗車します。この時

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風の冷たい道(東海道を歩く16)

風の冷たい道(東海道を歩く16)

 前回は、暑いさなかの歩きでよりくたびれる行程でした。けれど、テレビを通して伝えられる通俗的なイメージから、これまで、あまり好きな地域ではなかった中京地域に、それまでとは違う一面を見つけて面白いなとも思うようになりました。そして、今回の東海道歩きは岡崎宿から始めます。豊橋駅で降りて名鉄に乗り換え、名鉄の東岡崎駅を再び降ります。立て替え計画もある駅ビルを眺めると、まるで廃墟のような趣です。夏と同じよ

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名鉄電車とたどる道(東海道を歩く15)

名鉄電車とたどる道(東海道を歩く15)

  朝になっても昨晩をひきづったような暑さです。なんだかこれといって特徴のない豊橋の街が、ぼんやりとした街の印象を倍加させています。東海地方だと、真っ黒な壁の町屋が印象的な岐阜の街や、街中に水が張り巡っていた大垣の街が印象に残っていますが、豊橋はどこかつかみ所のない街だなあという印象です。ともあれ、先を急ぐように歩き始めます、豊川という隣の街の名前そのままの川を渡る橋は、これまた街の名前の由来なの

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津波をかぶる道(東海道を歩く14)

津波をかぶる道(東海道を歩く14)

 前回の街道あるきは関所のある新居宿までの歩きでした。東海道のちょうど半分をすぎた後で、まもなく静岡県の横断も終わり愛知県に入ればゴールも近いな・・・などと思い描いたところで、コロナ騒動と外出自粛。遠出も難しいなといろいろと逡巡しながら思案。人混みを目指す旅でも無しと思い直して、出かけることに決定しました。これまでの旅の楽しみのひとつは、沿道でたまたま行きあった当地の人とのちょっとした会話が孤独を

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風の強い遠州の道(その2)(東海道を歩く13)

風の強い遠州の道(その2)(東海道を歩く13)

 この日に泊まったホテルは、市街地ではなくロードサイドに立地しています。場所のせいかホテルの朝食会場には仕事の所用で泊まっている人たちが多く居ました。スーツではなく会社の作業着を着ています。これまで歩いてきた沿道の印象では、どちらかといえば静岡市が商業都市という印象を持ったのと比べ、浜松市には産業都市という印象を持っています。同じ静岡県内で同じような規模の政令市でもかなり色彩が異なるのだなと思いま

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風が強い遠州の道(その1)(東海道を歩く12)

風が強い遠州の道(その1)(東海道を歩く12)

 夏に歩いたあと、しばらく東海道歩きもやってませんでした。身辺が忙しくなり休みがとりづらくなっているせいかもしれません。というわけでひさしぶりの東海道歩き。かつてならせっせと青春18きっぷで掛川まで在来線で行ったことでしょうが、いまはその労力をもったいなく感じるようになってしまいました。新幹線で掛川に向かいます。

 朝の9時前に掛川駅に着いてしまうのは、新幹線の恩恵です。前回は掛川城の大手門を

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意外に難所な峠(その2)(東海道を歩く11)

意外に難所な峠(その2)(東海道を歩く11)

 藤枝の宿をでたところ、日差しはないのですが湿気がものすごくてうだるような朝でした。まだ目も覚めないぼーっとした状態のまま歩き始めます。藤枝の郊外は何の変哲もない住宅地ですが、まったく補修されていない道路だったり、道ばたの落書きだったりとすさんだ景色がないのは昨日と同じです。静岡の人の気質など想像してみます。たぶん穏やかだったり、実利にさといとか、がめついところは少ないのだろうなと思いました。

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