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#つくってみた
ことだまり 《ひと色展》
泣いているの?
え、どうして?
そう答えたけれど、顎からしたたる水滴に自分自身が一番驚いた
私、泣いてるの?
そう聞いたら、彼女はほんの少し首を傾げながら静かに微笑んだ
泣いてはいけなかった
泣くとオオカミがその匂いを嗅ぎつけて食べにくるから
兄弟が1人、また1人と食べられて行くのを、私はずっと時計の中から見ていた
助けて、お母さん助けて!
そう叫んでいる兄弟を助けることができなかった
ど
よもぎは花束になりたい
蓬田は、女の趣味が悪い。
うっすらと意識しているような、それでいて恋の対象とはまた違うような、とにかく蓬田という男子に惹かれていたのだが、蓬田は、どういうわけか、私が好きになって欲しくない女子が好きだ。
クラスには、男子がみな夢中になる女子がいた。
声色は高く、肌の色は色素が少し抜けているような透明感があって、それなのに、ケラケラとよく笑い、親しみやすさを醸し出している。
特段美人でもないのだ