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横着者の私でも実践している、無駄なく無理なく筋肉を増やす方法

一週間前の記事の中で、「タンパク質は筋肉の材料なので、タンパク質を減らすと筋肉量が減って基礎代謝が落ちてしまう」という話をしました。

今回は、そこに運動を取り込んで、効率的に無駄なく無理なく筋肉を増やす方法を解説します。
後半では、プロテイン商品を選ぶポイントも解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)

気持ちいいくらいの適度な筋トレを

筋肉をつけるために最も効率のいい運動は適度な筋肉トレーニング、筋トレです。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動も、筋トレほどではありませんが、基礎代謝量のアップや筋肉量の維持に有効です。
けれども、効率よく筋肉を増やすには筋トレを置いて他にありません。

筋肉に負荷を掛けることによって、使った部分の筋肉組織が壊れていきます(筋肉の分解)。 
壊れた組織を修復しようとして、その箇所に筋肉の材料となるアミノ酸が集まります。

急激な負荷が掛かると、体はそれを緊急事態と認識して、大量のアミノ酸が駆けつけて修復に当たります(筋肉の合成)。
結果として、壊れる前の状態よりも多くの筋肉が作られる、というのが、簡単に言うと筋トレによる筋肉強化の仕組みです。

とは言っても、アスリートのようなストイックな筋トレを行う必要はありません。筋肉が「気持ちいい」と喜ぶくらいで大丈夫です。
私も週に一回、近くの町営体育館のジムで、1時間強トレーニングをする程度です。

タンパク質(アミノ酸)の備蓄が要

重要なのは、体の中にアミノ酸がしっかり備蓄されていること、日頃からタンパク質を十分に摂取していることが前提です。
この「日頃から」というのが大切です。

筋トレ直後に飲んだプロテインが、修復する筋肉の材料になるのではありません。
タンパク質の消化には平均で3〜4時間かかります。かなり吸収に優れたプロテインだとしても消化に数十分はかかります。

実際に腸から吸収されたとしても、そこから使った筋肉に直行するわけでもありません。
つまり、運動後に飲んだプロテインでは間に合わないということです。

では、筋肉の修復に当たるアミノ酸はどこから来るかというと、すでに周辺に備蓄されているアミノ酸です。
筋肉をはじめとして、人体のあらゆる場所には「アミノ酸プール」といって、ニーズが生じた時にすぐに駆けつけられるようにアミノ酸を溜めておく機構があります。

アミノ酸プール(図のほぼ中央)

もちろんこれは、日頃から摂取しているタンパク質が消化されたアミノ酸です。私たちが毎日3食意識してタンパク質を摂る必要があるのは、このアミノ酸プールの量と種類を十分に満たしておくためだ、と言い換えても間違いではないと思います。

朝食を抜いて2食で3食分のタンパク質を摂ることは薦められません。
あまりにも多くのタンパク質を1回で摂っても消化が困難になりますし、仮に消化されても体内で利用しきれずに、余剰分が排出されてしまうからです。

あくまでも1日3食でタンパク質を賄ってください。

筋肉後のプロテインの意味は?

ここで一つの疑問が浮かぶかもしれません。
「では、筋トレ後にプロテインを飲む意味は何なのか」ということです。

けれどもそれはそれで意味があります。
吸収率が高くなるからです。

プロテインに限ったことではありませんが、ある栄養素が欠乏していたり、または体外への排出が進んでいたり、今回のように組織の破壊(分解)が進行している場面では、その栄養素の吸収率が高くなる傾向があります。

こういうのを合目的性とか言ったりしますが、人体は本当によくできていることを、ぜひ再認識してください。
要は、筋トレ直後のプロテインは、その次の筋肉の材料を補給する手段として最適だということです。

プロテインを飲むタイミング

なお、プロテインを飲むタイミングについて、運動の前なのか後なのかという議論が以前からあります。
大きな違いはないと思いますが、私は今言った理由から運動後を薦めています。

以前、FANCLのホエイプロテイン(販売終了)を飲んでいたときに、FANCLにその質問をしてみました。
FANCLにはデータがあって、やはり運動の後の方がアミノ酸の血中濃度が上がりやすい、という返答をいただいたことも付け加えておきます。

もちろん、運動前にしっかり食事を摂ることは非常に大切です。運動前の食事を抜いてしまうと、運動中にエネルギー源であるブドウ糖(糖質)が枯渇してしまう可能性があります。

すると体の脂質やタンパク質を分解してブドウ糖に変換し(糖新生)それをエネルギーにします。
分解されるタンパク質はほとんどが筋肉ですので、こうなってくると筋トレをやってもやっても筋肉が増えません。

運動前にしっかり食事を摂り、運動直後にプロテインでタンパク質を補給するのが理想的です。

プロテインの選び方4つのポイント

ここからはプロテインの選び方に関して、ポイントを4つ挙げてみます。

ポイント①
プロテインには、20種類のアミノ酸すべてを配合した総合的なものと、筋肉の材料である3つのアミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)を中心としたものに分かれます。

通常の食事でタンパク質を十分に摂っている場合には、後者の商品、3つのアミノ酸が中心の商品でいいのかな、と思います。

ポイント②
プロテインは主原料により数種類あります。
代表的なものとして牛乳由来のホエイプロテインと大豆由来のソイプロテインがあります。

ホエイプロテインは速やかに吸収され、筋肉成分を占めるアミノ酸が多く含まれています。 筋トレ直後の補給であればホエイプロテインがお薦めです。
ソイプロテインは緩やかに吸収され、満腹感が持続するので、ダイエット中の人にお薦めです。      

ポイント③
ビタミンDが含まれていればベターです。
ビタミンDは筋肉の合成を促進する役割があります。

ビタミンDは脂溶性ビタミンで体内に溜めることができますので、日頃の食事からビタミンD(魚介類に多い)を十分に摂っている人はこだわる必要はありませんが、そうでない人はビタミンD入りのプロテイン商品がお薦めです。   

ポイント④
人工甘味料が入っていないものを選んでください。
アミノ酸は元々苦いものが多く、とくに筋肉の主原料になる3つのアミノ酸は本当に苦いです。

そこで何らかの甘味料を使用することになりますが、次の3つは有害性が疑われているので注意を要します。

アセスルファムK、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、スクラロースの3つです。

この3つの人工甘味料については、ほとんどのプロテイン食品に含まれています。
含まれていない商品を探すのが難しいくらいです。

それでも通販等で探せば未使用の商品もありますので、(人工甘味料を避けたい方は)根気強く探してみてください。

なお、この3つの人工甘味料を有害だという意見もあれば、そうではないという声もあり、見解が分かれるものもあります。       
けれども、明確に安全だと保証されていないのであれば、後々有害性が明らかになっても既に体に入れたものは戻せません。

ですから、そこは慎重に考えていただきたいと思います。

まとめ

筋肉をつけるために最も効率のいいのは筋トレです。
負荷を掛けた部分の筋肉組織が壊れ、それを修復しようとして、大量のアミノ酸が駆けつけます。

結果として、壊れる前の状態よりも多くの筋肉が作られるのが、筋肉強化の仕組みです。

そのために、体の中にアミノ酸がしっかり備蓄されていること、日頃からタンパク質を十分に摂取してアミノ酸プールが十分に満たされていることが前提です。

筋トレ直後のプロテインは、組織の破壊が進行している場面では吸収率が高くなるので、その次の筋肉の材料を補給する手段として最適です。

運動前にしっかり食事を摂り、筋トレ直後にプロテインでタンパク質を補給するのが理想的です。

プロテインの選び方のポイント

①筋力強化が目的であれば、筋肉の材料である3つアミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)を中心としたもの

②速やかに吸収され、筋肉成分を占めるアミノ酸が多いホエイプロテインがお薦め

③筋肉合成を促進するビタミンDが含まれているもの

④人工甘味料、なかでもアセスルファムK、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、スクラロースの3つが含まれていないもの、を選んでください。

この記事の内容については動画もアップしています。合わせてご覧ください。


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