2023年12月 印象に残ったエンタメ
新年あけましておめでとうございます。2024年もよろしくお願いいたします。今年も可能な限り沢山のエンタメに触れて、noteも毎月更新していこうと思います。
先日の地震は怖かったですね。私は無事でしたが日本海側で暮らす方々は大丈夫でしょうか。地震は起こるタイミングを選んではくれません。日ごろの備えが大切だと改めて感じました。
さて、本題に入ります。昨年の12月も様々なエンタメに触れることができました。この年末年始も、時間が許す限りコンテンツを観たり聴いたりしたいと考えているので、また別の機会にその間に触れたエンタメを紹介していきますね。では、ここからは2023年12月に印象に残ったエンタメを紹介していきます。
・映画「首」
巨匠・北野武の最新作、皆さんはご覧になったでしょうか。様々な意見があるようですが、私はとても楽しむことができました。壮絶な暴力と騙しあいの末に何人もの命が奪われていく「狂気」と、その中で生まれる「笑い」のバランスが非常に良かったですね。
登場する武将は己のために行動する者ばかり。表向きは権力者の忠誠を語っているが、結局考えていることは己が生き残ることだけ。秀吉もまた、信長に忠誠を誓いながらも虎視眈々とその跡目を狙う腹黒。全体を通して秀吉には、人の命を何だと思ってるんだ、とツッコみたくなる描写が多かったのですが、当時の死生観からすれば、人の生き死になんてその程度の軽いものなんでしょうね。
・映画「終わらない終末」
Netflixオリジナル作品。旅行中に奇妙な出来事に巻き込まれてしまう家族たちの物語。未曽有の危機を、彼らはどう乗り越えるのか。邦題の「週末」は「終末」とかけているのでしょうね。秀逸だと思います。
2時間ずっと恐ろしいことが起こって、登場人物たちの気力が奪われていく様がとても面白かったです。情報社会において、通信が使えなくなるとどうなるのか。終わりゆく世界で、彼らが迎える結末は。個人的に特に好きだったのはラストシーンです。人間の愚かさと言いましょうか、現実と実際の行動との乖離が皮肉的で面白かったです。普段の生活が奪われることで、人間は、世界はこうも簡単に崩壊してしまうのか。映画と同じことが日本でも起きたらそれこそ「終末」だと思いました。
・ドラマ「どうする家康」
長きにわたる家康の戦いも、先日無事に幕を閉じました。波乱万丈な家康の生涯を、新解釈や最近の歴史研究に基づいて描いた意欲作。家康が登場する作品は過去にもありましたが、これまでの家康とはかなりキャラクターが異なっていたように思います。
家康の真の強さは自身の弱さを認められていることではないかと私は思います。迷いながら、苦しみながらも、己が生き残るために、大切な人たちを守るために、ひいては安寧な世を作るために経験を重ね成長していく様子が印象的でした。作品を通して「戦うこと」が最も愚かなことであるとされていたのが、昨今の情勢とリンクしていると感じ、平和を願う家康の気持ちには大いに共感ができました。家康を支える家臣たちも皆魅力的でしたね。2024年度の大河ドラマにも期待したいですね。
・King Gnu 「THE GREATEST UNKNOWN」
4年ぶりとなるKing Gnuのアルバム。現在のKing Gnuの、音楽家・常田大希の全てが詰まった大傑作。圧倒的なボリュームとさすがのクオリティで聴きごたえ十分の1作でした。
前作から前作から前作から今作の間に発表されていた楽曲を見事に組み込みながら、アグレッシブな新曲とともに1つの作品を完成させたKing Gnu、改めてバケモノバンドだと思いました。これは音楽の聴き方の変化が関係していると思いますが、最近はアルバムを通しで聴く文化がかなり薄れてしまったと思います。1曲1曲がフィーチャーされ、消費されていく感覚。そんな中でも、彼らの作品はその全てを聴いて楽しみたくなるんですよね。計算に計算を重ねた構成で唯一無二のサウンドを味わいたい。これからもKing Gnuのファンであり続けたいです。
・ドラマ「時をかけるな、恋人たち」
上田誠さんのSFコメディが大好きなんですよね。この作品も、見事にハマりました。出会っても決して結ばれてはいけない現代人と未来人。時間の辻褄を合わせながら、なんとか結ばれようとする男女の奮闘を描きます。
過去や未来を訪れ、2人の恋愛成就に必要なピースが1つずつはまっていく。何気ないやりとりや描写には、実は重要な意味があってそれが後半に明らかになる。時空を超えた怒涛の伏線回収はまさに神の所業。時空を行き来することができるという、難しい設定の役柄を難なく演じてみせた俳優陣も素晴らしかった。1話30分と観やすかったのも良かったです。この枠のドラマ、個人的にはアタリ作品が多いんですよね。1つ前の「ウソ婚」も面白かった。次も良い出会いがあるといいな。
・ドラマ「コタツがない家」
今期のドラマ、作品の面白さに定評のある脚本家さんが手がけたものが多かったですよね。本作で脚本を務めた金子茂樹さんも、好きな脚本家の1人です。
面倒な性格の夫、偏屈な息子、頑固な父の世話を一手に引き受けた妻の万里江さんの度量がほんとうに素晴らしかったです。コタツがなくても、家族であーだこーだ言いあう環境があればそれでいい。多様な生き方が存在する世の中ですが、「こういう家族がいてもいいよね」「こういう考え方があってもいいよね」という一種のロールモデルを見せてくれたような気がします。テンポ感の良い家族の喧嘩が痛快で、コタツがない家を観るのが毎週の楽しみになっていました。未見の方はぜひ観てほしい作品。
・羊文学「12 hugs (like butterflies) 」
12月のミュージックシーンを振り返るなら、やはりこの作品は外せません。呪術廻戦のタイアップなど、羊文学もすっかりメジャーなバンドになりましたよね。嬉しい限りです。
羊文学の曲は、繊細なサウンドと深く強く刺さる歌詞が魅力ですよね。このアルバムでもその魅力が存分に感じられ、かなり満足度が高いです。3人でしか成立しない音楽が12曲も堪能できるこの上ない贅沢。「もう二度と離さない」、最後の曲のFOOLの歌詞にもあるように、一度聴いたら3人の音楽をもっと聴いていたい、もっと知りたい・楽しみたいと思わせてくれる、羊文学の音楽にこれからも酔いしれていたいです。
いかがでしたでしょうか。2024年はどんな年になるでしょう。どんなエンタメに出会えるでしょう。健康に過ごしながら、できるだけ多くのエンタメを楽しむことができたらと思います。毎月のnoteの更新は今年も行うつもりなので、今後公開する記事も読んでいただけたら幸いです。
それでは今回はこのあたりで終わりたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!