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眠れない夜だ

床につくなり一時間
どうにも様子がおかしくて
「俺はなんにもできやしない」
脳内で言葉が乱反射
さぁ長い夜の始まりだ

腹痛のとき、一歩も動けない様に、
少しでも動けば自分が溶けて崩れてしまいそうで
くそ暑い布団をかぶって
ベッドをきしませるだけ

乱れた荒い呼吸が耳をついて
その二酸化炭素で息が苦しく
自身の中で響くBPMはあがって
思考は減法混色

目を開けていることすら忘れる暗闇の中
月の光にも劣らないブルーライトが目潰し
こんな田舎じゃ静寂も耳が痛くなるほど
手の甲と額がキスするとその温度に驚いて

電話もクスリも効かんわなんて
それ以前に動けないんだって
動けたときはそれは収まってるときだから
それに電話サービスは繋がらなかったし
クスリは無理やり脳内を消しゴムで消されてるようでヤダ

こんな俺にしか書けない文章があるはず
どこかでそう思う自分はこの二十分で十二分に打ちのめされた
死ぬ前に死ぬ気で逸品を創ると意気込んだ夜がこんなんじゃ
死んでも死にきれないから死んだふりしとくよ

そんな折聴こえたバイクの走行音
あぁまたかと時計を見なくても分かる今四時半
冬は日の出が遅くて助かると思っていたけどどうにも夏より夜空が明るい気がするな

かけて欲しい言葉もしてほしいこともなく、ただ眠りたいだけなのに、
長い夜はまだ続きそうで、そして僕は眠れそうにない。

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リズムの書き遺し
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