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寝れないね、出れないね

冷蔵庫が低く唸る
昨夜から朝も昼も常夜灯
カーテンは半開き
月明かりとおひさまがシフトチェンジしながら
おやまずわりで凍える日の出を迎えるだろう

今夜、
真顔としかめつらの間で
口端をきゅっと結んで
この部屋を発ったら君は泣くだろうか

シミひとつない天井に
足の踏み場だけある床
この部屋は美しい
それはそれでよかったんだけど
どうにも部屋の外に出てみたくて

その扉が閉まった頃
僕はしんとした無機質な廊下で
非常灯だけを頼りに
長い長い廊下を
足音を気にしながら歩くんだ

一年が経った日に窓から部屋を覗くと
君はもう涙の跡すらなくて

二年が経つ頃には君の部屋には新しい人が来て

三年後にはその人は別の部屋で笑ってて

余念がなくなった日に君はすっくと立ち上がって

僕の写真だけを掘り出して

部屋を出るんだ


また、出会えたらいいね。

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