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言葉の解放 / 新陳代謝 / 自分のための覚えがき

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マガジン

  • なりゆき畑記録

最近の記事

全部が渾然一体で---畑と盆栽のこと3

「苗の枝先をちょっと切っただけでも、自然型ではなくなってしまう。ー 自然というのは、生まれながらのまま、裸のままのものが、そっくりそのまま健全に育った場合にのみ、自然型になる」 「人間は何もしなくても楽しかったのに、何かすれば喜びが増すように思った。物に価値があるのではないのに、物を必要とする条件をつくっておいて物に価値があるように錯覚した」 - 福岡正信さんの「わら一本の革命」に出会ったのは20歳の頃。 その頃の自分の心象風景にぴったりはまったそれは 元からの反骨心や罪

    • ずっと環ってる(畑記録)

      4、5月ほぼ放ったらかしであった最近の畑記録。 畑を後回し過ぎてヨモギとドクダミとヤブガラシに埋もれていたちっちゃいタマネギ収穫。ちっちゃくて可愛いよ。 こちらは草に埋もれておらず立派に育った。やっぱりお日様が当たらないくらい埋もれてしまうのはあかん…! モザイク病対策にニラの間やニンニクの隣に植えてみたジャガイモ達。唯一花が咲き実がついた株はほんのりモザイクに。他は全体的にモザイクはあまり出なかったけれど、株が大きくならず収穫はだいぶ少なめに。天候の影響、草生やしっぱ

      • 自然素材とプラスチック

        ⠀ 自然素材のおもちゃはいい、 プラスチックは良くない、 というよくある会話をこないだ横で聞いていた時 なんだか違和感があって、それについて最近よく考えてた。 そのあたりのごちゃごちゃを言葉にしてみたい。 ⠀ 木や布のおもちゃやお人形はやわらかくやさしいし、 プラスチックでも遊び古した痕跡があるのとか 誰かの気配や温度を感じるのが好きだなと思う。 (でも、精巧な編みぐるみとか想像の余白がないのは 飽きちゃうから、素材より完成度が重要なのかも?) ⠀ 環境のはなしとかはお

        • 境界線からグラデーションへ

          先日のシュタイナーのおへや、 "境界線" がお話のテーマだった。 子に気を取られてほとんど素通りだったけれど、 境界線を「入る前にひと息つく」とするのは新鮮だった、 自分はただ結界のようにとらえていたから。 ⠀ 相手に踏み込まない、ことは尊重でもやさしさでもなくて、 踏み込んで拒絶されることへの根深い怖れ、自分を含めた人間への不信感、そしてそっくりそのまま自分もまた踏み込まれたくないという拒絶の裏返しだった若い頃。 遠い異国やアングラな世界に身を投じても平気だったのは勇

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        • なりゆき畑記録
          9本

        記事

          自然と放任(畑記録)

          直播きしてほとんど介入せずの畑1年目。 少なかったけれどおいしい安納芋ができた。 肥料なしの今の土でとれた夏野菜は ほぼ芋と豆ばかり、ミニトマトや茄子は少しだけ。 ルッコラとジャガイモ後にまいたニラは元気。 オカヒジキは発芽したかもわからず行方不明に。 (オカヒジキはポットで種をまいてても うんともすんもとゆわないので、種の問題ぽい) ⠀ 夏野菜を終えてみた感想(菊芋残ってるが)。 野生児たちのパラダイスの中では 箱入り娘の栽培種たちは萎縮してたなぁ… たとえ固定種や在来

          自然と放任(畑記録)

          自由な教育ではなく、自由への教育

          ⠀ この夏からシュタイナーのお部屋に子と通うようになって、自分にも子にもすっかり暮らしに馴染んだ場所になった。 シュタイナー教育が目指すのは、 "自由な教育ではなく自由への教育"、 それは核心をついていて、心に刺さる言葉だった。 ⠀ 自由とは何か、という問いがそれから日々片隅にある。 空を飛ぶ鳥や風に揺れる草木を見ると、人よりも自由な存在のように感じる。 鳥や草木は人よりよほど自然の掟に忠実なのだけれど。 そんな鳥や草木の生きる姿勢を見つめると、 ただ自分がやりたいこ

          自由な教育ではなく、自由への教育

          なんのために生まれて、なにをして生きるのか(畑記録)

          ⠀ 畑にあるイチジクの実が熟すのを待っていたら、昨日カナブンが2匹も突っこんでいて、子は涙目でコラーッとカナブンに一生懸命怒ってた。なので少し早めに収穫してみたけれど、甘くて良かったね。平和だ。 高校の頃は物理や数学が得意で、それが人生に何かもたらすとは想像もしなかったんだけども。 ばらばらなようにみえることすべてにおいて、エネルギー保存の法則は真理だったんだ、ととらえるようになった頃から人生に魔法がかかり始めたよう。 20代、自然農や盆栽を学んだなかに 30代、ことご

          なんのために生まれて、なにをして生きるのか(畑記録)

          野生の共鳴---畑と盆栽のこと2

          1日中降った蒸し蒸し生温い梅雨の終わりがけ。 雨上がりの翌朝、 成長がゆーっくりな極姫ユキノシタの葉っぱが、 目を疑うくらい前日よりひとまわり大きくなっていた。 ⠀ 緑の勢いがどんどこ加速している。 放置しているとジャングルに戻る畑、 1周手入れをして戻ってくるともう伸びている盆栽。 自然農と盆栽、相反するようでもあるこの2つは、 そういえば同じ延長線上だったな、 という掘り起こした記憶をなぞり今日も外へ繰り出す。 ⠀ 昔、山で自然農をして一心不乱に全身動かしていた

          野生の共鳴---畑と盆栽のこと2

          サツマイモ定植(畑記録)

          先日サツマイモのつるを定植した。 6月頭に16kgを抱っこしたまま階段を1段踏み外し、しばらくまともに歩けなくてすっかり遅くなってしまった…! 4月上旬に植えたタネイモからはすっかり立派なつるが伸びて、たくさん挿し穂が取れた。 水につけて根が出てきたつるを草の中に植えて、それでもやはり萎れやすいので拾った竹とござで日除けを作って…。 うーむ、なんだかサツマイモにも負担だし、屋根つくるのは楽しいけれど過保護だし、もーっとシンプルにできたらいいな! 来年は、タネイモを斜め

          サツマイモ定植(畑記録)

          追憶 川口由一さん

          川口由一さんが旅立たれたらしい。 20数年前、まだ大学生の頃に自然農と出会い、川口由一さんが主宰されていた三重県の赤目自然農塾に大阪から通った。桜井の川口さんのご自宅の田畑も見せていただいて、オクラの花を食べた記憶がある。 いつも麦わら帽子に作務衣で、やわらかくにこやかだった川口さん。川口さんの田畑は草も稲も野菜も境界線なくそこに在り、美しかった。 そんな川口さんの自然農塾は会費やカリキュラムもなく、さらに自然農を強制することさえもなく、土地がある人は学びを持ち帰って、

          追憶 川口由一さん

          病気とは経過であり、成長の一つ(畑記録)

          "病気とは経過であり、成長の一つ" だって、大阪に住んでいた時によく行っていたファンキーな野菜屋さんが言っていた。 体には46億年のDNAの記憶があり、傷が勝手に癒えるように、体は自然と治ろうとするように設計されていて、その過程を病気と名付けているのだと。治り方は体が知っているのだから、感覚や直感にたずねて体が必要としているようにしていくのだと。 そして、すべてのものは最後は土に還っていくと。 すべての生物は役割が終わると、死んで他の生命体のエネルギーになる。死んだ米が

          病気とは経過であり、成長の一つ(畑記録)

          スモール イズ ビューティフル(畑記録)

          ※春に畑づくりを始めた頃に書いて下書きのままになっていた文章です。 畑を整えたり、盆栽を手入れしたりとやること盛りだくさんで楽しい。 ここは以前住んでいた方が畑をされていたそうだけれど、引っ越してきた時は笹ススキヨモギのジャングルに還っていた。それがあるがままならパンダでも住むのが自然の摂理なんかな? でも、人間も自然の一部なら、そもそも人間の営むどんな農法も広義では自然農法ってことかな? …とか。 カラダを動かしていたら、思考が巡った。 ⠀ じゃあ、どういう畑が理想

          スモール イズ ビューティフル(畑記録)

          植物はちょうどいいを知っている (畑記録)

          今年最後のひとつぶを収穫。 冬に畑にイチゴを植えようと思っていたら、お隣さんから先月おすそ分けをもらったイチゴ。ただ、この辺りはイチゴ好きなアライグマが住んでいて地植えは難しいのだそうで、植木鉢に植えて日々出し入れしたけれど、それも終わり。ありがとう、あとは好きに育っておくれ。 先日まいた枝豆、四角豆、ゴーヤ、えんぴつ茄子、甘長唐辛子、トマトの種、1番先にまいた枝豆の芽を無事に草の中から発見できた! サツマイモもまだツルを取れるほどではないけれど、少しずつ拡大中。ジャガイ

          植物はちょうどいいを知っている (畑記録)

          すべてはひとつの渦の中で (畑記録)

          畑に自生しているカラスノエンドウ、プクプクのさやを剥くと美しいこと…! あまり味わいはないけれど豆ごはんに。ルッコラのベビーリーフも元気に育っている。 先月、サツマイモの蔓を植える予定の畝に挿した芽が出始めのサツマイモ、暖かくなってきてようやく少しだけ成長してきた。モッサモサのジャガイモとえらい違い。 温床で育てたらもう植え付けられるくらい大きな蔓になっているのだろうけれど、暖かくして急いで大きくしなくてもこの土地に合ったリズムで育ったり育たなかったりでいいかな? と思っ

          すべてはひとつの渦の中で (畑記録)

          癒しとアートの反対側で---畑と盆栽のこと

          20歳頃から自然農法を学んで、農業高校でも教えて、 30歳手前で農をやめてしばらく後に盆栽を始め、 今はなりゆき任せな畑と盆栽をしている。 その2つの性質はたぶん相反する部分があって、 でも自分の植物に対する姿勢は変わりない気もして、 そのあたりの矛盾をちゃんとは言語化できないのだけれども、 頭で考えて答えを出すことを急がずに、ただ感覚にゆだねることに集中している。 ⠀ 植物を鉢の中で育てお世話すること、 花をつんで愛でたり、誰かに贈ること、 木を切り綿をつみ、道具や服を

          癒しとアートの反対側で---畑と盆栽のこと

          答えは自然界と自分の中に

          満開の桜は一斉に花吹雪に。 畑もお庭も薄いピンクに染まった。 めっきり暖かくなり、外ご飯するのが楽しい。 この季節は特に五感が喜びにあふれている☺︎ 人も動物や昆虫や植物と同じで、地球で生きていくのに必要なことって全部、自然界と38億年の記憶を持つカラダのDNAや本能が教えてくれているんじゃなかろうか。 とはいえど、現代の人の暮らしは自分で火をおこしたり川から水をくみ狩猟採集する代わりに、電気ガス水道や地球を横断する流通や通信に支えられていて、いわば人間全体でひとつの大

          答えは自然界と自分の中に