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Takram渡邉康太郎さん③「コンテクストデザイン」Podcast全文テキスト化/ep01-3「アワノトモキの読書の時間」

2021年6月からホシノさんと配信をしている、
Podcast「アワノトモキの読書の時間」 Work Teller
現在、全放送(約120回分)を少しずつテキスト化しております。

今回はep01-3(1冊目の3話目・最終回)


ep01(1~3)「コンテクストデザイン」(Takram渡邉康太郎さん)

ep01(1~3)で取り扱わせていただいた第1冊目は、
渡邉康太郎さんの「コンテクストデザイン」。

ep01-1ep01-2に続き、ep01-3のテキストです。
よろしければご一読ください(気になった箇所だけでも)

※Podcastはコチラから↓

出会い直して思うこと(不便益、ゆえに・・・)

わかりやすく、効率的だからといって、
人の心が動くとは限らない。

コンテクストデザインの中や、
「不便益」の第一人者?である、
川上浩司教授(京都先端科学大学)の長い書名の著書でも解説されている、
「不便益」「富士山に登れるエレベーターがあったら?」という問い。

「不便益という発想~ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも 行き詰まりを感じているなら、 不便をとり入れてみてはどうですか?(しごとのわ)」

富士山3776mにエレベーター(便利)で登れたら、登るか?
と問われたら、大半の方が「No」ではないでしょうか。
(もちろん、諸々の事情からエレベーターがあったら嬉しいという方もいらっしゃると思いますが)

わざわざ汗水垂らして、身体を使って、
不便だからこその、得られるもの(不便益)がある。

登山、ランニング、料理、子育て、紙の本での読書、
コーヒー豆を挽く、マニュアル車を運転する、藍染をする、
DIY、対面で人と会う、列車や船旅をする、手紙を書く、
フィルム写真で撮影する、薪で火起こしをする・・・

企業経営の場面では、強い文脈としての
効率性、合理性、生産性、経営者の方針などが
全面に出ることが一般的です。

もし従業員サイドからの弱い文脈をすくい上げたら?
恐らく、面倒くさくて「不便」でしょう。

けれども、急がば回れ的に「不便だからこそ見えるもの」や
「不便だからこそ得られるもの」もあるはず、
な直感がしています。

確たるエビデンスたるものはないのですが、
傍から見ていて直感的に感じることを語りました。

【全文】ep01-3/「コンテクストデザイン」(Takram渡邉康太郎さん)

配信:2021年7月6日・ 4分 33秒
ep01-3

アワノ
はい、こんにちは。粟野友樹の読書の時間、第3回目です。

この読書の時間は、売れ筋の本ではなくて、ちょっとニッチで私が心に残った本を10分でご紹介していく番組です。

さて、ここまでの2回は、
コンテクストデザイン」(渡邉康太郎さん著)の本について
ご紹介をさせていただきました。

前回の 2回目は、コンテクストデザインと私の経験との接点、繋がりを
ホシノさんとお話をさせてもらいました。
この3回目では、その2回目で少し語りきれなかった部分を、
個人的な一人語り的にお話できればなと思ってます。


本当に色々、このコンテクストデザインで話したいなって思うこと、
本当にたくさんあるんですけども、
やはり 普段の私の仕事である採用の視点からいきたいなと。

いろいろなベンチャー企業様の仕事をさせてもらっている中で、
強い違和感を持ったっていう部分が、
この本に興味持ったきっかけでした。

具体的に言うと、今の企業サイドからよく言われるのが、
ミッション、ビジョン、バリューのMVVやパーパス経営、
OKRであったり、1on1とか、ジョブ型採用とか、
ティール型組織、ホラクラシー組織とか、
色々なトレンドってたくさんあると思うんですよ。


複数の企業の採用支援してる中で、やはり問題だなと思うのは、
経営側から新たな制度や施策を導入するなどいろいろされるんですけれど、
結局それって、コンテクストデザイン的に言うと、
強い文脈だけになっている。

経営者のこう思いとか、 経営をこういう風にやっていきたいっていう
(ある種)一方的な発信になってるなっていうことが
すごくあるなと思います。

そこにはやっぱり働く人の、様々な人の弱い文脈、
思いっていうのを受け止めきれていないというか、
そういう姿勢 が見えてしまうのかなと。

もちろん営利企業なので、売上を上げるため、利益を上げるために、
この事業をうまくいかせるために、給料を払うためにっていうことで
成果を出し続けなきゃいけないっていうのはあると思うんです。

けれども、 やはりその強い文脈が支配的で、
1つの正解・方向に向かうっていうスタンスだけだと、
従業員の方の本来のパフォーマンスが出ないなっていう風に感じてます。



コンテクストデザインの本の中でも紹介されてますけれども、
わかりやすくて便利なものだから、
効率的だから人が動く、人の心が動くわけじゃない。

例として「不便益」という 言葉が出てますけども、
もし富士山にエレベーターがあったらみんな使いますか?
という問いがあります。

多分、みんな使わないと思うんですよ。
3000メートルの山にエレベーターで上がる、
エスカレーターで上がれるってなったら、
その山に登る価値っていうものが全くなくなってしまう。

不便だからこそ、苦労があるからこそ、
企業現場で言うと、ごちゃごちゃっといろんな意見が出てくるからこそ
人の心が動いたり対話が生まれたりする。

そういう考え方が、企業に、経営者の中に取り入れられていくと、
働く人の働く楽しみってのは増してくるんじゃないかなって。

そんなことを考えながら、
このコンテクストという本を読ませていただきました。

とはいえ、これは超個人的な、
僕の 今やってる採用とか転職支援の観点からの発想なので、
皆さんそれぞれの生活とか仕事とか、立場の中から、
もしくはいろんな人生の背景や生活の中で、
それぞれ感じられることがたくさんあるじゃないかなと思うので、
もしそういった声、ご意見あったら、
ぜひ教えていただきたいなという風に思ってます。


ここまで「コンテクストデザイン」という1冊の本で
3回にわたって語らせていただきました。

ぜひお聴きいただいた皆さんが感じたことなども、
聞かせていただければなと思ってます。

また次回は、違う本をご紹介させていただきたいと思いますので、
今後もこの場でお会いできればなと思っております。

それでは、ありがとうございました。

Podcast「アワノトモキの読書の時間」 Work Teller
ep01-3/「コンテクストデザイン」(Takram渡邉康太郎さん)
は、以上でおしまいです。

ありがとうございました。


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