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冷静と情熱とカクカクサギのあいだ

あなたは私との約束を覚えていますか。
20年前、二人で作品を書き上げると言った、
あの約束を…。


まぁ、覚えてるわけないですよね。

だって、

カクカクサギだから。


私も物書き仲間と連作を企画したことがあります。

溢れんばかりの期待に胸膨らませたミヒロは、
これから3年間、毎日のように通い続ける校門を見つめていた。
今日からこの高校、自分のことを誰も知らない学校で、
高校デビューをするのだ!
しかしどういう訳か出迎えてくれる在校生は侍にヴァンパイア、
同級生もロボットにネズミ小僧ともはや個性と言えない個性派ぞろい。
極めつけに祝辞を述べる校長先生はミノタウロスだった!
どうなる、ミヒロの高校デビューっ!?

出典:パパSEの頭の中

という共通設定で仲間と交代交代でショートショートを書く企画だ。

スタート時は仲間と私の二人だけだが、
ホームページに連載することで仲間と作品を募り
数多くの作品が集まる・・・、

予定でした。。。

そもそもホームページどころか1話もできなかったよ。

だって、

カクカクサギだから。


イタリアにもカクカクサギってあるのでしょうか?
あの情熱の国とカクカクサギは似つかわしくない
いいえ、そんなことはありません。

得てして、カクカクサギの方々はとても情熱的でポジティブな人なのです。


そもそも小説を書くこと自体は誰でもできるでしょう。
しかし、その小説を人に見せるということは、
自分が書いた作品を発表するということはとても勇気がいることです。

ましてや「〇〇を書く」なんて声を大きくして言うことは、
すごく勇気がいることではないでしょうか。

普通なら、
「読まれてつまらないって言われたらどうしよう」
「〇〇のパクリかもしれない」
「そもそも書きあがらなかったらどうしよう」

と考えて言えるものではありません。

にも拘わらずカクカクサギの人は大きな声で「書く」と言えてしまう

何故なら言った瞬間は
「絶対に面白い!」
「俺(私)のオリジナルっ!俺(私)天才っ!」
「マッハで書き上げてやんよっ!」

と考えているからです。

そうです。
カクカクサギの人にネガティブな人はいません
大概、ポジティブな人です。

ポジティブなので否定的なことを考えませんから、
ほとんどの作品をつまらないなんて言わない。
当然、自分の作品も面白くないとは思いません

ポジティブですから盗作だなんて思いいたりません。
似ている?
オマージュです。

そしてポジティブですから自分の執筆ペースを楽観視してます。
いえ、ポジティブ イズ パワー
集中することができれば爆発的なスピードで書き進みます。
書き進みますけど、ポジティブ イズ ファスト
爆発的なスピードで失速します。

ここから先がカクカクサギたる所以
皆さんもご存じだと思いますが、
一度ポジティブな人が落ちると信じられないぐらい落ち込みます

もはやそこは底なしの

誰のも、も、も届かない深みへと落ちていくのです。

そして一気に冷静になって、

「どうせ面白くない」
「あの作品のパクリだから」
「今から書いても遅い」

と言い出す。

あー、めんどくさ。

これが私たちポジティブカクカクサギの真実です。

あなたの隣にも居ません?そんな人?

なお、一度落ちたとしてもポジティブ人間は不死鳥の如く蘇ります
放っておいても蘇ります。
ただ蘇る時に何を持ってくるかわかりません。
を持ってくれば再び執筆活動をするのですが、
ニッパーを持ってきたり、Gペンを持ってきたり、
もしかしたら彫刻修復の仕事を携えて帰ってくるかも。

すなわち、別のベクトルへ気持ちが向いており、
作品を書くことを忘れてしまうことも多くあるのです。

こうなるといつもの
「書く書く詐欺の被害者はあなた自身です」
なんて言えません。

被害者は振り回された周りです。

でも、

それでも、

私は知っています。

きっと筆を取りに戻ってくることを

なんでって?

それは・・・、

私がそうだからです

何度も置いた筆、こうして再び握っています
あ、いや、キーボードですけどね。
今も昔も。

だからきっと、
みんなここに帰ってくるんです。

神聖なる、


カクカクサギの地に・・・。

※この記事は私の個人的な独断と偏見で書かれております。
正直に言って多くのプロの方が想像を絶するほどポジティブです。
それはもう、私なんぞが霞んで見えるぐらい。
失速することなどないのだと思います。
そんな先生方の一人がおっしゃった言葉をここに残します。
「今からでも遅くない」
そう物書きに卒業も勇退もありません。
さぁ書きましょう。