大奥 2023 医療編
2023年10月3日、ドラマ10『大奥 season2』が放送開始されました。
前編にあたる田沼意次と青沼の物語を見終えました。徳川吉宗から赤面疱瘡撲滅を託された田沼意次(當真あみ→松下奈緒)が平賀源内(鈴木杏)、長崎から来た日蘭ハーフの青沼(吾作 村雨辰剛)と共に取り組むもの陰謀に巻き込まれてゆく展開を見せてくれました。
感想
まさに適役でした。田沼意次の松下奈緒(仲間由紀恵が演じるかと思いました)、鈴木杏の平賀源内、玉置玲央の黒木が原作から飛び出し、それ以上の演技を見せました。特に青沼を村雨辰剛、松平定信を安達祐実、徳川治済を仲間由紀恵が夫々、原作をより忠実かつより現実感をもたせました。
青沼を演じた村雨辰剛は本業が庭師ですが俳優としての顔を見せ、『カムカムエヴリバディ』や『わげもん』等にも出演し『どうする家康』ではウィリアム・アダムス(三浦按針)役で登場予定です。村雨辰剛はスウェーデン出身で日本で庭師となり帰化した経歴を持ちます。そういえば江戸中期、スウェーデンの植物学者カール・トゥーンベリが出島に滞在し青沼を育てた吉田耕牛ら蘭学者に影響を与えました。不思議な縁を感じます。日本とスウェーデンは僅かながら18世紀から繋がっていたのですね。日本でのスウェーデン人といえば田沼意次と同時期に存命していたハンス・アクセル・フォン・フェルゼンを思い浮かべます。
話をそれてしまい『大奥』に戻ります。鈴木杏の平賀源内ははまり役で誰が見ても男(失礼)にしか見えない姿でした。青沼も間違えるのもうなづけます。讃岐に生まれ武家女性としての生き方に疑問を感じ弟の死で男装し本学者として生きる決心をしたところが描かれています。女性故に蘭学を学ぶのが禁じられその悔しさと田沼から蘭学を学ぶことが解禁され喜ぶ場面を鈴木杏は表現しました。作品での平賀源内を際立たせたのが暴漢に襲われ梅毒に感染し平賀源内では無くなると恐怖に襲われ青沼に泣きつくシーンです。平賀源内の生き様、喜怒哀楽がここに凝縮されると言っても過言ではないでしょうか。
過去の大奥物に出演したことのある仲間由紀恵と安達祐実は一橋家当主・徳川治済と白河藩主・松平定信を演じるのも必然と言えるでしょう。治済の策略と知らず田沼意次に憎悪を向ける定信を安達祐実は見事に演じています。
※ 2023. 10.25 追記