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成功は願っても叶わない


「引き寄せの法則」「願えば叶う」
成功するために必要な思考、なのかもしれません。目標を紙に書いたり、現実とのギャップを明確にしてモチベーションを高めたりすることは、目標達成のノウハウのひとつとして多くの書籍に記されています。ですが「思いは必ず実現する」とは限りません。思うだけではなく持続的な努力が成功に不可欠なことは論を俟たないことです。

「これまで思考」と「これから思考」
努力を続けられる人とそうではない人を隔てる思考の違いです。「これまで思考」の人は、早い段階で達成感をもつため、早く気が緩んでしまう。たとえば「暗記すべき内容があと52%ある」と考えるか、「すでに48%やり終えた」と考えるか。前者は後者より格段に努力が持続しました。

「いつ」「どんなときに」行動に移すか?if-then(イフゼン)プランニングをすると、実行できる確率は2倍から3倍も高くなります。脳は「XならY」という法則を記憶しやすい。特に運動の習慣化に対しては効果てきめん。If-then式の計画をたてると、脳は無意識に周囲をスキャン、行動の合図を探し回るようになって、91%の被験者がダイエットに成功しました。

事前にするべきことをはっきりさせておけば意識しなくても、行動すべきときに自動的に行動できる。「意識しなくても」というのは非常に大切なポイントです。私は毎朝運動していますが、毎朝運動するために「気合を入れる」必要があれば絶対に続いていないと思います。

ほぼ自動的に、朝目覚ましがなった瞬間に身体が動くような工夫をしています。だから運動をして数時間たったとき「あれ?今日は運動したっけ?」という不思議な感覚に陥るときがあります。それくらい「無意識」に運動できているということ。つまりここまで無意識化が確立されないと習慣にならないということだと思います。

現実的な楽観主義者と非現実的な楽観主義者。
「目標は達成できる」と信じるのは大切なことですが、「カンタンにできる」と考えてはいけません。これが現実的と非現実的の違いを生む境界線。前者には覚悟が決まっていて「成功する力がある」と信じることができますが、後者は自分に都合の悪いことは起こらないと考えてしまいます。

不都合に目をつむるのではなく、現実的に物事を見て、同時に楽観的でいられる人は、たとえば就職活動でより多くの会社に履歴書を送ります。婚活ではより多くの結婚相手の候補者にアプローチをします。惜しみなく努力して、問題を予見して、対処方法まで考えて、いざ問題がおきれば粘り強くことにあたります。

「自分の望むことしか起こらない」と考える非現実的楽観主義者は、成功への道に転がるさまざまな障害や困難を考えることができません。深く考えず、危険なバクチを打ってしまう。現実的に「不安に思って障害を探す」ことは成功への大切なステップです。自分の前に横たわる課題や困難から逃げることなく、直視すること。課題の程度を冷静に検討することも大切です。

「今できなくても、できるようになる」と信じること。そしてもし、自信をなくしたときは(if)、自分が何かをやり抜いたことを思い出す(then) この手法は、テストを前にした学生や、大事な大会に挑むアスリートの自信を高め、緊張を和らげる効果が実証されています。

また、能力は生まれつきで、後天的に身につけることができないという言説がまちがっていることは、多くの研究で実証されています。目標は自分の能力を証明するためにあるのではなく、自分を向上させるためにこそある。「失敗してもいい」と開き直ると、実際に失敗する確率は大幅に低くなるという研究結果もあります。

能力を発揮することを阻害する最大の要因は「不安感」です。これは多くの研究から明らかで、不安感こそが能力発揮の最大の敵。課題や困難を「学び」にかえ、失敗を成長だと解釈して努力をつづけ、きたるべきあらたな課題を予測、対処方法を考えて、現実的に一歩ずつ前進していく。

備忘、そして自戒をこめて。
久保大輔




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