私の読書日記:2021/03/21-23
※※ヘッド画像は 出雲千代 さんより
しばらく記事を書いていなかったので、今日も簡単に日記を書いておく。
📖ドナルド・キーン『ドナルド・キーン自伝』
最近、ドナルド・キーンの自伝を読んだ。海軍時代の通訳としての従軍経験や三島由紀夫との出会い、アーサー・ウェイリーの『源氏物語』を読んだときの感動について書かれている。
正直に言って、私はこの本の感想を書く資格がないのではないか、と思う。著者と捕虜となった日本兵との交流や三島事件についてを読んでいるとこみ上げてくるものがあるが、軽々とことばにしても良いものではないと思うのだ。
📖北杜夫『楡家の人びと』
北杜夫の家族が勤めていた病院の栄枯盛衰を描いた作品である。(ちなみに、北杜夫の父親は斎藤茂吉であり、父子ともに精神科医である。)この作品では、明治時代から終戦直後までの”一般的な人々”が登場する。しかも本を読んでいると、ちょっとした瞬間にふと笑いが出てしまう。他愛もない、かわいらしいことをしている家族の微笑ましさがあるのだ。
しかし、そうかと思えば、壮絶な体験もしている。関東大震災も東京大空襲もある。病院は崩れ落ち、また焼け落ちる。それでも逞しく生きていく人間の姿というものが垣間見える。
読んでいて勇気をもらえる作品であったように思う。
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