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がんをめぐる冒険

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アラフィフ、独身、職業:記者。 ある日、足の付け根に転移がんが見つかり、卵管がんがみつかる。 その後、2回の手術と1回の抗がん治療を経験。 抗がん治療で髪が一部残った経験から、少…
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#手術

がんをめぐる冒険(53)ウィッグ問題① ウィッグ50万円~の衝撃

 がんと言えば「がん」→「抗がん剤」→「ハゲる」。 一番つらいのはビジュアルが変わることではないでしょうか。私も、手術よりも抗がん剤治療で脱毛することを宣告されたことのほうがダメージは大きかったです。おなかの手術あとはお風呂でも入らない限り見えないけれど、頭はどこから見てもすぐわかる。しかも髪が伸びるまでずっとこの辛ビジュアルと対峙しなきゃいけない、しかも結構な長い期間です。  まぁ、そんなことを言えるのも、がんを摘出してひと段落しているからなのですが、女性にとってかなり屈辱

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がんをめぐる冒険(29)真由美さんとの出会い

 入院が長くなると、看護師さんが忙しい(人員が手薄な)とき、医師の指示がなかなかこない時間帯などもわかるようになります。看護師さんは本当によく動いていて「忙しそうだからもうちょっと落ち着いたころに相談しよう」と思うこともしばしばでした。  そんな中、同じ病室の奥のほうで何やら話し声が。寝たきりの患者さんが、お水の購入を頼みたいけれど、看護師さんも手一杯な様子。お買い物を頼むヘルパーさんは日中しかおらず、夜になると看護師さんにお願いするしかありません。患者さんも必要そうでしたが

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がんをめぐる冒険(27)開腹手術は赤ずきんちゃんのオオカミ並み

 前の晩からおなかの中をきれいにして、徒歩で手術室に向かうのは前回と同じですが、今回は開腹手術。 背中から麻酔をします。この硬膜外麻酔は術後の痛み緩和にも使います。病室のパイセンたちも術後が痛くて、麻酔がきかない、という話をしていました。  以前、叔母が後遺症になったので、私はこの麻酔が苦手で。めちゃめちゃ怖かった。 叔母はがんの手術は成功したものの、硬膜外麻酔が効きすぎたのか、半身まひになり、腸が半分動かないものだから、腸閉塞になり、手足も動かず、さんざんなに遭ったのです。

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がんをめぐる冒険(20)更年期障害発動??

入院してから、みんなが心配してLINEをくれます。  中でも的確な意見をくれるのは、剣道部の後輩・ウチの大門未知子。  手術の翌日、 「寝てると痛くて、椅子に座ってるほうが落ち着くんだけど どうも腹部のほうが押すと痛いんだぁ。 熱も上がってきたんだけど、感染症の可能性あるかな?」  と質問したら、 「そんなにすぐに感染ってことは、可能性は低いのではないかと。  術後の構成代点滴もしていますよね。  体を伸ばすといじったところがつれるんじゃないですか?」 「なるほど!」 「横向

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がんをめぐる冒険(19)卵管がん確定=抗がん剤確定

 手術が終わり、2日後、 Y教授と教授のアシスタントをしている若手のO先生が回診に来て、 「左の卵管と卵巣にがんがありました。右足の付け根も同じ顔をしているので、婦人科で診ます。 がんわかったので、空きがあったら今週中にでも手術しましょう」 とお話されました。  個人的には、がんはどうでも、足の付け根のしこりについて別の病院を探して治療しないで済んだことにほっとしました。  がんについて同時並行して2箇所の病院に行くのは面倒だし、仕事しながら、そんな体力も時間もないな、と思

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がんをめぐる冒険(19)卵管がん確定=抗がん剤確定

 手術が終わり、2日後、 Y教授と教授のアシスタントをしている若手のO先生が回診に来て、 「左の卵管と卵巣にがんがありました。右足の付け根も同じ顔をしているので、婦人科で診ます。 がんわかったので、空きがあったら今週中にでも手術しましょう」 とお話されました。  個人的には、がんはどうでも、足の付け根のしこりについて別の病院を探して治療しないで済んだことにほっとしました。  がんについて同時並行して2箇所の病院に行くのは面倒だし、仕事しながら、そんな体力も時間もないな、と思っ

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がんをめぐる冒険(18)おなかが動かないと……ガスも便も出ない!

 術後、吐き気が収まるまで3日ほどかかりましたが、同じくして、腸の問題も浮上しきてきました。おなかが動かず、ガスが出ない。ようやく吐き気がおさまり、食べ始めると、今度は便が出ない。  おなかにガスが溜まっている感じはしても、ガスは出ず、膨満感が増してくる。看護師さんに言うと、お薬を処方されました。吐き気には吐き気止め、ガスにも薬があって、吐き気止めを飲めば吐くことはないけど、吐き気をクスリで無理やり押さえてる感が残る、さらにガスを出す薬も飲まなきゃいけない、クスリ漬けの自分が

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がんをめぐる冒険(17)手術待ちで半日。麻酔が効きすぎて

 手術は、腹腔鏡下手術で卵巣卵管を切除し、合わせて右足のしこりも取ってくれるとのことで、先生の説明で手術自体は1時間程度、1週間の入院です。ウチの大門未知子に「進行がんです! 1日でも早く、がん専門の病院に行ってください!」と言われて3週間。超スピード進行です。  前の晩の9時から絶食、朝からは水分も禁止。手術は9時以降で、この日は主治医の先生の「手術デー」。順次予定された手術に着手するので、じっと病室で待つのみです。まぁ順番が遅いということは、そう緊急性がないのだろうとポジ

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がんをめぐる冒険(16)いざ入院

 空きがあれば早まるかも、と言われていましたが、結局、予定通りの2週間後の月曜。前日の日曜に入院となりました。  がんサバイバーの叔母にスーツケースはしまうところがないので邪魔になるので、折りたたみのバッグに詰めて、キャリーでガラガラ引いて、病院へ向かいました。  日曜日の大学病院は静かで、奥の入院受付で手続きをし、9階の病棟の入口でインターホンを押し、看護婦さんが来るまでラウンジで待ちます。ベッドを案内され、身長、体重を測定し、あとはヒマ。もうお昼。普段、3食ちゃんと食べて

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がんをめぐる冒険(15)入院準備、オススメは紙パンとトリートメントシャンプー

 入院前には、看護師の説明、事務方の説明、それから家族同伴で医師の説明もあり、午前中に検査して、午後は説明だったり、1日中病院にいることも多くなりました。とはいえ、院内はWiFi環境も整っているし、パソコンを開けば仕事はできるので快適。コンビニにはコンセント付きの机もあるので充電しながら仕事もできる。ちょっとしたノマドワーク、ストレスはありませんでした。  術前説明の同伴は叔母に頼みました。家族はちょうど父が半年前に亡くなったばかり。母に相談したら過剰反応するのが目に見えてい

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がんをめぐる冒険(14)がん治療プロジェクト プロマネは自分

 病院間の連携がうまくとれずに待たされたり、必要な書類が届かなかったり、何かしらのトラブルは避けられません。それにいちいち感情的になっていたら疲れます。病気が悪化しそうです。  「~してくれなかった」「待ってても連絡がない」と病院にプンプンする話はよく聞きます。自分は患者だから、弱者だから待っていればいい、と期待しすぎではないかと私は思うんです。あれだけの人数さばいていたら、ヌケモレも起きるし、そんな過剰なサービス期待するのもどうかな。病院でのカスハラが多いのは、そうした過剰

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がんをめぐる冒険(11)手術は3週間後

 検査手術をすることが確定し、3週間後に決まりました。でも、他にキャンセルなど空きがあれば前倒しで手術してくれることになりました。  手術が決まると「一緒に手術を担当する先生の診察も受けてください」と言われ、教授のY先生の下にいる助教のS先生の診察を受けました。助教なので、アラフォーぐらいでしょうか、さすが女性の患者さん何百人も診ているだけあって説明は丁寧、話し方もフラットで質問しやすい先生です。1日に何人診察するのかと思うと本当に頭が下がります。  直属の上司には逐一報告し

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