がんをめぐる冒険(16)いざ入院

 空きがあれば早まるかも、と言われていましたが、結局、予定通りの2週間後の月曜。前日の日曜に入院となりました。
 がんサバイバーの叔母にスーツケースはしまうところがないので邪魔になるので、折りたたみのバッグに詰めて、キャリーでガラガラ引いて、病院へ向かいました。
 日曜日の大学病院は静かで、奥の入院受付で手続きをし、9階の病棟の入口でインターホンを押し、看護婦さんが来るまでラウンジで待ちます。ベッドを案内され、身長、体重を測定し、あとはヒマ。もうお昼。普段、3食ちゃんと食べていないので、あまり食べられませんでした。以降入院初日のお昼は抜いてもらうようにしました。
 ベッドは4人部屋の窓側。9階から東京の眺めはなかなかです。ベッドには明日着る術衣がありました。殺風景なベッド周りにはミッフィーの抱き枕で緊張感を緩和。ミッフィーがいるだけでちょっとなごみます。大腸がんの手術を経験したスガ姫から「抱き枕持って行ったほうがいいよ」とアドバイスを受けていたのです。
 6時には夕食。少量のおかずにごはんで、代わりにリンゴ味の高カロリードリンクがついていました。9時には下剤を飲むので、無理してごはんを食べる必要もないし、この際断食して体重を軽くしたいので、ちょっとつまんで終了。
 後の時間はラウンジで原稿を書き「宿題」をこなしていました。いつも日曜にくるはずの連載の第一稿はまだ来ずですが、まぁ水曜入稿だからいいか、なんて気楽に考えつつ、翌日も順番がいつ来るかわからないので、それまでにどうにかなればいいかなと。
 術後動けなくなるかもしれないので、水、ジュース、お茶など下のコンビニに買い出し。寝ながら飲めるように、ペットボトルのキャップにカッターで十字の 切り込みを入れ、ストローが刺さるように穴をあけて、準備しました。これAV 製作会社のポチャ君直伝。撮影中、女優さんにドリンクを渡すときに使っているそうです。フタを外してストローをさすとストローが浮いてくるし、寝ているとこぼれる可能性がありますが、これなら寝ていても安全です。飲み物を変えたら、ストロー付きキャップごと差し替えて使いました。このペットボトルのフタ、同じ病室の人にも配ったら喜ばれました。
 夜は下剤を飲み、トイレとお友達。腸の内視鏡検査と同じように、朝までにおなかの中を空っぽにします。私は下剤がきかない可能性も考えて、入院してからは紙パックのピルクルを2本飲みました。わたしにとってはおだやかにおなかに効いてくれて在庫一掃できる。ピルクルは術後かなりお世話になりました。

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?