【俳句】寝相四十八手
「"寝あぶれる"っていう言葉を思いついたよ」
「どういう意味? 仕事とかしてて、寝るタイミングを逃したってこと?」
「違うの。うちの息子たち、いつも川の字になって寝てるんだけど(夏はパンツ一丁ね)、だいたい誰かひとりは枕元か足元に放り出されてるんだよね。
裸子の川に寝あぶれ堰となり
逆に、必要以上にくっついてるときもあるよ。
三つ編みのごとく絡まる熱帯夜
この前なんか、頭はそっぽ向いてて、お尻とお尻をくっくけて寝てて、笑っちゃった。
男の子らや蛾の交尾かなぢつとして」
「寝相四十八手だね」
「おっ、名言ゲット。でも、うちの息子たちで変な想像しないでね」
「ゲイだから大目に見てよ。僕よりも、自分の息子たちで変な想像して、俳句まがいのものまで作ってるあなたの方が問題あると思うな」
「それを言っちゃあ、おしまいよ」
(了)