てらこやのひび ㉓
ー会話はキャッチボールだよ。投げるだけじゃなくて、まずきちんと受けないと。
と、1人の講師が、私に一生懸命話しかけるけれど私がそれに対して返すことばに対応しない中学生に声をかけた。
SNS風会話?
授業の後、講師たちと話した。
生徒たちのおしゃべりが、一方的なおしゃべりで、会話にならないことがだいぶ前から気にはなっていたけれど、
そういうこと?
なんて、話になった。
一方的に話して、こちらの同意や承認がほしいだけで、反論や文句を前提としていないー
だから、反論されたり、文句を言われたり、叱られたら、すぐ気分を害する。凹む。
そんな姿がこのところ特に、中学生、高校生の「おしゃべり」にある気がする。
そして、昔、友人に
ー世の中の多くの人が、いつも何かの糸口や答えを求めて話をしていないんだよ。ただ聞いてほしい人の方が、圧倒的に多い。
と、言われたことを思い出す。
私には、同意と承認以外求めない話は、会話ではなく、一方的なおしゃべりだ。
また、昔、学校の先生をしている友人が、学校の先生としては問題発言だと言いたくなるようなことをSNSに書いていたので
ー学校の先生が、そんなことを言うのは、ちょっと悲しいかな、
と、いうようなことコメントしたら、DMで
「私のSNSで私への反論を書かないで!」
で、始まるメッセージがやってきたので、その友だちのSNSを見るのをやめたことを思い出す。
自分たちの言動は、いつも波紋となり、何かや誰かに影響する可能性を持っている。
批判を恐れずすることや言うことも大切だけれど、何をするにも、何を言うにも、見てる人がいて、聞いている人がいること
それを忘れてはいけないと思う。
生徒たちの発言にいろんな返事をして、なんとか、相手の存在を認識して対処できる子どもたちになってほしい、と悪戦苦闘しているけれど、前途多難だ。
現代っ子たちの「ガラスのプライド」のもろさと危うさを思い知るだけで終わることもある。
先日書いた、「褒めて育てる」より「きちんと叱って育てる」方が健全なのと同じように、彼らの意見や主張は、意見や主張として受け止める、同時に、たとえそれとは反対の意見でも自分たちの意見や主張もしっかりと伝えることが大切だと思っている。