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[社説]若手が研究に専念できる時間を増やせ 題目には賛成だけど

前半と後半が不一致。 研究時間を増やすべき→大賛成。これが一番効果が大きい。 若手の活躍を妨げている問題の解消が大事→「活躍」が何を指すか、によるのよね。若手の安定雇用が重要、なら大大大賛成。 百パーセント同意。 んでそれを解消するための日経新聞の改善策がこちら。 どうしてこういう結論になるのかわからない。 研究時間の確保に有効な手段は ・雑用を減らすこと ・人を増やすこと ・一人あたりの実働時間を増やすこと これらだと思われる。後述するが、講座制を辞めれば雑用が増え、

    • 落合陽一批判

      僕は落合陽一より年寄りなので、単純にすごい人だと思っていた。 何の本か忘れたが本を一冊買って読んだ。 歴史の理解がボロボロで、認識も薄っぺらかった。 それ自体は落合陽一のクリエイティブな才能とは関係ない。自分だって歴史には疎くて偉そうなことなんていえない。だから落合陽一の仕事はやっぱり素晴らしいのかもしれない。 でもさ、今の社会はこういう問題があるんだ、こうなんなきゃいけないんだ、だって昔から日本はこういうクニなんだから・・・という文脈で語られる昔の日本が間違ってるとさ

      • 罪と罰には尤度を考慮すべき

        例えば殺人罪の刑期は、n人を殺した場合 (5年)×n^r×情状酌量係数×尤度 のような形をしているべきだと思う。 rは逓減指数。r=1なら罪に罰が比例する。例えば1人で5年、2人で10年、3人で15年という感じ。r<1なら人数が増えるほど罰の増加量が減っていく。例えばr=0.7なら1人で5年、2人で10年、3人で13年、4人で15年。 r>1という考え方もあるだろう。r=2なら1人で5年、2人で20年、3人で45年で実質終身刑。 それと、罪には情状酌量係数と尤度を考慮

        • 働き方改革だぞ アウトプット下げる改革じゃないぞ

          アウトプット = 仕事の質 × 仕事量  だから、働き方改革には4種類しかありえない 1 仕事の質を下げる そしたらめちゃくちゃ働くしかないって 人手不足って何? レベルの低い人材取って働き方改革なんてありえないって 2 仕事量を減らす そのためには同じ仕事を何割か短い時間で仕上げないといけない  ITわからないとか言ってるやつには働き方改革きついって あと人に聞くな 自分で判断しろ それができないなら働き方改革あきらめろ 3 すべてそのままに仕事をする時間帯を工夫する

          神田財務官[一緒にやらないか]に反論

          こちらは力のある文章だが、いかにも官僚的でもあり、よく読めば矛盾に満ちている。 大言を吐いたなら、その言葉に責任を持つべきです。世界を、日本を担ってきた。そして日本は衰退している。そしたらこれは財務省のせいということになります。 そもそも財務省は世界を担っているのでしょうか? 財務省は、社会の一部を担っています。他の仕事と同様に。 それが主に日本に限られるのが財務省です。 日本が世界の中心であった1980年代ならいざ知らず、現代では、財務省よりGoogleに入社した方が、

          神田財務官[一緒にやらないか]に反論

          就活:あなたは新規事業の立ち上げをやりたいですか?

          理系の研究志望の学生は多い。学生によっては会社で研究をしたい、と漠然と考えていたりする。 こう聞くと、大抵の学生はやりたいと言う。しかし、本当にそうだろうか。 同じ質問だが、例えばこう聞かれたらどうだろう。 こう聞かれれば、はい、と答える人は減るのでは無いだろうか。ここまで極端ではないにせよ、会社によっては部署ごとに待遇が異なることはよくある。別の言い方をすると、新事業が会社の役に立っていなくて、営業が頑張っているおかげで儲かっている会社もたくさんある(そういう会社の方が

          就活:あなたは新規事業の立ち上げをやりたいですか?

          ホテル代が高騰して払えない問題の解決法は3つしか無い(下書き)

          最近海外のホテル代が高騰していて、大学の出張旅費の規程では赤字になるという問題がある そもそも大学教員の出張は費用対効果が見えにくい 現実には一流論文が通る通らないは世界の潮流できまる 世界的にはこの出張と学会と交流が大きな影響を果たすので、世界の一流笑を目指すなら避けては通れない 日本はむしろ海外の学会で存在感を失っている 出張代はけっこうザックリしている 日当とかもでるので黒字になることも理論上あり得る(実際の話は語弊がある) もともとは黒字が出るのもおかしいと言え

          ホテル代が高騰して払えない問題の解決法は3つしか無い(下書き)

          飲み屋で必ずポテトフライを頼むわけ

          高級店のそばや値札のない寿司屋より、立ち食いソバや回転ずしの方が好きだ。味覚が貧しいのかもしれないが、B級グルメが好きというのとは少し違う。 例えば1万円で10カンだけ出てくるお寿司だと、正直なところ心ゆくまで味わえない。例えば中トロを食べる。とてもおいしい。でもおかわりできない。おかわりしても良いのかもしれないけど店の雰囲気的にどうなのよ、とか、お財布が、とか、色んな事が気になってしまう。そこへ行くと回転寿司で、何なら本マグロでは無いマグロの赤身でも、食べたくなったら2皿

          飲み屋で必ずポテトフライを頼むわけ

          細かいことを無視して成り立ちを理解する有機化合物命名法

          大学で有機化学を学ぶときには、最初に有機化合物の命名法を習う。 これが有機化学への興味を無くすポイントになっているように思う。 なんたって命名法は非常に細かく、ややこしい。科学者にとって見ても命名法は歴史の年号の丸暗記のような感覚を覚えるので、命名法が楽しいと思っている化学者に会ったことがない。テストには出しやすい(採点しやすい)。 厄介なのは、有機化合物の名前がわからないと反応とか色とか面白い話をすることができないので最初にこれを習う。いわば有機化学の授業の体系は、歴史に

          細かいことを無視して成り立ちを理解する有機化合物命名法

          子育て支援に若者が本当に必要なもの~顧客の要求と顧客が本当に必要だったもの~

          これみてホントそうだと思いました。 それで当てはめてみました。 若い人が説明した要望:お金がないので子供が産めない 自民党の理解:出産にお金がかかる 政治家・官僚のデザイン:マイナンバーで一括管理 官僚の政策コード:所得制限をしてお金が無い人に配る 岸田の約束:子供予算を倍増する!

          子育て支援に若者が本当に必要なもの~顧客の要求と顧客が本当に必要だったもの~

          点火! (2)

          John Drury Clark のIgnitionのDeepL和訳。https://library.sciencemadness.org/library/books/ignition.pdf 第2章 Peenemunde and JPL ペーネミュンデとJPL フォン・ブラウンは、1932年11月に博士論文(ロケット燃焼プロセス)の執筆を開始した。彼の実験的研究はすべてベルリン近郊のクマーズドルフ・ウェストという砲撃場で行われ、帝国軍はその費用を負担し、彼の周りにロケッ

          点火! (2)

          点火! (1)

          John Drury Clark のIgnitionのDeepL和訳。 https://library.sciencemadness.org/library/books/ignition.pdf ジョン・D・クラークに寄せて アイザック・アシモフ 私がジョンに初めて会ったのは、1942年に私がフィラデルフィアに住むようになった時だった。それ以前から彼のことは知っていた。1937年に彼が発表した「マイナスの惑星」と「宇宙のまぶしさ」という2本の短編SFが、私の眉間にピタリとは

          点火! (1)

          査読制度の深い病理

           福井大の教授が自分の論文の査読者(ピアレビュー)に千葉大の教授を推薦し、自分で審査結果を書いて千葉大教授に送り、千葉大教授がそれをコピペして自分で審査したことにした、という不正があった。 この件について毎日新聞が詳しい論説記事を書いている。 毎日新聞は科学に関して非常に深い記事をしばしば書いており、この論説も非常に詳しく、正確で客観的な内容である。 毎日新聞の論調は、福井大・千葉大の教授らの不正はあり得ないし、言語道断であるというものである。私も基本的には僕も同意見だ。

          査読制度の深い病理

          サッカーでPKに代わる新ルール【キーパーが手を使った回数が少ない方が勝ち】の提案

          サッカーで、同点だけど勝ち負けを決めないといけないとき、PKではモヤッします。しかしPKに代わる決着方法は長らく課題です。 そこで今回新たな提案をさせていただきます。ズバリ キーパーが手で触った回数が少ない方が勝ち というものです。 このルールの良いところは以下のとおりです。 ・得点が第一。今までのルールは基本変わらない。 基本的なサッカーのルールは何も変わらず、点をたくさん取った方が勝ちです。このルールはあくまで引き分けの時のためにあります。単にPKや延長戦の代わり

          サッカーでPKに代わる新ルール【キーパーが手を使った回数が少ない方が勝ち】の提案

          上司の「聞いてないよ」は無能の証

          「それ聞いてないよ」という上司のクレームほど明らかな無能の証はありません。 (1)上司が情報を得る仕事ができていない そもそも大事な仕事なら上司が自分でやればいいのですが、大事な仕事を部下がやっているなら、上司の仕事とは必要な情報を必要なときに吸い上げ、それを適切に共有することです。部下しか情報を持っていないというのは、上司がいなくても仕事が成立していて、上司がすべき仕事をしていないことを意味しています。 確かに上司だけが知っている重要情報もあり、それを知らずに部下が勝手に

          上司の「聞いてないよ」は無能の証

          成果主義は経営者の逃げ

          まず最初にはっきり理解して欲しいんだけど、今や中途半端な成果主義はあらゆる職場に入り込んでいる。先生や公務員ですら多少は成果主義的評価を受けて給料が隣の人と少し違う。 僕は今はびこっている成果主義はダメな成果主義だと思っている。そして私はこのダメな成果主義こそがこの20年間給料が全く上がらない、そしてみんなが仕事に情熱を注げなくなった日本の最大の原因だと思っている。 成果主義がもりあがってるから、昔書いた「選択と集中」に関する記事を焼き直してみた。 成果主義はうまくいって

          成果主義は経営者の逃げ