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【反応しない練習】草薙龍瞬 感想書きます。初めてブッダの教えの中身を知る。

色々なところでおススメされているこの本。ようやく読みました。
さすがにおススメされているだけあって大変すばらしかったです。
もっと早く買えばよかった。

感銘を受けた表現は沢山ありますが、全部書くとこの本そのものになってしまうので、個人的に師玉の部分のみを。

1 苦しみとは

苦しさを取り除くことが目的として、まずは「苦しみとは何か?」をきちんと定義するところがこの本の読みやすさの重要な柱。
イシューを定義する、という考え方ですね。
そこから、苦しみを取り除いた理想の状態を定義して、いわゆるギャップ解析をすることで解法を見出します。
全体的な構成だけでなく、細部の構成もロジカルに出来ているから分かりやすく読みやすい。
書いている内容はもちろん、説明が上手いんですよね。
例えばこの文。

では、これらの苦しみが止むとは、どういう状態なのだろうか。それは、苦しい現実そのものではなく、苦しみの原因である”執着”が完全に止んだ状態なのだ

反応しない練習 ~さらさらと流れる小川の様な心~

つまり、苦しみ=執着している状態。理想=執着が止んだ状態。
変えられない現実を変えることは理想としない。
自分自身の心が変化することを理想とする点がブッダなんですね。
読むとなるほど!と思うんですが、これを「常に思う状態」にするためには「練習」が必要なんですね。タイトルも良く出来てます。

2 苦しみ(執着してしまう)理由

読者の共感を離さないために、その苦しみが生じる要因解析も非常に分かりやすく、かつ「そうだなぁ」と思ってしまう表現の連続。
本当にそうだよな、と心の底から思えます。

しかし、「どう考えても」というその「考え」は、自分のアタマで考えたことである以上、「どう考えても」自分の考えしか出てきません。
~中略~
しかし、だからといって、その考えが正しいということにはなりません。だって、考えている前提-立場も体験も脳も-が違うからです。

反応しない練習 ~「自分は正しい」という考えからはなれてみる~

本当にこれです。前提が違う、というのはよく出る話なんですが、その根本は「立場も体験も」違うから。としている点に激しく納得&共感(脳は置いといて)。

そして、さらに執着へと循環していく論理も描かれています。

その言い分を押し通して、自分の正しさを確認する-それが言い争うときの心理です。
~中略~
だから異なる意見をぶつけられると、自分自身が否定された気がして、怒りで反応してしまいます。

反応しない練習 ~「相手にゆだねる」が人間関係の基本~

完璧な論理でしょう。自分の正しさを示したいのに示せない。
これ以上に不快なことがあるでしょうか?
でも、途中で前提を変えることなど出来ないから(立場や経験で思い込んでいる唯一の前提だから)、押し続ける
→分からないヤツだ、嫌いだ、ムカつく・・

・・だったら、自分の正しさなど示そうとしなければ良いのでは?
どうせ前提を揃えることなど出来ないのだから(繰り返すが、立場や経験前提の前提はそんな簡単に変えられない。人によってはそれが数十年の人生そのものの価値観=前提だったりするから。)。

ここに至れるかどうか、が勝負ですね。
この後に、どうやってギャップを埋めるか?のHowの部分が描かれますが、そもそも目標をここに置けるかどうか、が重要だと感じています。

ある意味、他人の人生を認めることなんですよね。
みんな自分の大切な人生を生きている。
その貴重な体験で培った前提(価値観)を完全に共有することなど出来るはずもない。という諦めにも似た認める感情。
これを諦めと思うか、認めると思うか。これまた、重要な感じ方ですね。私は「認める」と思って生きていきたい。

人はみんな孤独です。でも、別の人の孤独を想うことができたら、そのとき孤独でなくなります。

反応しない練習 ~一歩、一歩と外を歩く~

3 具体的な方法「反応しない練習」

それぞれの琴線に触れる点は異なるので、敢えて引用はしません。
私なりの指針は、

  • あの人が・・「だから」→ あの人は・・「だけど」、自分はこうしよう!と考える

  • 感情は自分の問題。相手に投げることはやめよう。不快だったけど、これは自分の感情だと割り切る。

  • 「どう考えても・・」と思ったときは「自分の前提で」と接頭語をつけよう。

  • 今、事実として何が起こったのか、頭の中で文章にしよう。
    「今、彼がぶつかった」「今、物を落とした」・・・だから、と考えるのはその後。

感想

私は昔ほどではないにせよ、学生の頃から怒りっぽい方だったと思います。
最近では多少ましになったものの、ブッダの考え方はズバズバ、ビシビシと刺さり、心の棘を取っていきました。

この手の内容は、読むときの自分の感情によっても刺さり方が違うと思います。
私は朝の読書だったことも良い方向に働いた。
大変楽しい読書でした。ありがとうございました。

おススメです。

Have a good day!



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