『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(映画)
視聴環境:アップルTV+
※ネタバレします。
【内容】
1920年代オクラホマ州オーセージの石油鉱業権を持ち、多額の収益を得ていた先住民のオーセージ族が次々と謎の死を遂げていく。
監督:マーティン・スコセッシ
主演:レオナルド・デカプリオ
【感想】
主人公役のレオナルド・デカプリオは、胡散臭く良い感じに倦み疲れた中年男性の佇まいを醸し出していました。猫背で額と眉間にシワを寄せた顰めっ面が板が、この風貌や佇まいだけで、気の良いところはあるけれど、気が小さく、考えの至らない男のキャラクター性が滲み出ていました。
愛する先住民の妻に毒入りのインシュリン注射を打ち、それに耐えきれずに自らその毒を飲んでしまうシーンとか…
普通に考えると意味未明な行動なのに、苦虫を噛み潰したようなデカプリオ演じる小心で考えの足りない男なら、こうした行動を取るのかも知れないなあと思えてきました。
また、ロバート・デニーロ演じる世話人的なポジションの老人は、物凄く面倒見が良くて人が好さそうながら、実は自分の利益のためなら殺人も厭わない冷酷な男…そんな複雑な役をサラッと演じているのも良かったです。
デニーロの横で、友人だと思っている先住民の男の酔い潰れているのですが、デカプリオにちょっした世間話でもするように彼を殺害する話をするとか…
デニーロが温厚そうに語りながら、いつの間にかデカプリオに滅茶苦茶な条件の話を飲ませるとか…
その他、デカプリオを奥さん役を始め、様々な役者の顔や佇まいがとても良かったのが、印象に残りました。
良い俳優は特に何だかの演技をしていなくても、映っているだけ自ずと語りかけてくるものがあるということがよくわかる映画でした。
スマホで鑑賞していのですが、あまりの酷い展開に何回かに分けて見終わりました。やはり、こうした映画は映画館で、大きな画面で、一気に観るべき作品だったなあと思ったりしました。
シナリオ、脚本、演出とどれも凄くレベルの高い作品でした。あと、3時間越えの長い映画ながら、テンポ良くストーリーが展開していくので、中弛み感のない映画だと感じました。
※画像は生成AIを使って、それっぽい画像を作ってみたものです。
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