![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/128653855/rectangle_large_type_2_9bba5b77d4d566ce0ffec55d6e23b329.png?width=1200)
やっぱり大は小を兼ねる
2024年もあくせく執筆作業を開始。30記事を超えてついに『執筆』なんてカッコつけ始めた私ですが、今年も何卒お手柔らかにお願いします。
年末にもお伝えしたとおり、The Tokyo Toiletのサイン設計ないしUXに関する考察記事は一旦終えたのだが…何を書こうか。何を書こうか。結構悩んだ結果、「せっかくここまでサイン設計とやらを考察をしてきたのだから、じゃあ次はプロがどういうサイン設計を良いとするのかを見てやろう」ということに(偉そう) 調べてみるとどうやら、日本サインデザイン賞というものがこの世にはあるらしい。今年度はまず、その中からいくつかをピックアップし執筆していく。
第1回目は、豊島区役所・店舗・住宅が入る施設『としまエコミューゼタウン』についてお話ししていく。私の池袋はギャングワイルドなイメージなのだが、区役所は結構かわいい名前だった。
![](https://assets.st-note.com/img/1705510267103-STJP3ZJYPr.jpg?width=1200)
『としまエコミューゼタウン』の見どころは、なんといってもあの隈研吾さんが外観(一部内観)デザイン監修を行なっていること。通りでこんなにオシャレ。私が住んでる地域の区役所とはほんと比べ物にならない。区役所が綺麗っていう事象だけで私は私のQOLを100上げられる自信がある!
こんなにオシャレなのだから区役所や店舗を入れるだけでは勿体無いということで(?)、エコミューゼタウンの上層階は集合住宅になっているらしい。自宅の下が区役所なんて…住み良い…がしかし、『役所』『店舗』『住宅』の3要素にの集まるこの建物では、情報の乱立が起こって迷いやすくなっていないか、そうでないとしたらどう解消しているのかが気になる。
さぁどこから探っていこういか。
![](https://assets.st-note.com/img/1705510837675-mu75IdUOJd.jpg?width=1200)
エコミューゼタウンのサイン設計で特に気になったのは、とにもかくにもサインが多いし、とにもかくにもサインが大きいこと。館内はもちろん、駐車場のあちこちにも大きなサインがたくさんある。天井にもサイン(BIG)。壁にもサイン(BIG)。床にもサイン(BIG)。私に迷うことを許してくれない。このしつこいくらいに大きなサイン、なぜか嫌に感じないのがなんとも不思議。
![](https://assets.st-note.com/img/1707142995692-QdWFvz6FRk.jpg?width=1200)
「どうして大きいサインがこんなにあるのに目ざとくないのか」と考えたとき、まず最初に気がついたのは、館内の掲示物がかなり整頓されていること。そのおかげでサインの他にノイズとなる要素が少ない。だから大きいサインを置けるのか!と思いつつ「掲示物が少ないということがかなり環境的要因であり、なかなかサイン設計者側では調整しにくい。館内ではなく、我が我がとブランド看板をぶつけ合うような街中ではきっと同じサイン設計は通用しないのだろう」と心の中で私は嘆いていた。
![](https://assets.st-note.com/img/1705511237131-BCs6LkYB9H.jpg?width=1200)
つぎに気がついたのは、サイン自体がカラフルでないこと。トイレなどのサインは既視感のあるカラーリングがされていたが、それ以外はモノトーンで統一されているみたい。サインもサインのノイズにならないようになっているのか、なんとも気が利くやつらだ。
さらに、サインも全部が全部大きいわけではなくて、利用頻度や重要度などの様々な優先順位に則って大きさを変化させていた。例えば、道なりではなくベクトルが大きく変わるような場所のサインは大きい。「迷ったときは大きなサインがある」し「普通に歩いているときは気にならない」ようなUX設計がされてる。そんなここんなで、エコミューゼタウンの大きいサインは目ざとくないのだった。
![](https://assets.st-note.com/img/1705511634640-Od6IUBwAgB.jpg?width=1200)
そういえば、サインパネルの素材が用途ごとに、区役所(木目)・店舗(ガラス)・共用部(ステンレス)・集合住宅(ブラックステンレス)と場合分けされているのもかなり見やすかった。若干の乱立は拭いきれていないが、案外効いている。集合住宅はあまり目立たせる必要性がないからブラックステンレスなのだろうか。エントランスをわざと分かりにくくしていたり(関連サインもなかなか見当たらなかった)と、住人への各所への配慮も垣間見えたエコミューゼタウンのサイン設計。掲示物が少ないのはそもそも住民への配慮でもあったのかもしれない。区役所は本当にいろんな人がくる場所なので、サイン設計の段階で適度にフィルタリングされているのはきっとありがたい。どこまで住み良いんだエコミューゼタウン。
![](https://assets.st-note.com/img/1706073473612-IktvL2s5oz.jpg?width=1200)
小学生の頃、自分の字をおしゃれに見せたくて大きなマス目に直径2mmほどしかない文字を書いていたことを思い出した。先生に怒られながらもこれがおしゃれだという確固たる自信を持って書いていたあの頃の自分。ちょっと恥ずかしい。今ならあのおじいちゃん先生の気持ちがわかる…かもしれない。
追録 おやつは世界を救う。
It's a Sweet World. 甘いものがなきゃやってられない。今回のお供は『mini チョコチップ&ムーンライト』。いつでも・どこでも♪
![](https://assets.st-note.com/img/1705542922673-JqOj015giD.jpg)