質問040:クロスとストレートをどうやって打ち分ければいい?
回答
▶「方法論」は分からない
すみません。
正直なところ私には、「コントロールの仕方」という方法論は分かりません。
だけど、それでいいと思っています。
コントロールの仕方なんて、ない。
「ただコントロールするだけ」です。
そういってしまうのは痴れ言に聞こえるかもしれません。
ですが、痴れ言なれど、真実。
潜在意識の働きを活性化する最大のポイントは、「分からない」というのが、最大のポイントなのですから。
とはいえコントロールするための方法論はないとしても、具体的な対策はありますので、後述します。
▶フォーム解説は「間違えないから騙される」
たとえば一般的なレッスン書の技術解説などでは、次のようなアドバイスが説明として書かれていると思われます。
「クロスに打つ時は上半身を左へ45度回す(本誌では右利きのプレーヤーを想定しています)」
「ストレートに打つ時には左足をサイドラインに沿って踏み込む」など。
あるいは「クロスに打つ時は打点を前にする」
「ストレートに打つ時は打点を引きつける」とか。
なるほど、確かにプロが放つパッシングショットのある瞬間を見てみると、テニス雑誌の技術解説で言われているようなフォームに見える例もあります(※注1)。
だけどそれは、プロが放ったクロスパスの連続写真のうち1コマだけを切り取り、静止画で見てみたら「成り行き上そうなっていた画像もあった」というまでの話です。
静止画ですから、手首を固めている(ように見える)のは当然です。
フォームを解説する技術的アドバイスはすべて例外なく「後づけ」であり、見た目として「ああなっている」「こうなっている」などと説明しているだけですから、間違えありません。
ですが、間違えないから、騙されるのです。
「騙される」はもちろん、「プロがそうなっているから、皆さんも“意識”してそうしましょう」というキャプション部分です。
▶現実とイメージを一致させる
コントロールは感覚です。
交差点で自動車をカーブさせる時は、ただカーブさせるだけです。
ハンドルを「45度切る」などという方法論を考えてカーブさせません。
ですが不慣れなうちは、見た目の印象からそのような方法論を頭で考えてしまうがために、ハンドルを切りすぎてしまって(あるいは切り戻し遅れて)路肩に乗り上げたりするエラーが生じます。
そういう方法論を頭で考えながら運転するのではなく、「このくらいハンドルを切ればこのくらい曲がる」というような操作に「感覚的に」慣れ親しむ習熟が、安全に交差点を曲がれるようにコントロールするためのプロセスです。
そのためには、ハンドルを切る感覚的なイメージと、それにより自動車がどれくらいカーブしたかの実際をよく見て、脳と身体感覚にフィードバックしてイメージと現実を一致させるというのがポイントになるわけですけれども、いつまでも「45度」にこだわったりしていると(=頭の中で考えてしまうと)、なかなか「感覚」は身につかない、というのが怖いのです。
▶コースを打ち分ける「技術自体は簡単」
では具体的な対策につきまして。
こちらで述べているとおり、コースを打ち分けるのは、技術的には「とても簡単」です。
たとえば、2人対1人で打ち合う練習で自分が1人のストローク側に入ったとき、相手の2人へ交互に打ち分けるコントロールは、技術的に難しくないですよね。
言ってみれば、クロスとストレートへ、コントロールしているのとシチュエーションは同じです。
ポジションによってはセンターと逆クロスの打ち分けにもなっています。
▶驚異の「宣言練習!」
ところがゲームではこのコースの打ち分けができなくて、2人対1人のストローク練習ではこれができるのは、狙いが早い段階で定まっているから。
そこでお試しいただきたいのがこちらでご紹介している「驚異の宣言練習!」です。
自動車の運転と同じでテニスも方法論を考えながらプレーするのではなく、感覚的にコントロールできるようになります。
※注1
かつて私が「淘汰される」と予め言ったように、相変わらず「フォーム解説」をしているから日本に5誌あったテニス専門誌も、4誌が「休刊という名の廃刊」になりました。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero