テニス上達メモ075.注意点が増えるほど、ミスする原因も増える
▶そこまで無能ではない!
飛んできたボールを、網の張ってある、面が100平方インチ前後ある大きなテニスラケットでただ打ち返すだけなのに、何ゆえに足の着き方から、手首の角度、ヒジの伸ばし具合、曲げ具合、非利き手の向きに至るまで、注意する必要があるでしょうか?
サーブで言えば「トスするボールの持ち方」についてまで言及する行き過ぎたお節介に、「そこまで無能ではない!」と、声を上げたくなりませんか?
こういったアドバイスのいくつかは、確かに効き目があります。
しかし、悪い方向に。
テニスをNGにする効果としては、抜群 。
▶だからテニスが複雑になる
体の動かし方について意識する注意点が増えれば増えるほど、ボールへの集中を欠く原因が多くなるというプレーの複雑化に、一刻も早く気づかなければなりません。
「こんなに改善のためのアドバイスをもらえてありがたい!」などと、喜んでいる場合ではないのです。
アドバイスがひとつ増えるとともに、ミスする原因がまた、ひとつ追加されるという皮肉。
プレー中に気にする注意点など、10個よりも、5個、5個よりも1個、いやできれば0個のほうが、よい。
それが集中。
それが無心。
つまり、「何も考えない」、すなわち「ただボールに心を奪われる」というのが、最適です。
▶同じやり方を繰り返して、違う結果を期待する徒労
仮に今までのやり方で長らく上手くいっていないというのであれば、これからテニスの上達を志すにあたっては、まったく違った別のアプローチの仕方が必要なはずです。
かの「20世紀最高の物理学者」とも評されるアルベルト・アインシュタインは、「同じことを繰り返しながら違う結果を期待する人」のことを、奇人だと定義したそうです。
それはそうです。
同じ失敗を同じやり方で何度も何度も繰り返し、違う結果を期待する徒労といったら、キリがありません。
▶アレルギーはこうして蔓延する
トスするボールの持ち方!?
そんなのいちいち考えませんよ。
無意識です。
意識するから、トスイップスを発病します。
最近は変わり始めているのかもしれないけれど、英語教育もそうですよね。
前置詞とか関係代名詞とか所有代名詞とか、小学校をまだ出たての子どもに聞き慣れない言葉を使って文法(フォーム)を教えようとする。
私には、今でもそれらの意味がサッパリ分かりませんけれども(笑)。
でもネイティブでさえそんな代名詞、知りませんよ。
「群前置詞って何?」っ話です。
それが証拠に日本語のネイティブである私たち日本人が、四文型などの文法について、いちいち考えない、というか多くの人は知りませんよね。
それらを中学から大学まで、3、3、4年の10年かけて学んで、日常会話の一言すら、外国人とやり取りできるようになった日本人は、どれだけいるでしょうか?
むしろできるようになるどころか、英語アレルギーを量産し続けているのが、日本の英語教育ではないでしょうか。
参考記事
▶錦織圭に尋ねてみよう!
テニスも同じです。
コンチネンタルとかプロネーションとかサーキュラーとかインサイドなんちゃらとかのフォームを教えて、テニスアレルギーを量産しているのが、日本のテニス指導ではないでしょうか?
そんなの、テニスネイティブは知りません。
それが証拠に子どものころからプレーしてきたプロテニスプレーヤーは、大人になってからも多くの人が、自分の握っている「グリップ名」さえ知らないというのが実態です(現役引退後、指導者になるにあたって、勉強する人はいる)。
そんなの、テニススクールでは入会した初日に習う基本です。
「ラケット面に手のひらをあてがい、そのままグリップのところまで下ろしてきて、ラケットと握手するように握るのがイースタングリップです」などと……。
だから、これから始まる長いテニス人生の初日から、つまずくのですけれどもね。
そんなこと、10年以上に渡りテニスをプレーしてきたプロは、知らないのです。
機会があったら錦織圭に、「あなたのグリップは何?」と、試しに尋ねてみてください。
「バックは、右手はバックハンドイースタンで、左手はセミウエスタンです」などという論理的な答えには(絶対という言葉はあまり使いたくありませんけれどもここは敢えて)、絶対に、ならないのです!
「よく分からない」「握りやすいように握っている」などと、感覚的な答えになるはずです。
▶フォームを意識しないから、ボールに集中できる
常識的なテニス指導では「意識しろ」「意識しないとできるようにならない」「意識が低いんだ」などと、叱責すらされてしまいます。
でも、本当でしょうか?
プロテニスプレーヤーは、さまざまなテクニカルタームについて熟知していて、それらを巧みに、状況に応じて、意識的に使い分けているから、テニスが上手にプレーできるのでしょうか?
全然違います。
ネイティブは、意識していないのです。
あれこれフォームについて意識「しない」から、ボールに集中できるため、テニスがプロ級の腕前になったのです。
むしろ意識するのは、アレルギー体質を育む温床である。
繰り返します。
飛んできたボールを、網の張ってある、面が100平方インチ前後ある大きなテニスラケットでただ打ち返すだけの競技ですよ。
なのに……
「コーチの言っているとおりにやっているのに、上手くできない」
「どうして広い相手コートに入らないのか?」
「むしろ始めたばかりのころのほうがマシなくらいだ……」
こんなふうに感じるならば、すでにアレルゲンが入ってしまっていそうですよ。
アインシュタインも忠告しています。
くれぐれも、同じ失敗を同じやり方で何度も何度も繰り返し、違う結果を期待するなど、してしまわれませんように。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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