質問044:練習仲間に、性格的に苦手な人がいて、その人と試合すると、いつも負けてしまう
回答
▶人間関係は「心理戦」
それは相手の術中にハマっていらっしゃる。
相手の思うツボです。
なぜなら相手は意識的にせよ無意識的にせよ、いずれにしても「悔しい?」「これであなたに3連勝しちゃったね♪」などと言って苦手意識を持たせるように、働きかけているからです。
テニスに限った話ではありません。
乾いた言い方をすれば人間関係は、心理戦の側面もあります(体力戦が許されるのはスポーツだけで、手を出すと刑事事件で捕まります)。
幸せに生きる戦略のための合理的な戦術を選択したいものです(参考記事:「あなたのせいでこんなに迷惑を被っている!」)。
▶なぜ「その一言」は発せられるのか?
なぜその人は、その一言を発したのか?
なぜその人は、そのつぶやきをツイートしたのか?
いいか悪いかは別として、相手に影響を及ぼしたいからです。
「暑いですねー」の何気ない一言。
暑い情報に共感してほしいのか、暑く感じている不快感を分からせたいのか、社交辞令として挨拶できるきちんとした自分を認めてほしいのか、その理由は人それぞれですけれども、その一言は相手に何かしらの影響を及ぼしたいから発せられています。
▶「術中にハマる」とき
「悔しい?」「これであなたに3連勝しちゃったね♪」
確かに、嫌味ったらしく聞こえます。
だけど嫌味ったらしく聞こえた時点で、相手の術中にハマっています。
相手の思うツボなのです。
テニスでいえば、それも含めて「試合」になります。
こちらでもご紹介しましたが、本当かどうかは私のあずかり知らないところだから、いいか悪いかは別として、すれ違いざまにニック・キリオスがスタン・ワウリンカへ言い放ったという一言は、確かに衝撃的でした(キリオスの発言はマイクに拾われてペナルティを受けましたが)。
また対戦相手の動揺を誘うために「わざと」やっていたとささやかれるジョン・マッケンローの「派手な抗議・暴言」なども、広義の意味で「見た目」による威嚇・攻撃(口撃?)と言えるかもしれません。
当時交際していた女優のテータム・オニールをして、「(彼の苛立ちを示すパフォーマンスは)役者顔負けの演技よ」と言わしめました。
▶「とにかく嫌」は好転しやすい
では、どうすればいいでしょうか?
一般的な人間関係であれば関わらなくてもいいのでしょうけれども、テニスの対戦相手となると、今後も関わり続けます。
その相手についてよく知らないから「とにかく嫌」というふうに、イメージを膨らませていらっしゃいます。
そういう時は相手から目を逸らして、耳をふさぐようになりがちかもしれませんけれども、逆に徹底的に相手の言葉、表情、仕草などを観察し、隅から隅まで知るように努めます。
そうすると、知れば知るほど「でも、案外いいところもある」というふうになりやすいでしょう。
なぜなら今が「とにかく嫌」なので、あとは「良いところ」のほうが見つかる可能性が、相対的に高いからです。
町の長老をはじめ大人たちが、若い2人の相性を客観的に判断する「お見合い結婚」は加点方式になりやすいぶん、減点方式になりがちな恋愛結婚に比べて、安定した関係が長続きする優れた制度ではなかったかと顧みます。
▶嫌な相手を認めると「負けた気」がする?
「こんないいところもある!」
「あんないいところもあった!」
今は嫌いに思う相手のいいところを認める自分を許せないなら、それはプライドの高さに由来しています。
ですから「性格的に苦手」になって、ご自身がかえって苦しくなるのです。
徹底的に観察すると、相手に対する苦手意識が薄らぐぶん、術中にハマらずに済み、怒りが収まる反作用として集中力が高まって、ご自身のパフォーマンスも上がってくるでしょう。
あるいは嫌味なコメントを発する理由としてその相手は「なめられてはいけない」と怖れているからだとも気の毒な様子が見て取れるかもしれません(参考記事:馬鹿にされても馬鹿にしない)。
一見すると、相手のいいところを認めたりすると「負けた気」がするかもしれないけれど、それも専門用語で言う顛倒で、実利が上回るから結局、「勝利」。
これが「幸せな人生を生きる戦略のための合理的な戦術」といえます。
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