テニス上達メモ482.「早く・速く動きすぎる問題」発生中
▶それは「戦うテニス」ではなくお膳立てされた「お遊戯会」
改めまして「早く・速く動きすぎる問題」につきまして。
常識的なテニス指導では「早くテイクバックすることが大事」だと、よく教わると思います。
「早く引いておけば振り遅れない」
「早いに越したことはない」とばかりにです。
多くのテニス初心者は、何の疑いもなく「そのとおりだ」と信じ、実践しようとするかもしれません。
球出し練習では、あらかじめ引いた「形」を作っておくように指導する場合もあるそうです(参考記事:「テイクバックを早く!」でテニスがますます下手に)
これを私は、「戦うテニス」ではなく、お膳立てされた舞台で披露する「お遊戯会」と指摘しています。
実戦では、ボールがそちらサイドへ来るとは限らないのに、あらかじめ引いておく不合理。
それだけではありません。
▶「合理的な運動」にならない
早く引いた「形」だけ作っておいても、振り遅れる場合もあるし、あまつさえ打点にラケット面をセットしておいてそこへコーチが手出しのボールを送っても、タイミングが合わない場合もあるのです(参考記事:ラケットを止めておいたら、かすりもしない?)
またこちらでお伝えしているように、引き戻す運動としての合理的な「バネ」や「反動」といったアクションも使えません。
重量挙げ選手の垂直跳びが、なぜあれほどスーパーハイレベルなのかというと、もちろん「バネ」や「反動」を伴う「使える筋肉」の動きだから。
自分の体重を遥かに超える重たいバーベルを、しゃがんだ姿勢から一気に頭上へ持ち上げるには、すさまじい瞬発性とタイミングの正確性が必要です。
ですからジャンプ力を高めるためには、ウェイトリフティングをやるのが効果的ではないでしょうか。
▶早く引くから、遅くなる
それはさておき「早く動きすぎる問題」「早く引きすぎるテイクバック問題」。
何の疑いもなく「それが正しい」と信じているテニスプレーヤーやテニスコーチは少なくありません。
とはいえ人間の体というのは、ラケット(腕)を引いて待ち構える格好で、素早く動けるようにはできていません。
それが証拠にご自身も全力疾走する時には、ある程度脇を閉めて、両腕を前後に振るのではないでしょうか?
意識してそうする「フォームの話」ではなくて、自然に現れる「動きの話」です。
つまりテイクバックを早く引くプレーヤーは、打点に入るフットワークが鈍ります。
▶テニス初心者は「動かない」のではなくて「よく動く」
テイクバックに限った話ではありません。
テニスの初心者は「早く・速く動かない」のではなくて、「早く・速く動きすぎる」ほうが問題になりやすいのです。
たとえば「視線」。
ボールに向けているつもりでも、パートナーの後衛がロビングを上げたら、ボールより先に相手コート側を見ている「目飛ばし問題」はないでしょうか?
そうなると、視線は先に速く行けば行くほど、ボールが後から遅れて視界に飛び込んでくるから、時間のズレが大きくなるぶん同調が叶わなくなって遅れます。
テニスを上手くプレーするには、リアルタイムで飛び交うボールと、ぴったり同調して動くというのがコツです。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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