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ジャムの1年

趣味はジャム作り

自己紹介をする時、「趣味はジャム作り」ということにしている。趣味というほどではないけれど、他の人たちよりは作っていると思う。
祖母も母もジャムを作った。家で穫れすぎたり、もらいもので余りそうだったりした果物をおいしく保存するため、ジャムにする。私も自然とジャムを作るようになった。
夫はヨーグルトにジャムをかける。ジャムをきらしていると市販のジャムを買ってくる。まあ、市販のジャムでもいいけれど、買うくらいなら作るよ、ということで1年中ジャムを作っている。
今までの実績を記しておく。

いちごはジャムの王様

昔はいちごも自家製だったのだけど、今は買ってくる。買ってきてでも作る価値がある。いちごはジャムの王様だ。
いちごの季節になると、産直を朝のうちにチェックする。ジャム用のいちごはすぐに売り切れるからだ。小さめですっぱそうで、不揃いのいちごが大盛りで安く売られている。これを買ってきて作る。
いちごジャム作りの楽しいところは、煮ている間に一度は抜けた赤い色が再びいちごに戻っていくところだ。完成の頃になると真っ赤でつややかな果肉となる。いちごの甘い匂いもいい。これを消毒済みの瓶に詰めていくのも楽しい。
ふだんはヨーグルトを食べる時にジャムをのせる。ところが、いちごジャムが完成すると順番が逆になる。つまり、いちごジャムをおいしく食べるためにヨーグルトを食べるのだ。そこまで家族に愛されるジャムはない。やはりいちごはジャムの王様だ。

梅と杏はカナヅチが必要

梅も杏も、前は自宅で穫れたのだが今はない。梅はもらってくる。杏は夫が買ってくる。夫はあんずジャムが好物だ。
どちらも作るのは簡単だ。いちごのように一つ一つへたをとる必要もない。ただし、どちらもカナヅチが必要になる。実の真ん中の種をわって中の仁を出し、ジャムを煮る時に加えるためだ。「杏仁」というくらいで、梅も杏も仁の香りはすばらしい。これを一緒に煮るのだから、香りのよいジャムができる(はずだ)。まあ、どのくらい効き目があるかわからないけれど、梅と杏も香りがすばらしく、ジャムの王様だと思っている。
問題は砂糖を大量に使うことで、母には「砂糖の無駄遣い」と言われてしまった。しかし、ここで砂糖の量を減らして酸っぱいジャムを作っても美味しくないから仕方がない。
ヨーグルトやパンにつける以外にも、味噌とまぜてディップにしてもよいし、焼肉のたれを作るのにもよい。普段なら酢と砂糖を使う料理に使えばいいのである。大量に作るけれど、なんだかんだと終わっていく。

ジューンベリーとマルベリーはあわせ技

どちらも自宅で収穫できる。特に、マルベリー(桑の実)は祖母も母もジャムにしていた思い出の味だ。ただ、いろいろ問題がある。
まず、ジューンベリーは木に実っている姿もかわいらしく、収穫した赤紫の実も美しい。しかし、ジャムにすると色はきれいでも、香りがなく、あまりおいしいものでもない。第一、種が中途半端に大きくて気になる。
マルベリーのジャムは、珍しさもあって好評ではある。でも、味が個性的だ。まずいわけではないけれど、すごくおいしい!という味でもない。蚕の味、というか、桑の味というか。私は懐かしいからいいけれど、懐かしさを感じない人にとっては、珍しいから食べるだけというものになってしまう。

この問題を解決したのがNHKで放送していたベニシアさんの番組だ。ベニシアさんはマルベリーを他の果物とミックスしてジャムにしていた。私が見ていた時は桃とミントと一緒にジャムにしていた。これだ!とひらめいた私は、ジューンベリーとマルベリーを一緒にジャムにすることにした。(いや、桃もミントも使っていないのだけど。ミックスにするというアイデアをいただいたのだ)。ミキサーでドロドロにしてから濾し、砂糖とクエン酸を加えて煮る。
これがよかった。色は深い深い赤紫である。マルベリーの味がアクセントになっていて美味しいジャムになった。

すぐりもラズベリーもジャムにした

実家は何でも生えているなあと書きながら感心する。
すぐりのジャムをまた作りたいけれど、ちょうどすぐりの時期は忙しくてですね……(言い訳)。収穫に時間がかかるということもあって、最近は作っていない。
ラズベリーのジャムは色が本当に鮮やか。でも、味も本当に鮮やかに酸っぱい。ちょっと酸っぱすぎて作っていない。

ジャムにしないルバーブ

ルバーブは数年前から栽培するようになった。ルバーブのすっぱさが好きだ。しかし、ジャムにはせず、甘く煮るだけである。ジャムにしてもひたすらどろどろになるだけで、見た目がイマイチ、そのためもあってヨーグルトにかけて食べる家族がいないからだ。
収穫してきたルバーブの茎を適当に切って適当に砂糖をかけて煮る。すぐにルバーブは溶けてしまう。ジャムになる前に瓶につめ、お茶請けとして食べる。もしくは料理に使う。冬は熱々にしてシナモンをふって食べてもおいしい。

野菜もジャムにした

トマトとナスはジャムにしたことがある。トマトはさわやかな赤いジャム。味もよい。ナスは薄紫のジャム。ナスとは思えない、穏やかな味のジャムだ。しかし、最近は作らない。
やはり、トマトやナスは野菜として食べたい。保存するのなら、普通に調理して冷凍保存でいいかな。

ブルーベリーは生がおいしい

ブルーベリーは買ってくることが多い。もらうこともある。庭にもブルーベリーの樹があるけれど、ジャムにするほどは実らない。
収穫が大変なのであって、ジャムにするのには手間のかからない果物だけど、最近のブルーベリーは生でも十分に甘く、大粒なので、ついついそのまま食べてしまってジャムに到達しない。

いちじくもジャムにした

家にいちじくの樹があるので大量に収穫できるが、しみじみと思う。「いちじくはジャムに合わない」と。保存しておきたいのなら、ワインを入れたコンポートの方がよい。いちじくはつぶしてしまうとおいしさが半減してしまう。

ぶどうのジャムは贅沢だと思う

ぶどうジャムは買ってこないと作れない。ジャム用の安いぶどうを買ってきて作る。色合いといい、香りといい、味といい、すばらしいと思うけれど、あまり作らない。なんとなく、ぶどうは高級品、ジャムにするのはもったいない、と思ってしまう。安いぶどうを買ってきても、結局そのまま食べてしまう。ましてや巨峰とか、シャインマスカットとか、絶対ジャムにはできない。ということで、本当にわずかしか作らない。

キウイフルーツもジャムにした

キウイもジャムにした。おいしいけれど、キウイのきれいな色が消えてしまうのが残念。ジャムにして食べるほどでもないと思う。

りんごジャム?は万能選手

りんごはもらう。贈答用には向かない、大きさがまちまちのものだ。これを生でもせっせと食べながら、せっせとコンポートにする。ジャムにはしない。いくつも作って瓶詰めにしておく。りんごは生で食べてもおいしいけれど、こうやって煮ると半透明になる見た目もきれい。香りもよい。味もいい。そして何よりいろいろな場面で使える。
そのままお茶請けに食べる。あたためてシナモンをふって食べる。ジャムがわりにヨーグルトやパンにのせる。餃子の皮で包んで揚げる。ホットケーキミックスに入れて焼く。つぶして他の調味料とあわせ、焼肉のタレにする。梅ジャムも同様に使えるけれど、梅ジャムよりまろやかなので、様々な料理に姿を変えられる。春先まで楽しんでいる。

マーマレードは憧れだけど……

きっと温かい地方ならば、庭に何か柑橘系の果物の樹があってマーマレードも作るのだろう。しかしここは寒いところで柑橘系の果物は育たない。産直にも売っていない。
それでも生協で買って作ったことはある。手間はかかったけれど、家中にたちこめる柑橘類の匂いも、透き通った黄色いジャムの美しさも、ほろにがいジャムの味もよかった。
家族のウケはよくなかった。すっぱい、苦い、と言われてしまった。修行が足りない。もっと何度も作らないと家族好みの味にはならないだろう。しかし、費用も手間もかかると思うと、どうもマーマレードに再チャレンジできない。

ジャムづくりは四季を楽しむこと

これだけ作っているのだから、趣味といってもいいだろう。四季折々の果物を、一番美味しい、たくさん穫れる時期にジャムにして長く楽しむ。市販のジャムも買うけれど、やはりジャムは作るところから楽しいと思う。
砂糖のとりすぎには注意しながら、ジャムを作り、四季を楽しみたい。


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たか
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