たか

めんどくさがりですが、食べることになると多少の手間がかかってもできるようです。 …

たか

めんどくさがりですが、食べることになると多少の手間がかかってもできるようです。 幼い頃食べた昭和の味、母と一緒に作った平成の味を経て、新しい味、伝統の味に挑戦中です。

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食の力〜祖父の入院〜

病院は闘病するところであって、療養するところではない。だから、寝具や食事について不平を言うことはよくない。ホテルでのんびり過ごしているのではないのだから。 しかし数十年前、祖父が事故に遭って入院したときの食事は、それにしても変だった。祖父は重傷で、頭蓋骨は割れ、肋骨は折れて肺にささり、足も折れていた。なのに、食事は「ラーメン」や「パン」だったのである。 「胃はなんともないから、ラーメンでいいでしょ、だって。食べれるわけがないよ」と祖母は怒った。不思議な祖父の病院食は祖母の

    • NHKプラスで『氷室冴子をリレーする』という番組を見ました。北海道放送局の作成のようです。素敵な番組でした。どうか多くの方に見ていただけますように。懐かしい気持ちと、私もしっかり生きようという気持ち、両方を持ちました。いずれ『ジャパネスク』シリーズのことも書きたいな。

      • 蛍の住処を残してくれたおじさんへ

        まだまだ暑いけれど、少なくとも朝夕は涼しくなった。夕方はあっという間に暗くなる。もう秋だ。 今年の夏、生まれて初めて蛍が飛び交う様子を見た。忘れないように書いておきたい。 子供の頃の蛍 子供の頃、夏になると両親が近くの小川に蛍を見に連れて行ってくれた。昼間は車も人も通るが、夜になると静かな場所だった。 しかし、覚えているのは、蛍を捕まえて虫かごに入れてきて、枕元に置いて眺めていたことだけだ。蛍は寝室で静かに光っていた。捕まえてくるくらいだから蛍は相当いたのだろうけれど、小

        • 「誰も知らない小さな国」は目の前にある

          本を読みながら、その内容と自分の周囲とが似ていると気づいた経験が何度かある。 たとえば、小学生の頃、『はてしない物語』を読んでいて、主人公の読んでいる本と同じ本を読んでいる!と思ったときはぞくぞくした。 そんな感覚を初めて味わった、とびきりの経験について書いておく。 『誰も知らない小さな国』は図書館にあった 小学校の図書館は、どこにどんな本が並んでいたのか、今でもよく覚えている。『誰も知らない小さな国』は友達に勧められて読んだ。なぜかSFコーナーと推理小説コーナーの間

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        食の力〜祖父の入院〜

        • NHKプラスで『氷室冴子をリレーする』という番組を見ました。北海道放送局の作成のようです。素敵な番組でした。どうか多くの方に見ていただけますように。懐かしい気持ちと、私もしっかり生きようという気持ち、両方を持ちました。いずれ『ジャパネスク』シリーズのことも書きたいな。

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        • 「誰も知らない小さな国」は目の前にある

          大事な花の芽を切りまくっていた

          ミズヒキという植物がある。細い細い枝に点々と小さな花が咲く。なるほど、水引のようだ。白い花がさくものと、赤い花のさくものがある。繊細で、はかなくて、美しい。一輪挿しに生けると、なんだかお茶席みたいだ。 数年前から庭に植えている。毎年素敵な花を咲かせてくれているが、だんだん赤い花のミズヒキが減っていくのが残念だ。白い花のミズヒキは元気いっぱいなのに。なんでかなー。 今日、やっと気がついた。 ミズヒキ、花の色で葉っぱの色が違う……。知らんかった。 ミズヒキの葉はちょっと斑

          大事な花の芽を切りまくっていた

          先生の著書

          先日、1冊の本を読み終えた。著者は大学時代の担任である。 大学に担任? 他の大学にもいるのだろうか? 私の大学には担任の先生がいた。「クラス」とか「担任」とかは、高校までだと思っていたから驚いた。先生は三十代半ばで、就職したてのようだった。大学はお年寄りの教授ばかりだと思っていたので、担任の先生の若さも意外だった。 担任のお仕事 担任の先生自身、大学生の担任の先生というポジションにとまどっているように見えた。1週間に1回、クラスの時間がある。まるで高校のように。何をす

          先生の著書

          稲刈りとかぼちゃのケーキ

          実家が稲作をしていたのは、はるか昔のことである。私の記憶にはない。 両親は、田舎生まれなのに稲刈りをしたことがない子どもたちのことを心配し、親戚に頼んで稲刈り体験をさせてくれた。 荷台に乗って出発! 当時、町内に、遠い親戚にあたるおじちゃんおばちゃんが住んでいた。同じ町とはいっても、かなり山間の集落である。おじちゃんは無口でほとんどしゃべらない。おばちゃんはずっと働き続け、ずっと話し続けている人だった。このおばちゃんが稲刈り体験をさせてくれた。 当日の朝、稲刈りができる支

          稲刈りとかぼちゃのケーキ

          フライパンを買おうか迷う

          テフロンのフライパンがそろそろ限界だ。新しいのを買わなきゃね、と話している。けれど、迷っている。テフロンのフライパンは消耗品だ。結婚してから何回買い替えたことだろう。気が重くなる。どうしようかな、と時々検索してしまうからなのか、ネットの広告にフライパンの広告がたくさん出てくる。テフロンではないフライパンの広告もある。 ちょっとため息がでる。なぜならば、 私は鉄のフライパンと中華鍋を持っているからだ。 こんな便利なものはない。結婚した時に、商店街の専門店で買ったもの。別にす

          フライパンを買おうか迷う

          『大きな森の小さな家』を深読みする

          昔読んだ本の感想文を書きたくなったので書きます。なんだか長くなってしまいました。 専門店があった頃 祖母は、初孫であった私のことをたいそうかわいがってくれた。本もいろいろ買ってくれた。当時、商店街にはいくつも本屋があったが、祖母が私のために本を買っていたのは、小さな児童書の専門店だった。私はまだ幼くて、どんな本が欲しいのかは分からなかった。祖母も児童書のことを知っていたとは思えない。書店の方に勧められて買ってきた本が年齢不相応だった場合、その本はしばらく本棚に置きっぱなし

          『大きな森の小さな家』を深読みする

          お盆は寂しい

          お盆になると寂しくなる。 我が県の夏休みは短い。私が子供の頃は7月29日頃から始まり、8月18日頃が新学期だった。するとどういうことが起きるか。 お盆のちょっと前から親戚が集まってくる。従兄弟たちもいる。毎日遊びまわり、夜は宴会となる。お盆が終わって親戚が帰る。家は静けさを取り戻す。そして私は思い出す。「宿題やってない!」 宴会のために出されていた大きなテーブルに宿題帳を広げる。日記を書く。夏休み中の天気を書く(「快晴」と書くだけでOK)。工作をやる。自由研究をやる。 

          お盆は寂しい

          娘に「光る君へ」を見たいと思わせた漫画

          我が子に読書好きになってもらいたいと思う親は多いだろう。私もそうだった。いろいろ頑張ったつもりだが、娘は今のところ読書好きにならない。アニメや漫画は大好きだが、本は読まない。 ただし、娘がアニメや漫画から得たものの豊かさは、本に勝るとも劣らない。娘とアニメや漫画の話をするのは楽しい。 娘は主人公よりも脇役が大好きだ。まあ、私も昔から  大鷲の健よりもコンドルのジョー  マーズよりもマーグ  アムロよりもシャア  ラインハルトよりもキルヒアイスよりもロイエンタール などなど、

          娘に「光る君へ」を見たいと思わせた漫画

          7月7時の空の色

          好きな色は何?と聞かれたら何と答えようか? 赤? 青? ピンク? 青いTシャツを持っている。お気に入りだ。このTシャツのことを息子は「7月7時の空の色のTシャツ」と呼ぶ。初めて聞いた時、よく分からなかった。ちょうど朝飯を食べていた。7月7時の空は単なる青空に見えた。なぜ時刻を指定するのだろう? 「違うよ。夜の7時のことだよ」と言われた。夜の7時の空の色? その日の夜7時、空を見上げた。7月の日没は遅い。まだまだ明るい夕方の空はなんともいえない深い青い色をしていた。ぎりぎり

          7月7時の空の色

          家族とトマト

          おいしくなかった? 昭和のトマト 子どもの頃、トマトは苦手だった。酸っぱいし、青臭い。 昔のトマトこそが本当のトマトだとおっしゃる方もいるだろう。 そうなのかもしれないが、あの頃のトマトは生で食べる味ではなかった。 なのに、トマトは生で食べるものだと皆が信じていた。 チャレンジする祖母 祖父は偏食だった。なんとかして野菜を食べてほしい。栄養価の高いトマトも食べてほしい。 祖母はそう思っていたらしく、一生懸命トマト料理にチャレンジしていた。小学校の頃、盛んに食卓に出ていた

          家族とトマト

          ゴーヤーと格闘する

          ゴーヤーをどう食べるのか 初めてゴーヤーを食べたのは社会人になってからだ。スーパーで買ってきて、ネットで調べまくってゴーヤーチャンプルーを作った。苦かった。何度かチャレンジし、家族に喜んでもらえるようになった頃、ゴーヤーも畑に植えるようになった。 いつでも新鮮なゴーヤーが手に入るようになったのは喜ばしい。しかし、ゴーヤーは大きい。ゴーヤーチャンプルーだけでは消費できない。ネットやレシピ本を読み、あれこれ研究してきた。今の我が家の様子を記録しておく。 分量は一応4人分のつもり

          ゴーヤーと格闘する

          梅干しの副産物

          梅雨が明けた。梅を干す季節になる。 あわてて先日、梅にしそを入れた。 子供の頃、梅の季節になると市街の細い道には赤紫蘇の直売所?ができた。農家の方がずらずらっと並べて売っていた。そこで大量の赤じそを買った。 青じそはつくっていたのになぜ赤じそはつくっていなかったのだろう? 本当の答えは分からないけれど、なんとなく思うのは、この辺りでしそがしっかりわさわさしてくるのは7月に入ってからなので、6月にすべての梅仕事を終わらせたかった二人には遅すぎたんじゃないかということだ。 今

          梅干しの副産物

          秒で終わるきゅうりレシピ

          これはレシピの記録ではない。半分トホホな記録だ。 我が家には「秒で終わるきゅうりレシピ」がある。何が「秒で終わる」かといえば、作るのも食べるのも秒で終わる。料理名は「スティックきゅうり」。 材料…きゅうり(好きなだけ) みそ(好きなだけ) 作り方…畑に行ってきゅうりを収穫する。よーーく洗う。端を切り、横と縦に半分に切って皿に盛る。みそを小皿に盛る。完成。 きゅうりの皮を縞目にむくとか、みそに何かをまぜて特製ディップにするとか、そういうのは一切なし。 食べ方…それぞれきゅうり

          秒で終わるきゅうりレシピ