『ツユクサ』見た直後の雑記
TOHOシネマズ錦糸町オリナスで小林聡美主演映画『ツユクサ』を見てきました。
ハイ、ザ・小林聡美映画!
監督が誰だろうが、松重豊を相手にしようが、江口のりことだべろうが、子供との交流、断酒の会まで、全くブレないオフビートな小林聡美ワールド。
唯一、冒頭の隕石だけちょいとSF要素があるけど、それでスーパーパワーを得るわけではない辺りが小林聡美主演映画らしい。
あくまでも歳が離れた友人・航平と、
アパレルの工場の同僚とだべり、
交通誘導警備員の仕事をしていた篠田吾郎とのアラフィフ交流、
断酒の会に参加しているにも関わらず「バー羅針盤」に通い篠田吾郎との交流を深める。
この辺りがストーリーのメインになるかな。
それぞれのエピソードにちょっとフックになるような出来事はあるが、それが派手なトラブルや展開にならず、クスッと笑いながら日々の出来事として流れるように消化される。
どことなく、アキ・カウリスマキ監督作品のようなオフビートな作品ではあるが、必要以上に悲哀や自虐、アイロニーはない。
『かもめ食堂』をはじめ、『めがね』、『マザーウォーター』、『東京オアシス』と進むに連れてどんどん地味になっていった小林聡美主演映画だが、今回はそのシリーズのノリのようでちょっと違う。
それは異性・男の存在。
それもこれまでのような無味無臭な加瀬亮のような男ではなく、「孤独のグルメ」の松重豊や渋川清彦など渋いおじさんによる大人の関係。
やはり地味は地味だが、『マザーウォーター』や『東京オアシス』よりも味わいがある。
そんな小林聡美映画だった。