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シン・映画日記『湯道』

ユナイテッドシネマ浦和にて生田斗真主演映画『湯道』を見てきた。

昭和から平成、令和まで親子で受け継いで営業していた銭湯「まるきん温泉」にまつわるエピソードと「茶道」のように入浴の作法を極めた「湯道」にまつわるエピソード、あと「源泉かけ流し主義」かかげて温泉も循環式を否定する風呂評論家・太田与一のエピソードなどお風呂にまつわる悲喜こもごもな群像劇を展開。

主人公・三浦史朗は建築家として独立するがスランプ気味になるが、ある日不動産ブローカーからマンション建設の提案があり、そのマンションの立地として史朗の実家がある銭湯の敷地が候補にあがり、史朗は実家に帰省し、銭湯「まるきん温泉」を廃業させるよう「まるきん温泉」を継ぐ弟・悟朗を説得することに。

ストーリーはこの「まるきん温泉」二代目の悟朗と史朗のせめぎ合いと、
史朗が現状把握のために「まるきん温泉」で働く秋山いずみと一緒に見る「まるきん温泉」とそこに集う人々の風景、
あと定年を間近に控えた風呂好きの郵便局員・横山が入浴の作法を極めた「湯道」にのめり込む話、
刑務所に服役する黒人青年、
風呂評論家が太田与一が出版社から銭湯にまつわる著書の執筆依頼や風呂好きの間では有名なラジオDJのDJ FLOWの番組への出演依頼、
クリス・ハートが演じる刑務所に服役する黒人青年のエピソードはかなり強引だが、出所後の「まるきん温泉」での動きは『幸福の黄色いハンカチ』の高倉健のオマージュがあったり、
寺島進と戸田恵子が演じる夫婦や
笹野高史と吉行和子の老夫婦、
厚切りジェイソンが演じる外国人婿と義父とのエピソード、
柄本明が演じる「まるきん温泉」に無償で燃料を提供する謎の老人や
一番風呂で心地よく歌うおばさんなど、
まるで、お風呂にまつわる『ラブ・アクチュアリー』のような群像劇である。

「湯道」の作法のシーンも悪くなかったので、
複数エピソードをもう少し減らして「湯道」をしっかり描いた方が良かったような気もする。
正直言うと、やりたいことが多すぎてまとまりに欠け、
尚且つクライマックスシーンは見てるこちらが恥ずかしくなるぐらいベタベタの泣かせシーンをやる。

どのエピソードも微笑ましいほっこりするエピソードの連続なので、まさしく見て温かくなる。
『テルマエ・ロマエ』ぐらい見せるものをしっかりとしてほしかったが、
というか「湯道」のシーンをもっとバカバカしく振り切ってほしかった。



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