シェア
〜言葉で表現できないこと〜 かすみは両親に 僕が転勤になったと嘘を付き、 戻ってくるまで…
〜×印の赤い目〜 ニットキャップのような包帯が取れると 額に×印の赤い傷が付いていた。 …
〜地獄の果てに〜 何事もなかったかのように お互いが接し、一年が過ぎた。 街は陽気なク…
静かな夜が続いた。 かすみは愛に誠実だった。 夫が犯罪者になってしまったことは 胸の…
〜ハーフムーンの呼ぶ声〜 かすみは僕が帰宅すると いつも紅茶を入れてくれた。 透き通っ…
ささやかな式をかすみの街で挙げ かすみの家族は温かく娘を送り出してくれた。 ウェディン…
狂ったような嫉妬の夢から覚めると 身体中が痛かった。 また床で寝てしまっていた。 ビールの空き瓶のように。 少し明るくなり始めたその日の朝 カラスが街の食べ残しを取り合っている。 僕は一気にシャワーを浴びて 外に出た。 地下鉄を乗り継ぎ、特急に乗った。 休日の朝だからか、 慌ただしさは無かった。 特急にしては速度の遅い列車の中 街から次第にビルやコンクリートが消えていった。 ウトウトしてると やがて車掌の声が目的駅を伝えた。 お
本当の自分を知りたければ マリファナを吸うか ケミカルの薬を飲めばいい。 もしくは相当量…
かすみが目覚めたのは 夜だった。 かすみが住んでいる辺りは 駅から離れた閑静な住宅街の…
僕は珍しく波の穏やかな夕方のサーフィンを 終えたところだった。 波はイマイチだが、誰も…
かすみは体で感じられる全てを 公園に注いだ。 しばらくすると、かすみの体は溶け 着てい…
かすみは会社の中では 静かだった。 元々前に出るタイプではなかった。 目の前の仕事を淡…
初めて知り合ってから 十数年 世の中もすっかり変わり 変わってないのは僕たちだけだった…
中々止まない横殴りの雨が 窓を濡らす。 ベランダのとっておきの タバコの吸い場が台無しだ。 ネクタイはしても 必ず第一ボタンは付けなかった。 ワンタッチの大きな黒い傘を差して 湿った地下鉄に乗った。 特に何か思ったわけではないが 大阪から実家へ突然帰った。 新幹線は乗り心地が悪かった。 3人掛けの真ん中で雨降るレールを スーパースピードで駆け抜ける。 午後、突然実家に戻った母は驚いていた。 何があったのかすかさず聞いてきた。