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真夜中のエンターテイナー 19

残り10

かすみは体で感じられる全てを
公園に注いだ。

しばらくすると、かすみの体は溶け
着ていたワンピースだけがベンチに残った。


わたしが消したいもの全て
消し去りたい

15歳の夏

美術部に所属していたかすみは
毎日一生懸命デッサンに勤しんでいた。


描いては描き、描いては描き
時にはイタズラ描きや
自分のネームもその時決まったものだった。


この歳独特の、女子の方が男子より
色々な事に精通していたり
多くの女子は男子が子供っぽく見えた。


遅くまで筆を握って、自分の手を
描いていた時に
顧問の先生が現れ、
かすみ、デッサン上手だね
もっと全身を描いてみたら?

見上げた先生の顔は
優しかった。

同時に認めてもらえた事が
なんだか嬉しくて
取り掛かることにしてみた。


帰ってから
美術の本を見渡し、勉強した。

何度も練習して自分らしさの出る絵が描けた。


次の日、顧問の先生に見せた。
彼は喜び、絵を褒め称えた。

かすみ、いいね
らしさが出ている。

コンクールにも出られるよ

かすみは嬉しくなった。

部室を出ようとすると、

かすみ

先生が読んだ。

何ですか?

僕はかすみのことを描いてみたい

きっと勉強になる。


部員はモデル慣れしていたため
快諾した。


なんだか恥ずかしいけど大丈夫です。


放課後のスポーツ部が片付けを終える頃
先生はかすみを描きだした。


ありのままに近い状態で書きたいんだ。


かすみは拒絶した。
ヌードだと思った。

嫌です嫌です、絶対嫌です!!


違うよ、
体に白い細かいレースを
まとうんだ。

美しい絵を見せたい

かすみの実力は全てを知って開花されると思うんだ


かすみは戸惑った。

薄暗くなった部室に
衣のような白い布が置かれた。

困惑と恥ずかしさ、なんとも言えない背徳感に
襲われながらも
仕上がる自分の絵に興味が勝った。

先生向こうに行ってるから。

そう言って扉を出た。


白い少しレースがかかった布を
上着とスカート、ソックスを脱ぎ、
身にまとった。

しばらくすると絵の準備をして戻ってきた先生は
いいね、それじゃ始めよう


かすみは椅子に座り、
足を組んで横を向いた。

肩と足の大部分は露出されていた。


耳が赤くなるのが分かった。


時計のコチコチ音だけが響いた。

どれくらい経っただろう

足も痛くなってきた。

かすみ、おいで


先生は美しい全身のかすみの絵を見せた

そこには凛としている少女の
美しい絵があった。


キレイ


かすみは思った。
わたしには描けないレベルよね


そう思った束の間
先生はかすみを抱きしめた。

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