見出し画像

暗闇のエンターテイナー 24

残り10

ささやかな式をかすみの街で挙げ

かすみの家族は温かく娘を送り出してくれた。

ウェディングドレスを選ぶ時
サイズ感が合わなくて、苦労して探した。

かすみの顔色が少し曇った。

わたし、ドレスに拒否されてるのかな

そんなこと、ないよ
どれもかわいいよ

僕の言葉も右から左へ。


すると、ハンガーの後ろ側に
引っかかってズレて
隠れていたドレスがあった。

かすみはそれを引っこ抜き
鏡に当てた。


これにする!


ドレスもかすみも引っ込み思案だった。


そして、1番美しかった。


かすみの家族は僕に
くれぐれも娘をよろしくお願いします。

と頭を下げてくれたので
僕も恐縮して、
こちらこそかすみさんを
ずっと幸せにします

と力強く答えた。


かすみの2人の妹達は泣いていた。

目が真っ赤なのは明白だ。

ハンカチで目を押さえながら
3人で抱き合った。

式を無事に終えると
僕たちは都会のホテルに
向かった。

ここから先は

534字
この記事のみ 残り10/10 ¥ 100

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?