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〜黒い月〜 かすみと瑠花がアーネストハウスに 着いたのは午後の遅い時間だった。 晴れに…
An illustration by ASTERISK 〜僕が残してしまったもの〜 ある夕方 瑠花はドアをバタンと…
〜大きな愛の物語〜 かすみ草は 他の色めく花を引き立てたり 際立てる花ではない。 周り…
〜新しい人生〜 いくつかの年が過ぎ、 マフラーとウール生地が 手放せなくなる頃 かすみ…
〜黒い死体〜 僕の遺体が見つかったのは 3日後の朝だった。 ビーチからすこし外れた 岩場…
〜ラストステージ〜 医者は精密検査をやたらと何度もし、 結果を待った。 ただの体調不良…
〜十字架の夢〜 かすみと僕の子供は可愛かった。 エンジェルと呼ぶにふさわしい女の子だった。 かすみは24時間子供と過ごし いわゆる誰もが一度は憧れる 幸せな生活が続いた。 泣き叫ぶ子供をあやし、 ミルクをあげ 優しく撫でて寝かしつけるかすみが 愛おしかった。 ある雨嵐が狂う夜 天気予報は明け方まで 雨が続くと伝えていた。 僕は夢を見た。 世の中で成功している人が 十字架の形をして空を飛んでいる。 僕は手を差し伸べるにも 高過ぎ
〜言葉で表現できないこと〜 かすみは両親に 僕が転勤になったと嘘を付き、 戻ってくるまで…
〜×印の赤い目〜 ニットキャップのような包帯が取れると 額に×印の赤い傷が付いていた。 …
静かな夜が続いた。 かすみは愛に誠実だった。 夫が犯罪者になってしまったことは 胸の…
〜ハーフムーンの呼ぶ声〜 かすみは僕が帰宅すると いつも紅茶を入れてくれた。 透き通っ…
ささやかな式をかすみの街で挙げ かすみの家族は温かく娘を送り出してくれた。 ウェディン…
狂ったような嫉妬の夢から覚めると 身体中が痛かった。 また床で寝てしまっていた。 ビー…
本当の自分を知りたければ マリファナを吸うか ケミカルの薬を飲めばいい。 もしくは相当量のお酒。 自分の意思とは無関係に動くのだから。 大学生のある日 ただいるだけの授業が終わると 同じ大学内のバンドのメンバーから 連絡があった。 今からウチに来いよ イイモンあっからさ 二つ返事で彼の自宅に向かった。 地方出身者の彼は 下北沢駅北口から歩いて10分ほどの 少し奥まった隠れ家的なところ、 やや古びたアパートを借りていた。 シチュエーショ