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HSP気質の方に届けたい『影響を受けやすいわたし』を調える身体感覚アプローチ3選(オノマトペ風味)

〜はじめに この記事を読んで下さる方へ〜

はじめまして。てがみびとです。記事へのご訪問ありがとうございます。

少し自己紹介させて頂きますと、手書きがしっくりくる、自然や旅、読書、馬が好きな30代です。民族楽器の演奏家でもあります。

言葉そのものや空気に敏感なため、
どうしてこんなにも敏感に反応してしまうのだろう?」と悩むことが多く、
あらゆるジャンルの本を読み、様々な事を試みてきました。

ある時、自身の胸の内に問いかけてみました。
 
今どんな言葉をかけられたら、少しだけでもほっとした気持ちになりますか?

沈黙の対話で、浮かんできたことばは、

あれこれやろうとして無理して焦せらず、自分のリズムが戻るまで休んでもいいよ。
でした。

現代では、人を行動に駆り立てる情報が多く散見され、即座の変化を無意識に求められがちです。一方で、長いスパンで、他人や自身を見守れる視点があると、自ずとゆとりも生まれます。

この記事で特に伝えたいことを先に2つ挙げてみます。

HSPの気質は、もちろん病気でもなく、生き物が環境に適応し、種を保存するための自然な反応であり、貴方の性格のせいではないこと。

心を閉ざしてしまうこともあるかもしれないけど、その繊細で豊かな感性は、きっと誰かに必要とされ、自分らしいリズムで安心感をもちながら日々を送れる生きやすい社会を創るギフトになり得ること。

性格、生活環境やリズム、趣味趣向が異なった、《ひとり ひとり》が生きている人間社会。

「これをすればこうなる」と言い切った方法論は、この記事には書かれていません。

身の周りにあるモノと身体の関係を
普段とちょっと違う角度から捉えなおし、
自己を見つめるためのヒントが書かれています。読みものとしてもお楽しみ頂けるかと思います。

前半では、「HSPとは何か」、「わたしのHSP気質公開」、そして「人類学や言語学的な視点からの解釈と見解」を述べています。

後半は、「HSP気質であるわたしを調えるために実践したこと」、「まとめ」へと展開していきます。

この実践は、とてもシンプルだけど奥深く、HSP気質の方以外でも健康につながる要素があります。

大分前置きが長くなってしまいました。全部ゆっくり読むとしたら、10分以内です。

一度に全部読む必要はないですし、もちろん後からじっくり読み返して楽しんでいただけます。どうぞ目次のお好きなところからご一読くださいませ。

それでは、目次です。

1. HSPって何?

「HSP」は「Highly Sensitive Person」の略で、1990年代にエレイン・アーロン博士によって提唱されました。
何らかの病気ではなく、「繊細な感受性」を持った人の気質を表しています。

「DOES」の頭文字で表された特性は
・処理の深さ
・刺激を受けやすい
・共感しやすい。
・繊細な感受性。

の4つに分類されています。

人口の15〜20%は、HSPの気質を持っていると言われています。特に女性の方々は直感や感性が豊かな方が多いですね。

また人間だけではなく、動物も同じ割合でHSP気質の個体がいるそうです。
最近では書店でHSP関連の書籍も見かけるようになり、
ー「繊細さん」の本 武田由紀著ーがたまたま目に止まったのが、私がHSPを知るきっかけでした。

HSPかどうか診断が出来るサイトもあります。
(HSP診断サイト https://hsptest.jp/

5分ほどで終わる設問形式の診断を受けたところ、診断結果は「中度のHSP気質」でした。

「やっぱりそうだったか。」という感想でした。ここで自身を振りかえり、HSP気質を箇条書きで記してみます。

2. わたしのHSP気質公開します。

・電車に乗るとクラクラすることがある。
・人混みが苦手。
・なかなかメールの返事が進まない。
・言語化できずにため込んでしまう。
・いつの間にか自分の気持ちを置きざりにして、疲弊してしまっている。
・人の気持ちや場の空気に敏感。
・衝動性がある。
・スイッチが切れたようにダウンし、寝続けてしまうことがある。
・やろうと思っていたことが出来ない。
・やることが多すぎるとパニックになることがある。
・生きにくい、居場所がないと思う時がある。
・直感がひらめきやすい。
・音楽を聴くと鳥肌が立ちやすい。

まだまだありそうですが、13個に留めておきます。上記の中で、「ここはわたしも同じだ。」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

「自分だけではないんだ。」と思える事は、ある種の安心感につながるので、
この場をおかりして、ありのままに公開させていただきました。

HSP気質の特徴は、言葉を交わさずとも、
外界の情報を受けとるセンサーが発達した「敏感な肌感覚」です。
では、そもそも肌感覚、皮膚とはなんなのでしょうか。

3-1 皮膚の起源

ここで、一旦時間を太古にまで遡ってみましょう。人類の祖先は120万年前に体毛を失ったと言われています。

これにより、脳の容量が増大し、種が生存するために必要な皮膚感覚を獲得したのです。道具の発明に深く関係しているのかもしれません。

「驚きの皮膚」の著者 傳田光洋氏は、皮膚には知性があり、
表皮の「ケラチノサイト」という細胞に関係していると仮説を立てています。

皮膚が触覚のみならず、聴覚や視覚、様々な知覚機能を用いて、外部からの情報を取り入れているのです。

均一な温度が保たれた室内にいる事が多い現代人の皮膚は、
外気より他人の感情の温度に敏感になる傾向が
あるのではないでしょうか

「驚きの皮膚」では、実証実験に基づいた論考が展開されているので、興味のある方は、一度本を読んでみることをおすすめします。
(驚きの皮膚 傳田光洋 著)

次に人が共有する空間の過密性に着目してみましょう。

  -2. 人が多いところではサバイバル?

イギリスの人類学者ロビン・ダンバー氏は、「ダンバー数」を提唱しています。
ダンバー数の定義とは、約1400ccの脳の容量を持つ霊長類ヒトが
安定な社会集団を維持するための上限の数は約150人」だそうです。

この150人を多いととるか、少ないととるかは、集団枠の設定によって異なる解釈ができます。満員電車や人が多い所では、遥かにダンバー数150人を越えていますよね。

ネットと現実社会は、見知らぬ他者の網(通信網も含む)が張り巡らされ、
わたしたちは、その網の中で互いに影響し合いながら生活しています。
ありとあらゆる環境は、ダンバー数150人をはるかに上回っているのは明らかであり、

人口密度の大きな場所で、個を保ち続けるのは、ある意味サバイバルとも言えるでしょう。

地方に移住する人や、地方と都心を行き来する多拠点を持ったライフスタイルにシフトする人が増えているのも、
自身の本来のリズムで過ごすための回帰現象かもしれません。

  -3 わたしって誰?

いつの間にか誰かの気持ちにシンクロし、
「なんでこんな敏感なのだろう。」
「他人との境界線ってどうやってひいたらいいのだろう。」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。

「そもそも自分、自分っていうけど、その自分は何をもってそう言えるのか」と思ってしまいがちの私は、

「個としてのわたし」を一度見直すことにしました。

結論から述べると、「個」という概念は近代が生み出した虚構的概念です。(明治時代に作られたとも言われています。)

そもそも「私は〜する」という「主語+動詞」の文法と思考体系が、日本人にはあまり合わないのではと感じています。

日本語は主語がなくても成り立つ性質を持ち、
俳句や和歌にあるように、自然や生き物との深い意識の交流の中で湧き立つ情感や、細やかな感性が息づいています。

そこに独立した「個としての私」はなく、「大きな自然の営みに育まれている生命としてのわたし」がアイデンティティの奥底にゆらいでいます

つまり「わたし」という存在は、深いところでとても曖昧であるのです。

他人との境界線など、そもそも存在していないのです。

ここまで、皮膚、人類、言語と様々なテーマで話が展開してきました。一度、要点をまとめます。

皮膚には高度な知性があり、HSP気質は環境に適応するための本能的かつ正常な反応である。
・日本人のDNAには、自然や動物と同じ視座で世界と接している繊細な感受性が備わっている。

では、個の意識が拡大し過ぎた現代社会で、
どのように外的環境・情報に反応しやすい気質や体調の変化に対応し、バランスのとれた暮らしを過ごせるのか。

そのヒントを探るべく、呼吸している身体に着目してみましょう。

4.【実践】影響を受けやすいわたしを調える3つの身体感覚アプローチ

私は影響を受けやすい心身のバランスをとるために、
「食事」「お風呂」「睡眠」「起床」「呼吸」「運動(エクササイズ)」の日々の生活習慣から、「仕事」「人間関係」に至るまで、あらゆることを試みてきました。

今もその途上で、気質を受けとめてあげながら、試行錯誤している日々です。

その中で、誰もが日常生活の中で、お金もかからずに取り組めることを3つご紹介させていただきます。

私自身、言葉に敏感な気質なので、「オノマトペ」を使ったネーミングを取り入れています。

オノマトペとは、「もぐもぐ」「しとしと」「さらさら」「ウキウキ」など、自然の状態や心情を表したことばです。世界の言語で、最もオノマトペの種類が多いのが、日本語だそうです。

では、オノマトペつきでお楽しみください。

①どろどろーん ーよく噛んで食べるー

「こんなシンプルなこと?」と思われるかもしれませんが、シンプルなことはあなどれません。

食事中の一口の咀嚼回数を普段より多くします。

外へ向きがちな意識を、少しでも内側へ戻すことを手助けしてくれます。
食べ物にもよりますが、30回〜50回噛めば、ドロドロになって胃に送られるので、消化にも優しいですし、味わった食事を愉しめます。

普段、人は視覚に偏りがちなので、目を瞑りながら、咀嚼する音や、食べものの舌ざわりなど、視覚以外の感覚に意識を向けてみるのもありです。

また、唾液が多く分泌され副交換神経も働くので、うつ的な症状の方にも効果的だと聞いた事があります。

②モノリッスン ー目の前のものに丁寧に触れるー

飲み物を飲む時、手で物をとる時、
手にとってから机に戻すまで、10分ほど時間をかけてみます。

「え?10分も?」と私も最初思いました。
10秒ではなく、10分です。

普段、無意識に行なっている1秒から5秒の動作を限りなく丁寧にします。
客観的に見たらスローモーションどころか、ほぼ静止している状態ですね笑。
誰からも見られない室内で行うのがいいでしょう。

飲み物が入ったコップ、ペンでも何でもよくって、私は温かいお茶やハーブティーの入ったコップを採用しています。

対象を決めたら、あまり焦点を合わせないようにボーッと見つめます。感覚的には、目を空洞にするイメージです。

次第に手や指が動くがままにスライドさせていきます。

途中、「こんな温度だったんだ」「あ、肩に力が入っているな。」「お腹が呼吸している。」など身体への気づきが浮かんできたり、

物も、ゆっくり動かしていく身体も、
お互いが浮かんで宇宙遊泳している不思議な感覚になることもあります。

最近では、ふと昔の記憶が思い出されることも多くなりました。意識していなかった身体の箇所がほぐれ、眠っていた記憶が浮上したのでしょうか。

日によって気分や反応は違うので、10分も続かないこともしばしば。

身体に丁寧な動作を与え、観察する事は、身体の微細な呼吸や空間を発見できる
一種の身体ワークだと体感しています。

「映画2001年宇宙の旅」に出てくる「モノリス」と、身体の声を聴く「リッスン」を合わせ「モノリッスン」と名付けてみました。

③ゔんヴンチューニング ーハミングをしてみるー

ハミング。これは電車の中や人が密集した所で、ちょっと気分が「うっ」となった時などにとても効果的です。

身体を調律(チューニング)する要領で
喉から「ヴー、ンー」と音を発します。

最初はのどがかすれるくらいの小さな音でもいいと思いますし、慣れてきたらボリュームをあげて時間を伸ばしてみます。

音がひしめく中でちょっとくらいハミングした所で、ハミングは喧騒にまじり、意外と周りの人は気づいていません。

知らぬ間に影響された空気を音で祓い、
身体という名の楽器をチューニングしていくのです。

歩きながらどこでも出来るのが、ハミングのいいところ。

慣れてきたら、心地よい音程を探しながら
ハミングしてみるのもおすすめです。
是非あなただけの音を奏でてみてください。

余談ですが、ゴリラもハミングするそうです。決してゴリラになれと言ってるわけではありませんので笑、あしからずです。

以上、3つをご紹介させていただきました。
いかがでしたでしょうか。これは知識ではなく、実際にご自身で試さないとわからないことです。

いずれも、お金がかからず、子どもから大人まで誰でも試すことができること、HSP気質の方だけに限らず、健康のためになることがいいところです。

「あたりまえのことを、あたりまえにできない。」

この事で自分を責めすぎることなく、逆手にとったアプローチが、「1、どろどろーん」と「2、モノリッスン」です。

わたしたちにとって、ごく当たり前の日常の動作を、あえて時間をかけ、「ふれてみる」。

その過程で起こりうる小さな感覚の変化に気づく瞬間の積み重ねは、こまやかだけど大きな波紋を世界に与えているかもしれませんよ。

実践するにあたってポイントをあげるとすれば、「あまりストイックにならず遊び半分でやってみること」でしょうか。出来る、出来ないは関係なくて、ささやかな能動的な身体の動きで、内なる対話を深めます。

「試してみようかな。」と思った方は、
調味料くらいの感覚のさじ加減で、ぜひ遊んでみてください。
昨日とちょっと違った自分に出会えたのなら、それだけで充分なのかなと思っています。

わたしを調える3つの身体感覚アプローチ
①どろどろーん ーよく噛んで食べるー
②モノリッスン ー目の前のものに丁寧に触れるー
③ゔんヴンチューニング ーハミングをしてみるー


5. まとめと展望

ここまでの長い文章をお読みくださり、ありがとうございました。

世の中に「HSP」という言葉が出てきたことで、「自分だけなのかな」と思っていた気質が、「他の誰かにもあてはまるんだ」と共感したり、「こういう人もいるんだ」と広く知ることが出来るようになりました。

日々、変化の中にありながら、
刺激から身をまもり、「心地よい環境」というオアシスを探し求め、感覚にふれるモノやコト、人に出逢い、ふとした時に深い喜びの水が湧く。。

サバイバル的な要素も含んだ、生命感覚を思い出し発揮するための人生の旅の最中とも言えるでしょう。

**身のまわりのモノや、生きているこの身体つまりは自分自身との関係や距離感を、少し違った角度から見つめる。むすびなおす。
そんなきっかけになれましたら、とても嬉しいです。 **

「HSP」という言葉は、その人そのものを表しているのではなく、あくまで一部の性質を表す記号に過ぎないと思っています。

共感や共鳴することで世界と深く関わることが
できる「こころのひとたち」と言いかえてもいいいでしょう。

このような共同感覚は、人以外の植物や動物、石ころなどの生きとしいけるものとの共通言語につながっている気がします。

それは非言語の世界で、とてもこまやかです。

敏感すぎるがゆえに周りや自らにも心を閉ざしてしまう時もあるかもしれません。
でも、どんな時も自然界は全部わかってくれている気がします。理解してくれる人達もどこかにいます、きっと。

そして、人は与えられた手で、その手でふれることで、通じあえる何かを創造する役割があると思っています。数ではない、いのちや一人ひとりの感性を大切にした社会を担っていくのです。これは感覚的な直観です。

またまた長くなってしまいました。

6. 贈ることば

貴方に2つの言葉を贈りたいと思います。

1つ目は「聴す」。「ゆるす」と読みます。最近知って「こんな読み方があったんだ!」とびっくりしました。「許す」「赦す」が一般的な表記ですね。

この「聴す(ゆるす)」には、なんかこう、大自然とつながった安心感、ゆりかごに揺られ守られながら、心のど真ん中から受け入れられているような響きを感じます。

そして2つ目。
私がとても気に入っている本のタイトルです。対談形式の本で、やりとりされる言葉に自然と笑みがこぼれるほどでした。
奥底の内なる泉を発見した瞬間でした。
手書きが好きなので、こちらは直筆でお送りさせていただきます。

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贈ることばと共にこの記事を結ばせていただきます。お互いに歩み続けて参りましょう!心から、ありがとうございました。

          てがみびとより

追伸(限定 贈りもの企画あり)

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参考本
「驚きの皮膚 著 傳田光洋」
「君自身に還れ -知と信を巡る対話- 大峯顯/池田晶子」

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