中央西線で楽しめる駅そばと読書の秋
結論:始点は蕎麦と山賊焼、終点はきしめんと揚げたてかき揚げが名物
今回は、中央西線を走破しました。起点の塩尻駅、終点の名古屋駅には、それぞれユニークな立ち食い蕎麦屋さんがありました。
なぜ、中央西線なのか?
2014年、いいともの放映が終了した後、タモリさんの看板番組として1年間、フジテレビ系列で日曜日の夜に放送されたヨルタモリ。その中で話されていたことを思い出して、車窓を眺めながら、中央西線全線制覇することにしました。
中央西線は、JR東海の管轄下に置かれ、塩尻駅から木曽地域、岐阜県東濃地方を通り、愛知県へ入り、名古屋へ向かいます。普通電車で行く場合、中津川駅で乗換が必要です。一方、特急しなのは長野駅から名古屋駅へ直通しています。かつては、長野駅から大阪駅まで行くことができましたが、現在は全て名古屋止まりです。
特に御嶽山、中央アルプスに挟まれた木曽地域は、紅葉と木曽川の渓谷美のコントラストは美しいです。紅葉は10月下旬〜11月上旬が見頃です。上松駅近くの目覚の床など、木曽川の渓谷美は季節問わず楽しめ、冬の雪景色など、季節ごとに表情を変えます。
塩尻駅→山賊焼と信州そば
中央西線の起点は塩尻駅。
塩尻駅は、長野県のJRの交通の要所でもあります。塩尻駅を境に、北は松本、長野方面の篠ノ井線、西は木曽福島、中津川、名古屋方面の中央西線、東は上諏訪、甲府、新宿方面の中央東線、南は中央東線小野or岡谷経由で辰野から伊那市、飯田方面の飯田線に繋がる電車が通ります。特急も、東京、松本方面は、あずさ、名古屋、長野方面は、しなのが停まります。
長野県と言えば、蕎麦。標高が高いため夏も涼しく、平地も狭かったため、稲作が不向きでした。そのため、蕎麦の栽培が盛んになりました。塩尻は、現在のように蕎麦を麺状に切って食べられるようになった場所の一つとされています。
塩尻駅には、狭さで有名な駅そばがあります。改札内側から2人しか入れません。一方、改札外からは8人ほど並べ、一般的な立ち食い蕎麦屋さんです。改札内の場合は、食券で購入します。改札外の場合は、先払いで注文して購入します。
オススメは山賊焼。塩尻市の居酒屋山賊の名物が松本地域に広まりました。居酒屋の名物料理を考えているときに、店名の山賊は、モノを取り上げる→鶏揚げるという発想に至り、鶏もも肉を切り分けずに豪快に揚げた料理になりました。今回は、早朝に訪れたため、山賊焼がまだできておらず、信州限定盛りそばを注文しました。
南木曽駅で読書の秋を楽しむ
南木曽駅は妻籠宿、馬籠宿の長野県側の玄関口。立ち食い蕎麦はありません。南木曽駅は、読書地区にあります。ここがポイント。秋、南木曽駅に降りただけで「読書の秋」と言えるのです。「読書」の読み方は、「よみかき」です。1961年までは読書村として存在し、周辺の2村と合併して南木曽町になりました。
南木曽駅前には、食堂、カフェ、お土産物屋、スーパーマーケットがあります。中津川方面へ歩くと、20分ほどの場所にかぶと観音様が祀られています。ちなみに、妻籠宿は読書地区ではありません。
南木曽から中津川方面は本数が増えます。しかし、一度降りると1時間待つことが普通ですのでご注意ください。塩尻方面の電車は、さらに本数が少なく、2時間待つこともあるのでご注意ください。
駅のベンチに腰をかけて、読書すれば、「読書で読書する」が成立します。それも、よいです。
名古屋→かき揚げときしめん
名古屋といえば、きしめん。帯のように太くモチモチとした麺です。名前の由来は昔、雉肉を具にしていたことから、きじめん→きしめんになった説、紀州の殿様がおみやげにもってきた紀州めんがきしめんになった説、練った小麦粉を平たく伸ばし囲碁の丸い碁石の形に打ち抜いたことから碁石を意味する碁子から碁子麺になった説などあります。
きしめんは、水、小麦粉、塩というシンプルな材料から作られます。かつては、平たく伸ばす技術を取得するのに時間がかかりました。現在は、機械化により、大量生産できるようになりました。
濃いめのつゆたっぷり、青菜、削り節のシンプルなトッピングが基本形です。冬は鍋焼きうどん風にして食べることもあります。
きしめんは、JR名古屋駅の1,2〜7,8線、10,11線、新幹線上り、下りのホームの7店舗で食べることができます。3,4番線ホームは揚げたてのかき揚げが食べられるため、かき揚げを注文したい方は3,4番線ホームがオススメです。3,4番線でかき揚げを作って他のホームへ運ばれます。揚げたてはベタツキ感がなく、ジューシーさが増していました。きしめんに卵、牛肉、名古屋コーチンなどトッピングできます。天ぷらにつゆを浸けていただく天つゆも食べられます。単品で、どて煮もありました。蕎麦も選ぶことができます。
塩尻駅、名古屋駅の駅そばは、どちらとも、季節限定のメニューもあり、選ぶ楽しみもあります。秋はキノコを使ったメニューでした。さらに、どちらとも、最も安いメニューは500円でお釣りが出ます。
みなさんも、ぜひ、木曽の宿場町、紅葉や東濃の栗を味わいながら、中央西線走破の旅をしてみてはいかがでしょうか?