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【本の紹介あり】岡本太郎と火焔式土器のつながり

考察

追い求めていた生き方を縄文人から感じていた。


長岡駅中央口を降りると、大手通りという大きな通りがあります。大手通りには、巨大な縄文土器のモニュメントがあります。この縄文土器が、一人の芸術家に影響を与えることになりました。

今回は、縄文土器に魅了された芸術家について、話します。

岡本太郎

この縄文土器に衝撃を受けた芸術家とは、岡本太郎さんです。岡本太郎さんは、1970年開催の大阪万博のシンボル「太陽の塔」、渋谷マークシティにある「明日の神話」など、多くの作品を誕生させました。

明日の神話

「芸術は爆発だ」

岡本太郎さんの名言と言えば、「芸術は爆発だ」です。「芸術は爆発だ」という名言について、著書の「自分の中に毒を持て」に触れられています。 芸術とは、「生きることそのものである」、爆発とは、「全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと」と岡本太郎さんは定義づけています。すなわち、「芸術は爆発だ」とは、「芸術は、全身全霊をぶつけて宇宙に向かって無条件にパーッとひらく作品。」ということだと解釈できます。

さらに、生きることとは、「瞬間瞬間の爆発の繰り返し」と岡本太郎さんは唱えています。この生き方は、現代にも通用します。私の考え方のベースになっています。

「自分の中に毒を持て」は、出版から30年経っても通用する生き方が書いております。ぜひ、お読みください。

縄文時代の遺跡に魅了された

岡本太郎さんは、1951年、国立科学博物館を訪れたとき、ある縄文土器に出会い、思わず声をあげるほど感動されました。1952年、縄文土器論を発表したり、1970年、太陽の塔を制作することにも繋がりました。

岡本太郎さんは、縄文時代の遺跡にも魅了されました。「自分の中に毒を持て」という著書には、八ヶ岳山麓の縄文遺跡について書かれています。縄文のビーナス、阿久遺跡のストーンサークルなど登場します。

八ヶ岳山麓の縄文遺跡について、こちらをお読みください。

縄文土器

土器は、当初、土鍋のように、調理器具として活用されていました。そのため、形もシンプルでした。加熱により、食物を安全かつ美味しく食べる知恵が編み出していきました。煮炊きを覚えた結果、食材をやわらかくし、消化しやすくなりました。さらに、山菜、ドングリの苦味を抑える方法として、アク抜きも覚えました。

次第に、ホモサピエンスはフィクションを創り出し、神がいると信じるようになりました。土器は祭りにも利用されるようになりました。東日本を中心に、複雑かつユニークな縄の紋様の土器が多く発掘されるようになりました。土器に施された縄の紋様から、「縄文土器」と呼ばれるようになりました。

岡本太郎さんが惹かれた火焔式土器

火焔式土器は新潟県十日町市、長岡市を中心に信濃川流域に沿って発掘されました。時代とともに、鶏のトサカのような装飾も大きくなり、全体的に細かい装飾が施されるようになりました。

調理器具としての機能性と合わせて、外側に縄のような独特の文様を施しています。トサカのような突起が4つあり、天に向かって伸びています。この土器から飛び出した4つのトサカのような紋様が炎を連想させることから、「火焔型土器」と呼ばれるようになりました。

縁の部分にはトゲのような三角のギザギザが波を打っています。突起の中には渦も見られます。突起は炎にも見えます。岡本太郎さんのおっしゃる美しさとは、「ひたすら生命がひらき高揚していることで、絶対的に表れる。」初めて、火焔型土器を見たときに、求めていた美しさに出会うことができたという感動もあったでしょう。土器から放たれる生命感に岡本太郎さんは惹かれたと思います。

十日町市立博物館で観察できる。

十日町駅から徒歩10分ほどの場所にある十日町市立博物館では、火焔式土器をじっくり観察できます。実物に近いレプリカの火焔式土器に触れることもできます。当時、釉で表面をコーティングする技術がないため、土のザラザラ感がはっきりとわかります。土器は厚く、持ち上げると、ズッシリと重いです。容器としての機能を考えると、保温性が高いように感じました。


今回は岡本太郎さんと縄文土器について語りました。岡本太郎さんの追求していた美しさを縄文土器から見出していることがわかりました。


おまけ:古代の歴史は戦後になってから

縄文時代、弥生時代が教科書に載るようになったのは、戦後です。太平洋戦争に敗戦し、GHQによる統治が行われました。GHQによって、神の国を否定され、現実の歴史を載せることになりました。

戦時中の教科書には、イザナギとイザナミが日本列島を生み出すことから始まります。史実の部分は、古墳時代まで飛ばされています。

参考文献


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たびてく@一人旅ガチ勢
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