マガジンのカバー画像

エネルギーの技術

87
運営しているクリエイター

記事一覧

木質バイオマス発電の廃棄物活用

木質バイオマス発電の廃棄物活用

バイオマス発電で木を燃やせば灰が出る。現在この灰は、普通ゴミと同様に廃棄物として埋め立て処置されている。

灰を山に還元する取組はバイオマス先進国であるヨーロッパを中心に、早くから行われているが、まだ主流ではない。実際に撒いたときの効果の検証だけでなく、灰を山まで持っていくコストや、散布方法の検討など課題がある。

かつて化学肥料がなかった時代は、草木を燃やしてできたカリウムや石灰分を含んだ草木灰

もっとみる
光電融合技術

光電融合技術

国際エネルギー機関(IEA)によると、人工知能(AI)やビッグデータ活用の影響で、データセンターなどでの消費電力量は、2030年に3割増(2020年比)になると予測されており、現在の発電量を大きく上回るとされています。

日本でも原子力発電所の再稼働が着々と進んでいる状況ですが、消費電力を下げる取り組みも必要になります。

現在研究されている『光電融合技術』は、電気信号を扱う回路と光信号を扱う回路

もっとみる
照明器具の事故

照明器具の事故

皆さんの自宅の照明は LED ですか、それとも蛍光灯ですか。

近年 LED 照明は省エネ性能や高耐久性の利点などで急速に普及しています。国内メーカーでは蛍光灯器具は既に製造販売を終えました。蛍光ランプも 2027 年までに製造・輸出入の禁止が決まっています。最近、国内大手メーカーからも 2027 年までに蛍光ランプの製造を終了するとの発表がありました。

家電量販店に行くと、既存の蛍光灯器具にそ

もっとみる
電子レンジを持ち運ぶ

電子レンジを持ち運ぶ

レンジバッグ「WILLCOOK」は、布が発熱する特許技術で実現した、軽くて持ち運べるカバン型のポータブルレンジバッグ

外出先でもレトルト食材を20分で温めることができ、ペットボトルなとの保温もできます。

昨日の近畿地方は、冬を感じさせる寒さでした。このバックがあると外出先でも温かい物でほっと一息できそうです。

『参考資料』

https://www.willtex.co.jp/exfiber

もっとみる
水素炙り

水素炙り

調理用のガスバーナーは一般的に、プロパンやブタンなどの可燃ガスを使います。

そんな中、H2&DX社会研究所は、水素燃焼専用の調理用炙りバーナーを開発し、事業者向け販売を開始しました。

水素炙りバーナーの特徴は、燃焼に水素を使用するためCO2を排出しないので、エコであると同時に、無臭であるため、食材にガス臭がつかない、燃焼温度を高くすることができるなどの利点から、美味しく調理できる

もっとみる
冷房と暖房、電気代が高いのはどっち?

冷房と暖房、電気代が高いのはどっち?

家電メーカーのパナソニック株式会社が、エアコンの節約術を公開しています。

冷房と暖房、電気代が高いのはどっち?
正解は「暖房」

一般的には冬のほうが温度差が大きい日が多いことから、暖房運転のほうが冷房より電気代が高くなる傾向にあります。
エアコンは運転を開始してから設定温度に到達するまでがもっとも稼働し、電力を消費します。そのため外気温と設定温度の差が大きいほど強力に冷やしたり暖めたりするので

もっとみる
ズボラ料理のリスク

ズボラ料理のリスク

最近は、手軽な調理家電を用いてできるだけ手間をかけない「ずぼら調理」が人気です。

しかし、その中には取扱説明書及び商品パッケージに記載されている注意事項をよく確認せずに誤った使い方をして事故に至ったケースがあります。

事故発生の原因の半数は、使用者の不注意によるものです。

製品別で見ると電子レンジによる事故が多いようです。

調理前には商品パッケージに記載されている注意点は確認することと、調

もっとみる
【古書巡り】電燈の巻

【古書巡り】電燈の巻

 明治期に小学校の教員を経て、科学読み物などを出版した石井研堂の著書「電燈の巻」を古書店で見つけたので、10、000円と高かったが購入しました。
 日本の技術が未熟な時代に、電気について理解して、明治期ならでは解説をし、独自の視点の発明品の着想も書かれています。当時の時代背景も垣間見れてとても面白い。
 

内容の一部を抜粋してご紹介します。
 
「第3話 自動機械」
 今日、力というものに人馬の

もっとみる
光ると冷たくなる物質

光ると冷たくなる物質

冷却する素子として現在普及しているのは、電気を通すと片方の面が熱を放ち、反対の面が吸熱して冷却する効果がある「ペルチェ素子」があります。しかし、ペルチェ素子は、熱を逃がす場所が必要になるという欠点があります。

千葉大の研究チームが今回開発した材料は、特定波長のレーザー光を照射すると吸収して発光します。このときに当てられた光よりも強いエネルギーを持つ光を放出するという特徴があります。エネルギーが光

もっとみる
送電線

送電線

私たちの生活に欠かすことのできない電気は全て発電所で作られます。発電所で作られた電気を変電所まで送り届ける設備を“送電線”といいます。日本全国、北海道から九州まで、全てが送電線でつながっています。そのため、電気はどの地域に届けることが可能で、24時間365日、安定して電気を届けることができます。万一、電気が不足する場合は、地方の電気を融通しあうことで、長時間の停電などのトラブルを未然に防止していま

もっとみる
鉄塔(鳥との共生)

鉄塔(鳥との共生)

カラスの繁殖期(3~5月)は、鉄塔への巣作りが盛んになります。巣の材料は主につる草ですが、鉄製のハンガーや針金などの金属物が含まれることもあります。鉄塔の電線や碍子(がいし)に接触して停電事故を引き起こす原因となります。

鉄塔を見上げると所々に金網部分があり、人が作業をするために設置されているのかと思っていたのですが、これはカラスなどの鳥の保護と共存の観点から、停電事故が発生するおそれの少ない箇

もっとみる
発電菌

発電菌

東京農工大学などの研究チームは、愛媛県内のみかん園地において微生物燃料電池の実証試験を開始します。

微生物燃料電池は、土壌微生物「発電菌」の働きを利用して発電します。「発電菌」は、植物が光合成により作り出す栄養を吸収し、分解する際に電子を放出する性質があります。

この、放出した電子を土壌に差し込んだ負極に集め、接続されたセンサー等を通じて正極に移動する際に電流が流れる仕組みを作ります。

効率

もっとみる
温水洗浄便座は“電気製品”です!!

温水洗浄便座は“電気製品”です!!

電気製品には寿命があります。快適に使い続けるためには、温水洗浄便座は電気製品であることを認識し、長年使用した製品に故障や異常がないか日々の確認で“気付く”ことが重要です。故障や異常 を放置すると最悪火災事故につながることもあります。

【温水洗浄便座の異常や故障のチェックポイント】

【異常に気付いたら】
温水洗浄便座の止水栓を閉め、電源プラグを抜いて使用を中止してください。

『参考資料』

h

もっとみる
熱を移動させる

熱を移動させる

熱を自由に移動させることができれば、世の中にたくさん存在する排熱を有効に活用できます。熱の移動といえば、エアコンは冷媒といわれる液体を循環させて熱を移動させています。しかし、冷媒は液体であるため、応用範囲が狭いです。

そこで北海道大学の研究チームは、電気を流して熱伝導率を変化させる固体素子『熱トランジスタ』の研究をしています。この素子を使って熱の流れをうまく誘導すれば、蓄熱技術などと組み合わせて

もっとみる